2012年06月05日 (火)子どもを紫外線から守る取り組み


きょうは「子どもの日焼け」についてお伝えします。

昔は日に焼けていると健康的だというイメージがありました。以前は母子手帳にも「日光浴をしていますか」という項目がありました。実際、太陽の光は骨を丈夫にするビタミンDを作るというメリットもあるんです。

ただ、この20年間で紫外線の量は緩やかに増えています。特に、有害な種類の紫外線が多くなっているという指摘もあります。
皮膚が未熟で薄い子どもは、とりわけ影響を受けやすいとされています。紫外線の積み重ねが、将来大人になってから皮膚がんを引き起こしたり、目を痛めたりすることが分かってきました。
時期的には、今の季節から、対策を始めたほうがいいと言われています。紫外線の量は夏場がピークですが、この時期は、まだ肌が紫外線に慣れていないのでちょっとした光でも日焼けしやすいんです。

こうしたなか、子どもの日焼けを防ごうと、さまざまな対策が始まっています。

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子ども向けの紫外線対策商品が相次いで発売されています。
紫外線を90%カットするTシャツは去年に比べて1.5倍の売り上げです。夏でも涼しく着られるよう、薄い素材を使った長袖の洋服やTシャツの形をした水着も主流になってきているそうです。

120605018.jpg開業医などで作る日本臨床皮膚科医会は、先月、子どもの紫外線対策に関する指針をまとめました。
これまで皮膚科医の中には「日焼けは子どものために必要だ」という考えの人もいました。しかし、子どものうちから過剰な紫外線を浴びることは健康に悪い影響が大きいとして、学会として具体的な対策を初めて示しました。

120605019.jpg指針をまとめた皮膚科医の1人、岡村理栄子医師によると、子どもは皮膚が薄く紫外線を反射する力も弱いため大人よりもダメージを受けやすいといいます。

120605016.jpg急に日焼けした場合、炎症を起こして水ぶくれになるな ど、重症のやけどのようになってしまうことは知られていますが、ここまで至らなくても、日焼け自体に悪い影響があることが分かってきています。

1206050119.jpg上の左の画像は通常の肌の細胞、右は紫外線を浴びたあとの変化です。
紫外線を浴びると、細胞のDNAが傷ついているのが分かります。免疫力が低下し、体力が落ちるだけでなく、日焼けを繰り返すと将来的には皮膚がんの原因になると考えられています。
特に、今の時期は皮膚を紫外線から守るメラニン細胞の働きが弱いので注意しなければなりません。

今回の指針でまとめられた注意点と対策、まず服装です。
帽子はつばが7センチあるもの。これで顔に当たる紫外線の60%をカットでき、紫外線に弱い目も守ることができます。
また、服は素材に注目。編み目が詰まった綿やポリエステルがお勧めです。

120605015.jpg岡村医師は「鼻の頭とか首の前、手もそうですが、首の前は皮膚が薄いですので、焼けやすくてダメージ受けやすいですね」と話しています。

次に場所の注意です。
日陰は、紫外線量がひなたの半分になります。特に、日ざしの強い午前10時から午後2時までの時間帯は、外での活動に特に注意が必要です。

120605014.jpg指針では日焼け止めクリームの活用も勧めています。クリームは顔や手足にむらなく塗ります。汗で流れるので、2、3時間ごとに重ね塗りをすると効果的です。

岡村医師は「戸外で遊んで子供たちがいきいきしていくことは非常にいいことなので、戸外で遊んだりするこ とをだめだと言っているわけではありません。戸外でいきいき遊ぶためには、紫外線などを調整していただきたいなと思います」と話しています。

120605013.jpgこうした対策を実践している幼稚園もあります。
さいたま市の幼稚園では、子どもに対する紫外線の影響を知り、対策に取り組むようになりました。

120605012.jpg先生が「日焼けというのはね、お日様の光でお肌をやけどしてしまうことなの」と話しています。子どものうちから紫外線との上手なつきあい方を身につけてほしいと、注意点を分かりやすく教えています。

120605011.jpg外では必ず帽子をかぶります。園庭は、たくさん木陰ができるように木を植えていま す。芝生は地面からの照り返しを減らすのが目的です。光を反射しやすい砂場にも屋根を設け、日の当たる場所には光を遮るシートを設置しています。
園長は「紫外線が気になるので外で遊ばないのではなく、紫外線が多少あっても十分に遊べる工夫や装備をしっかりできること、それが当たり前のような生活スタイルになるのが大事です」と話していました。
保護者にも、日焼けについて家庭で意識を高めてほしいと呼びかけているそうです。

繰り返しになりますが、日焼けを防ぐために、ずっと家の中にいたほうがいいということではありません。医師も、外で元気に活動することはメリットも大きいので、むやみに紫外線を怖がることはないと話しています。
ただし、自分から積極的に紫外線を浴びたり、無防備に強い光にさらされたりすることは避けたほうがいいので、できる範囲で対策を取ってほしいということです。

こうした子どもの紫外線対策の動きですが、まだまだ学校や保護者の意識の違いで、取り組みに差が出ているようです。例えば、小学校以上になると日焼け止めの使用自体が禁止されてる学校も多いのが実情です。
大人向けの「美白対策」はずいぶん普及 していますが、子どもに対しても、大人が気をつけることが大事だと思います。

投稿者:山本未果 | 投稿時間:06時00分

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