2013年01月14日 (月)終末期医療の希望 記録は12%


高齢で寝たきりになった時に胃ろうなどの延命治療を望むかどうかなど、終末期医療の希望について、4割の人が家族などと話し合っている一方で、実際に希望を記録に残している人は1割にとどまっている、という調査結果を東京都健康長寿医療センターがまとめました。

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【90%近くは胃ろうを希望せず】
この意識調査は、東京都健康長寿医療センターが去年(平成24年)3月に通院患者を対象に行ったもので、およそ970人から回答を得ました。

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この中で、「重い認知症や脳卒中などで寝たきりとなり、意思の疎通が難しいうえ、食べものを飲み込めない状態になった場合、栄養を人工的に補給する延命治療を希望するかどうか」を聞いたところ、▼「何もしないで欲しい」が47%、▼「点滴だけを希望する」が41%でした。そして、▼胃に穴を開けてチューブから栄養や水分を流し込む「胃ろう」や、鼻にチューブを入れる「経鼻経管(けいびけいかん)栄養」を望む人は5%でした(※無回答が7%)。

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【事前指示の記録はわずか12%】
また、終末期医療の希望について、家族や友人と話し合ったことがあるかという質問には、44%が「ある」と答えました(※「ない」が48%、無回答が8%)。その一方で、希望する内容を文書などの記録に残している人は12%にとどまりました(※「残していない」が78%、無回答が10%)。

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調査を行った東京都健康長寿医療センター研究所の副所長で、老年医学が専門の高橋龍太郎医師は、「治癒が難しい状態になれば、それ以上、積極的な治療を受けても、逆に苦痛が増したり、自分が望む場所で過ごせなくなったりすることが広く理解されるようになったため、延命治療を望む人が少なくなっているのだろう」と分析しています。
その上で、高橋医師は「延命治療が検討される時、患者本人は意思疎通ができない状態になっている場合が多いので、普段から家族に希望を伝えると同時に、文書など記録を残しておくべきだ。以前、こんな風に言っていたという話だけでなく、客観的な記録があった方が医師も親族もはっきりと認識でき、希望を尊重することにつながる」と話しています。

20120111syuumatuki_5.jpg【取材後記】
終末期医療を取材していると、身近な家族が患者の意向を尊重して延命治療を控えたいと申し出ても、医師や遠縁の親戚から「見殺しにするのか」などと反対され、本人の意思に反して延命治療が行われるケースが少なくないと聞きます。そんな時、本人の希望を記した文書があれば、関係者の理解を得やすくなると思います。私も還暦を迎えた母と90歳近い祖母がいます。1度、最期の迎え方について話し合い、記録に残すことを勧めなければならないなと思っています。
 

投稿者:本木孝明 | 投稿時間:06時00分

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