2012年06月20日 (水)男性の更年期障害?~LOH症候群~


最近、何事にもやる気が出ない、疲れやすい…。実は、年のせいではなく「ホルモンの低下」が原因かもしれません。ホルモン低下といいますと、女性の更年期障害を思い浮かべますが、男性も女性の更年期に似た症状を訴えるケースがあるのです
男性ホルモンの低下で起きる症状を、専門家は「LOH症候群」(加齢男性性腺機能低下症候群)と名づけています。その数は600万人とも。実態とメカニズムを分かりやすく紹介します。

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男性の更年期障害で長年苦しんだ都内の63歳の男性。

20120620_2.jpgこの男性が体に異変を感じ始めたのは50代半ばでした。体全体が重く感じ、朝、なかなか起きられませんでした。背中がテープでくっついている感じだったといいます。力も入らなくなりました。さらに、手の指もこわばって動きづらくなっていきました。ひざにも痛みがあらわれたといいます。

男性は、「新しいことに挑戦するのは無理だった。普通のことを普通にやっていくエネルギーもなかった。家族とか会社からは怠けているようにしか見えないのがつらかった」と当時の状況を話していました。

20120620_3.jpg原因が分からず10年近く症状に悩みましたが、去年、男性更年期の専門外来があることを知り、診察を受けました。血液検査を受け、診断の結果は「LOH症候群」でした。男性ホルモンの値が、最低ラインの8.5を大きく下回る5.9しかなかったのです。

20120620_4.jpg通常、男性ホルモンは年をとるにつれて緩やかに減って、70代で8.5に近づいていきます。しかし、LOH症候群の場合、早いと40代50代でこの値を下回ってしまうのです。

20120620_6.jpgこの男性は、男性ホルモンを注射で補う治療を受けたところ、症状は大きく改善しました。男性は、「ホルモンが低下した病気なんだと自分で自覚できる。そうでないと自分の能力の低下ということで自分を責めると思う」と話していました。

1000人以上の患者を診察してきた帝京大学医学部附属病院の堀江重郎教授です。

20120620_7.jpgLOH症候群は、男性ホルモンの値が低い、ひとつの病気」だと指摘します。

男性ホルモンは主に精巣で作られます。筋肉や骨を作ったり、性機能を維持したりする役割のほか、脳の認知機能にも関わっていると考えられています。

20120620_8.jpgこのため、男性ホルモンが減少すると、筋力が低下したり、骨粗しょう症になったりするほか、記憶力ややる気の低下といったさまざまな症状が出ます。

20120620_9.jpgさらに、男性ホルモンの減少にはストレスも大きく関わっていることが分かってきました。強いストレスが長時間続くと、脳のほうから精巣に男性ホルモンを出す指令が出なくなり、男性ホルモンが減るのです。さらに、堀江教授は、男性ホルモンには肥満を抑える効果もあるため、ホルモンの減少に伴って内臓脂肪が増え生活習慣病のリスクも高くなると指摘します。

女性の更年期障害は多くの場合、回復するが、男性の場合、待っていても回復しない重症の場合、医師と相談した上で、男性ホルモンを注射で補充する治療が必要だ」と、堀江教授は話していました。

20120620_11.jpg対策は早期発見です。専門のドックを始めるところも出てきました。

東京・新宿区にあるクリニックでは、大学病院の医師などの協力を得て、男性ホルモンの値や骨密度などLOH症候群と関連があるとされる20項目以上の検査を行うドックで、治療が必要かどうかを調べます。

20120620_12.jpgドックを受けた訪れた40代の男性は、「うつではないかと周りの人に言われたが、男性ホルモンの値など詳しい数値がきちんとわかればいいと思って、ドックを受けた」と話していました。

担当している医師は、「やる気が起きない、元気が出ないという症状で、いろいろな診療科を回ったが原因が分からないという人も多い。こうした男性力ドックがあれば、LOH症候群かどうか、症状と詳しい数値をベースに判断でき、早期発見につながると思う」と話していました。

検査を受ける前に、手軽にできるチェックリストもあります。

20120620_13.jpg日本泌尿器科学会などのホームページでも紹介されています。
この中では、以下の17の項目が示されています。

「総合的に調子が思わしくない」     
「関節や筋肉の痛み」    
「ひどい発汗」    
「睡眠の悩み」    
「よく眠くなる、しばしば疲れを感じる」    
「いらいらする」    
「神経質になった」    
「不安感」    
「体の疲労や行動力の減退  」
「筋力の低下」    
「憂うつな気分」    
「絶頂期は過ぎたと感じる」    
「力尽きた、どん底にいると感じる」    
「ひげの伸びが遅くなった」    
「性的能力の衰え」    
「早朝勃起(朝立ち)の回数の減少」    
「性欲の低下」

判定方法は、
それぞれの項目について、非常に重いを5点、無しを1点として、
「軽度」27点~36点
「中等度」37点~49点
「重度」50点以上、
となっています。

堀江教授は、こうしたチェック表を活用するほか、見極める一つのポイントとして、朝の勃起が2週間以上ない場合は疑いが強いと話していました。さらに、予防や男性ホルモンを上げるためには、生活習慣の改善も重要です。

対策のポイントをまとめました。

20120620_15.jpgまずは、『食事』
脂肪分の摂取量が少ないと、ホルモンが低下するということで野菜だけでなく、肉や魚も適切にとることが重要です。たまねぎや、ねぎ類に含まれる成分が、男性ホルモンを高める働きがあるという研究結果もあります。

次に、『運動』
激しい運動をたまに行うより、短時間でも継続して体を動かすことが効果的だといいます。

そして、『生きがい』
ストレスを感じ、緊張状態が続くことが、男性ホルモンの分泌によくないということで、生活に張り合いが出るような趣味を楽しむことも大事だそうです。

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投稿者:森田拓志 | 投稿時間:06時00分

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