2014年12月27日 (土)"必ず起きる" 餅の窒息事故に注意!


正月に欠かせない餅ですが、高齢者がのどに詰まらせて亡くなる窒息事故が毎年この時期に必ず起きています。
「餅を詰まらせた」という救急搬送の数は、データのある東京消防庁・大阪市消防局の管内だけで年間100人以上にのぼります。
餅をのどに詰まらせない対策、詰まらせたときの対応をご紹介します。

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【窒息による死者の8、9割は高齢者】

グラフは、不慮の窒息による死亡者の数です。
厚生労働省の人口動態統計からまとめました。
正月を挟む12月から2月は、窒息事故が大きく増えているのがわかります(赤い部分です)。
死者は1か月で1000人を超え、65歳以上の高齢者が80%から90%ほどを占めています。

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【冬に高齢者が多いのはなぜ?】

窒息事故が起きる理由について、歯科医師で昭和大学歯学部で講師を務める石川健太郎さんは次のように解説しています。

・冬に多いのは、餅の特性による

餅は表面温度が40度以下になると硬さが増す。
特に冬場は冷めやすいので、硬くなりやすい。
また、餅の温度が体温やそれ以下になると、くっつきやすさも増してのどの粘膜にくっつき、はがれにくくなる。

・高齢者に多いのは、体の機能が低下するから

高齢になると、口やのどの機能が低下する。
奥歯がなくなったり入れ歯になったりすることで、あごの安定力が低下し、食べ物を細かくして飲み込みやすくするそしゃく力や、飲み込む力が落ちる。
また、唾液の分泌も減り、口の中の感覚や舌の圧力も落ち、飲み込んでものどに残る部分が生じやすく、そのまま息を吸い込むと気道に詰まりやすくなって窒息の原因となる。


【餅を詰まらせないようにする食べ方】

まず、餅の大きさを短冊状に切ったり細かくしたりして小さくし、一口で食べられるサイズにする。
また、飲みこみやすくするには唾液が非常に重要。
よく噛んで食べることで餅に唾液をからませ、飲み込みやすくするとともにのどへのはりつきを防ぐ。
ただし、朝は唾液が出づらいのでいきなり餅を食べず、おしゃべりをするなど口の準備運動が必要。 
また、スープなどでのどを潤してから食べるのも有効。

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【詰まりにくい餅の代用品の活用も】

・くっつきにくい「うるち米の餅」

東京都内の特別養護老人ホームでは、特殊な餅を使うことで事故を防ごうとしています。
写真のソーセージのような棒状のものがその餅です。
長野県の製薬メーカーが高齢者向けに開発したもので、輪切りにして調理します。
うるち米が主な原料で、メーカーによりますと、市販の切り餅に比べくっつきやすさが半分ほどだということです。

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・飲み込みやすい「もち小麦」

餅の材料に米を使うこと自体をやめてしまったところもあります。
青森県内の特別養護老人ホームでは、餅米ではなく「もち小麦」を使っています。
「もち小麦」は、餅のような食感が得られる新たな小麦の一種で、餅にすると弾力があって餅米の餅のような歯応えがある一方、簡単にかみ切れ飲み込みやすくなっています。
比較実験では、歯応えにあたる弾力は同じくらいでしたが、粘りが強い「餅米」に対し「もち小麦」の粘りはその半分ほどで、つるっとしていて飲み込みやすくなっています。

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【餅を詰まらせたときの対応は】

万が一餅を詰まらせてしまった場合の応急手当ての方法を、帝京大学医学部附属病院救命救急センター長の坂本哲也主任教授に聞きました。

①まず、意識がある間はせきをするよう促す。
②吐き出せなければ、手のひらの付け根部分で相手が痛いと思うくらい強く、背中の真ん中辺りをたたく。
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③同時に、誰かに頼んだりして119番通報をする。
④意識がなくなって倒れた場合は、救急車が来るまでの間、餅を押し出すため手で胸の真ん中辺りを5センチ沈み込ませるくらいの力で押す(ドッジボールを5センチくらいへこませるイメージで、小柄な女性であれば全体重を乗せるくらいの感覚)。
うろ覚えでもいいのでためらわず、1秒間に1回以上1分間に100回程度を目安に押し続ける(心臓マッサージと同じ動き)。

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【他人事? 毎年、必ず死者が出ています】

毎年、注意喚起がされていながら、事故はなくなりません。
食べ慣れている餅です。「自分は大丈夫」、「おじいちゃん、おばあちゃんは大丈夫」と、他人事に思われているかもしれません。
しかし、毎年、必ず死者が出ていて、次は身近なところで起きないとも限りません。
対策を取ってください!
食べるときは、高齢者から目を離さないようにしてください!

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●NHK生活情報ブログの過去記事も参考になります。

2014年1月1日 「正月 餅の窒息事故に注意!」
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/300/176590.html#more

2013年1月1日 「どう防ぐ?餅の窒息事故」
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/300/142259.html

投稿者:三瓶佑樹 | 投稿時間:08時00分

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