2012年11月09日 (金)妊娠と薬 男性患者の課題


男性が飲んだ薬が妊娠した子どもにどう影響するのか。医師や薬剤師が意見を交わすシンポジウムが開かれ、「薬の影響についての男性患者のデータが少なく、子どもを望む患者にどう対応すればいいのか悩んでいる」といった意見が相次ぎました。
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谷許淳一さん、31歳です。6年前、指先をはじめ、全身の関節が炎症を起こす関節リウマチと診断されました。
20121109ninsin-2.jpg蛇口をにぎるにも強い痛みを感じ、力も入らないため、ひねることができません。また、首や肩を動かすにも激痛が走り、寝返りさえうてない日があるといいます。20121109ninsin-3.jpg病気の進行を抑えるためには薬が欠かせません。しかし、この春結婚した谷許さんは、今、薬を飲むのをやめています。子どもが欲しいと考えたからです。
20121109ninsin-5.jpg薬の文書には、「服用した男性は、3か月間、妊娠を避ける」よう書かれていたのです。谷許さんは、「赤ちゃんにもしものことがあるといやなので、なるべくリスクを回避したい。我慢するしかないと思っています」と、話していました。
20121109ninsin-4.jpg薬をやめて半年。病状は進行し、左手が特に腫れてきました。主治医も骨が変形し、関節が動かなくなることを心配しています。
20121109ninsin-6.jpgしかし、主治医は薬の服用をすすめられずにいます。主治医の水谷陽子医師は、「添付文書に書いてある以上、私もすすめにくい。患者さんをみている医者としては、悩ましい限りです」と、話していました。
20121109ninsin-7.jpgそんな中、10月28日に東京で、妊娠と薬について考えるシンポジウムが開かれました。この中で、谷許さんの薬では、妊娠への影響が見られなかったという海外の研究が報告されました。
20121109ninsin-10.jpg専門の医師が、「薬が明らかにこどもの先天異常の原因になることを証明したような報告は、今のところありません」と、発言したのです。
20121109ninsin-9.jpgところが、参加者からこうした情報の共有化が医療機関で進んでいないという意見があがりました。また、妊娠と薬の影響について研究する機関はいま全国に広がっていますが、研究やデータ収集の対象はほとんどが女性です。男性患者への対応の遅れは、シンポジウムでも指摘され、今後、男性についても研究を進めていくよう呼びかけが行われました。
20121109ninsin-11.jpg主催した妊娠と薬情報センターの村島温子医師は、「男性患者に対するデータは日本にはほとんどありません。全国の症例を登録してもらってデータを集め、そこから新しい科学的な根拠を作り、全国の医師や薬剤師と共有化していくことが必要だと考えています。今後、妊娠を考える患者さんたちに、より安心して妊娠してもらうためのお手伝いをしていきたいです」と、話していました。  

投稿者:天間暁子 | 投稿時間:06時00分

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