2011年11月17日 (木)特効薬が効かない "マイコプラズマ"


マイコプラズマという細菌による肺炎が、ことし、子どもを中心に流行していますが、これまで効くとされていた薬が効かない「耐性菌」が多いことが分かり、専門家は、症状が長引いて重症化するおそれがあるとして、注意を呼びかけています。
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという細菌が原因で起こる肺炎で、発熱や全身がだるくなるなどの症状が出るとともに、せきが長く続くのが特徴です。

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国立感染症研究所によりますと、ことしは、全国の450余りの医療機関から報告される患者数が、今月6日までの累計で1万1919人と、この時期としては過去10年間で最も多くなっています。
年齢別では、0歳から4歳が37%、5歳から9歳が30%、10歳から14歳が15%で、0歳から14歳までの子どもが全体の80%以上を占めています。

マイコプラズマは、これまで、「マクロライド系」の抗生物質が効くとされ、医療現場で最初に選ぶ薬として使われてきました。

東京・足立区にある総合病院でも、マイコプラズマ肺炎で入院する患者が8月から一気に増え、ことしに入ってからの入院患者は合わせて80人と、例年の3倍に上っています。
今、問題となっているのが特効薬が効かない耐性菌に感染した患者が多いことです。

1117B.jpg10歳の女の子もその1人です。今月1日、38度台の熱が出て、近くの診療所を訪ねました。
医師から「かぜ」と診断されましたが、その2日後にせきが出始めました。
それから、さらに2日たって再び受診すると、医師はマイコプラズマ肺炎を疑い、特効薬である「マクロライド系」の抗生物質を処方しました。
しかし、症状は治まらず、せきはひどくなり、夜も眠れず、次第に食欲もなくなっていきました。
女の子は「食欲がなく、せきが嫌だった。寝ているときもずっとだった」と話しています。
母親は「マイコプラズマ肺炎にも効く薬だと言われたので、すぐに治ると思っていましたが効きませんでした。ぐったりしていて、すごくつらそうでした」と話しています。

発熱から10日目、女の子は総合病院に入院しました。
エックス線写真では、左の肺の一部が白くなっていて、肺炎を起こしていました。
診察した博慈会記念総合病院副院長の田島剛医師は、発症から10日もたっていることから、特効薬が効かない耐性菌と判断し、「テトラサイクリン系」という別の抗生物質を使って治療しました。
その結果、翌日には熱が下がり、せきも少しずつ治まりました。

1117C.jpg田島医師は
「従来処方していた薬が効かないため、重症化して入院してくる患者さんが増えています。ことしのマイコプラズマは、これまでの薬が効かないことを疑って、早めに別の薬を処方することが大事だと思います」と話しています。

1117D.jpg特効薬が効かないマイコプラズマはどのくらい広がっているのでしょうか。

北里大学北里生命科学研究所が、ことし、東京や広島など5つの病院の患者から検出されたマイコプラズマを調べたところ、86%で「マクロライド系」の抗生物質が効かなかったということです。

1117E.jpg調査した北里大学北里生命科学研究所の生方公子特任教授は
「マイコプラズマの耐性菌は、ことし急速に広がっています。小学校、幼稚園の中で、お子さんどうしで拡散していると思っています。症状が長引いて重症化するおそれがあるため、医師は、従来使っていた抗生物質が効かなくなっているということに注意して診療に当たってほしい」と話しています。

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投稿者:松岡康子 | 投稿時間:06時00分

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