2012年10月18日 (木)秋はダニに注意


秋のこの時期、ぜんそくなどアレルギーがひどくなったと感じたこと、ありませんか。実は、その原因の1つとして「ダニ」が考えられると専門家はいいます。ダニはアレルギーの原因となり、小児ぜんそくでは原因の9割を占めるとも言われいます。死がいやフンが体に入ることで症状が出ますが、夏の間に繁殖したダニが死んで、家の中にたまりやすいのが、秋のこの時期なのです。さらに、この時期にする「あること」の際に特に注意が必要だといいます。どのような対策が必要なのでしょうか。

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ダニと聞いて、真っ先に思い浮かべるのは、家の中で人の体を刺すダニではないでしょうか。しかし、アレルギーの原因となるのはこれではなく、「チリダニ」と呼ばれる種類です。チリダニは家の中にどのくらいいるのでしょうか。自治体の中には、住民を対象に、無料でダニの検査を行っている所があります。このうち、東京・新宿区は保健所の職員が区民の家を訪れ、ダニの中のアレルギーの原因物質=ダニアレルゲンの量を調べ、その場で結果を知らせます。6歳の双子と2歳のあわせて3人の子供を持つ30代の女性も、先日、検査を依頼しました。

20121018-dani1-tamago.jpg調べたのは、敷布団や毛布、リビングの布製のソファーなど5か所。保健所の職員が掃除機でそれぞれ1平方メートルあたり1分間ほこりを採取し、ほこりを入れた袋に特殊な液体を入れて試験紙を浸します。

20121018-dani2-ta.jpg待つこと10分。結果は4段階で示され、紫色の線が濃く表れるほどダニアレルゲンの量が多いということです。この女性は毎日掃除機をかけていましたが、敷布団や子供の毛布などから最も多いレベルの結果が出ました。保健所の職員によりますと、これは珍しい結果ではないということです。取材した女性は「ダニは目に見えないので『まあいいや』という感じでしたが、結果が目に見えると、対策をやらなければいけないかなと思います」と話していました。

20121018-dani4ta.jpg女性が話すように、ダニは目にはほとんど見えません。どのくらい小さいのでしょうか。体長は0.3ミリから0.4ミリほど。私は、民間の研究所で生きているダニを見せてもらいましたが、初めて見た時は薄茶色の粉のようにしか見えず、じっと目をこらしてようやく動いているのを確認できました。

20121018-dani5ta.jpg問題なのは、こうした生きているダニよりもさらに小さいフンや死がいがアレルギーを引き起こすということです。ダニのフンは0.01ミリほど、体の数十分の1の大きさです。

20121018-dani6ta.jpgダニは、室温25度から30度、湿度60%以上の高温多湿を好むので、日本では梅雨の時期に増殖します。寿命は2、3か月と言われ、涼しくなり湿度も低くなる秋になると死に、死がいがたまるのです。また、掃除を頻繁にしていなければ、夏の間に増えたフンも部屋にたまります。これらを体内に吸い込むことでアレルギーが引き起こされるため、秋のこの時期、要注意なのです。ダニの研究をしている東京環境アレルギー研究所の白井秀治所長は、「生きているダニは体の中に水分があるので比較的重たいと考えていいと思います。それに比べて死がいやフンや水分がない状態で、小さいものだけにホコリとして舞いやすいです」と話していました。

20121018-dani8ta.jpgさらに、アレルギーが専門の西岡謙二医師は「フンや死がいは非常に小さいので、気管支の末梢まで到達するため、喘息が引き起こされると考えられています」と話していました。では、この時期、どのような対策が必要なのでしょうか。西岡医師は、「布団の対策が最も重要」と訴えています。布団は人が長い時間過ごすため、ダニのえさとなる人のフケやアカ、食品のかすなどが多く含まれているので、ダニが繁殖しやすいというのです。

20121018-dani9ta.jpg神奈川県厚木市に住む中学1年生の男の子は、1歳の頃からぜんそくに苦しみ、特に、秋に発作がひどくなっていましたが、母親が布団の掃除を徹底することで、改善したといいます。布団の対策、具体的には何をすればいいのでしょうか。まず、週1回はシーツや布団カバーを水洗いすること。ダニのフンは水に溶けて流れ落ちやすいからです。

20121018-dani11ta.jpg敷布団など洗うことが難しい場合は、週1回以上、天日干しをします。湿気が取り除かれダニの繁殖を抑えられます。そして、ふとんの両面に掃除機をかけること。これが最も重要です。干すだけでは死がいやフンを取り除くことができないからです。週に1回は、1平方メートルあたり20秒くらいかけてゆっくり丁寧に吸い取ることがポイントです。普段、畳やフローリングを掃除する時に使う掃除機のノズルでは、布団の布が吸い付いてしまい使いづらい場合がありますが、布団専用のノズルが、掃除機を購入した時についていたり、家電量販店などで販売されていたりするということです。

20121018-dani12ta.jpgさらに、じゅうたんや布製のソファーなどにもダニが潜みやすいので、掃除機をかけることが大切です。ただ、どれもこれもいっぺんにとなると大変です。そこで、西岡医師は、まず布団やシーツ、次に寝室と居間のじゅうたん、というように、優先順位をつけて無理せずできることを続けてほしいとアドバイスしています。この時期、特に注意が必要なのは冬の布団を押し入れから出す時だといいます。取材した厚木市の男の子も、寒くなって布団を押し入れから出してすぐに使った晩にぜんそくがひどくなったといいます。押し入れは湿度が高いので夏の間にダニが増殖しやすく、そのまま使えば大量の死がいやフンを吸い込むことになるのです。そこで、取材した男の子の母親は天気予報でいつから気温が下がるかをチェックした上で、早めに布団を押し入れから出して普段の対策と同じように丸洗いしたり干したりしてから使用しているということです。私は、小さい頃にぜんそくを患い、今でもアレルギー疾患を持っています。ダニのことは気にはなっていたものの、床などを掃除するくらいで布団に掃除機をかけるということは知りませんでした。布団の掃除機がけや定期的な掃除は、ダニ対策だけでなく花粉やウィルスの対策にもつながります。最近、急に寒くなってきましたが、押し入れから布団を出す時には掃除機をきちんとかけてその後も定期的に続けていきたいと思います。

 

投稿者:中村織恵 | 投稿時間:06時00分

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コメント

中村さん。熱心な取材、本当にお疲れ様でした。素晴らしい内容に仕上げて下さり、取材を受けた冥利に尽きます。今後のアレルギー講習会の場で録画したものを活用させて頂きます。山口さんの番組構成を予め、お聞きしておけばよかったなぁと反省してます。ちょっと、しゃべくりが情けなかったですねぇ。でも、秋にダニ対策を放送して下さり、有り難かったです。お二人の熱心な取材姿勢に頭が下がりました。本当にありがとうございました。

投稿日時:2012年11月03日 20時49分 | 油屋八兵衛

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