2013年01月20日 (日)冬のお風呂 突然死に注意!


年明けから厳しい寒さが続いていますが、熱いお風呂に入るのが好きだという人は注意が必要です。入浴中に突然、心肺停止となって亡くなった人が、おととし(平成23年)の1年間で高齢者を中心に、全国で約1万7000人にのぼるという推計がまとまりました。

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【大規模調査をもとに推計】
推計したのは、東京都健康長寿医療センター研究所の高橋龍太郎医師の研究グループです。

20130117nyuuyoku_2.jpg研究グループが東日本を中心に23都道県の362の消防本部の協力を得て、初めて大規模な調査を行ったところ、一昨年の1年間で入浴中に心肺停止状態となり、救急搬送された人が65歳以上で4252人いたことが分かりました。

20130117nyuuyoku_3.jpg月別では、▼1月が18.2%と最も多く、▼12月が17.0%、▼2月が13.5%と、寒さが厳しい時期が多く、年齢別では、75歳以上が約8割を占めました。

20130117nyuuyoku_4.jpgこのデータのほか、65歳未満の人たちや、救急隊が到着した時点ですでに浴室で死亡し、搬送されなかったケースも含めて推計したところ、入浴中に亡くなった人は全国で高齢者を中心に1年間に約1万7000人となりました。

20130117nyuuyoku_5.jpg【原因は急激な血圧の変化か】
高橋医師によると、死亡の原因は必ずしもはっきりしませんが、多くの場合は、寒い脱衣所と熱いお湯が入った浴槽の中の温度差で血圧が急激に変化する、いわゆる「ヒートショック」が起き、意識を失って浴槽内で溺れたり、ショック状態になったとみられるということです。また、熱い湯に長く浸かるうちに熱中症のような状態になって亡くなる可能性も指摘されています。

20130117nyuuyoku_6.jpg高橋医師は「脱衣所や浴室に暖房器具を置いたり、入る前にシャワーで湯気を出したりして室温を暖かくするとともに、浴槽のお湯はあまり熱くしないなど、体温との温度差を大きくしない環境でお風呂に入って欲しい」と話しています。

20130117nyuuyoku_7.jpg【さらなる実態解明、啓発を】
入浴中の突然死の実態は、まだ十分に分かっていません。国の統計では「浴槽内の溺死」が年間4000件余りと報告されている他は、浴室で亡くなっても「病死」扱いになり、全体像がつかめないからです。消防庁の研究グループが12年前に都内の搬送データから全国で約1万4000人が入浴中に死亡していると推計しましたが、その後は調査や研究は行われませんでした。このため去年4月には、日本救急医学会など3学会が合同で国に実態調査を求めました。
こうした中、高橋医師らの推計によって、1万数千人が入浴中に亡くなっている可能性が高まりました。これは、交通事故死(平成24年、約4400人)を大幅に上回る人数です。国もようやく研究班を設置して全国的な実態調査を進めていて、今後、予防策を検討するということです。一刻も早く、実態や急死のメカニズムを解明し、市民への啓発に力を入れて欲しいと思います。

投稿者:本木孝明 | 投稿時間:06時00分

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