2019年02月20日 (水)あちこちで思わぬ悲鳴が...


※2018年12月19日にNHK News Up に掲載されました。

ことしもあと残すところ10日余り。本格的な冬の訪れといいたい所ですが取材をすると「あり過ぎて困った」とか「まったくなくてどうしようか」と思わぬ悲鳴が聞こえてきました。この冬、いったいどうなっているのか取材しました。

ネットワーク報道部記者 目見田健・松井晋太郎・木下隆児

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<大根や葉物野菜が安値>

181219ati.2.jpgネット上である悲鳴を見つけました。

「どうかこの窮状をご理解いただき『食べて応援』お願い申し上げます」

これは青森市にある青果物の卸売業者が生産農家の窮状をツイッターで訴えたものです。

今月10日に投稿されたこのツイート。リツイートは1万7000件を超えています。

取材した青森市内のスーパーでは、19日現在、2Lサイズの大根1本99円、4分の1にカットされた白菜が109円など、大根や葉物野菜が、去年の同じ時期の5割から8割ほどの価格で売られています。

181219ati.3.jpg売り場の担当者によりますと、これらの野菜は、需要が高まる年末年始に向けて栽培されますが、秋に天候に恵まれたため収穫が早まり、供給が増えていることが値下がりにつながっているということです。

こうしたなかスーパーでは、大根をいろいろな料理に使ってもらおうと、葉に近い甘い部分は大根おろしに、からい根の部分は煮物にするなど、部位ごとのおすすめ料理を紹介するイラストを貼って、消費を呼びかけています。

181219ati.4.jpg大根を買った女性は「だいぶ安くなったので、もちろんうれしいです。葉っぱも捨てないでみそ汁に使います」と話していました。


<暖冬傾向、野菜は>
安値が続く野菜の価格。農林水産省が今月10日から12日の間に全国470店舗を訪問した小売価格の調査によりますと、8品目中7品目の野菜が、平年に比べて安くなっています。

181219ati.5.jpg例えば、鍋料理に欠かせない白菜。平年に比べて75%、大根は73%の価格となっています。

また、レタスは55%と、およそ半分の価格です。農林水産省の担当者は、「10月下旬くらいから暖かい日が続き、野菜がよく生育していて収穫量が増えています。今月中は、葉物野菜はかなり安くなると見ています」と説明しています。

ネット上では、野菜の安さに喜びの声が投稿されています。

「今年は野菜が安いので、そこは凄く助かっている」「大根と白菜、いま安いし、まだあるのに買ってしまう。冷蔵庫いっぱい」「最近野菜安いからありがたいんだけど先日買った巨大セロリ消費するのに頭抱えてる…」


<あたたかい鍋が…>

181219ati.6.jpgさらに冬の料理の代表、「鍋」。鍋つゆなどを販売している、大手食品メーカー「ミツカン」の広報担当者に聞いてみると、案の定、去年に比べて消費量が落ちていました。

「ミツカン」によりますと、ことし9月から11月の鍋つゆの市場全体の販売額はおよそ139億円で去年に比べておよそ9億円、率にして6%減っているそうです。

「ことしは気温が高いので売り上げは全体的に厳しい状況です。鍋の消費量は、気温や野菜の価格に左右されるので、今打ち出しているのが鍋の「ヘルシーさ」です。野菜がたくさん食べられることや、シメの雑炊まで食べたとしても糖質が少ないといった点をアピールして、鍋を食べるモチベーションを高めていきたいと思います」


<ゲレンデに雪がない>
ほかにも悲鳴は聞こえてきます。

全国各地のスキー場で影響が広がっているのです。このうち、福島県猪苗代町の標高1050メートルにある箕輪スキー場。今シーズンは当初、先月(11月)22日にオープン予定でした。

しかし、気温が高い日が続き雪が積もらなかったのです。運営会社では、人工降雪機を準備していましたが気温がマイナス1度以下にならないと水が雪として積もらないということで使うことができませんでした。

今月4日には最高気温が16度を超えゲレンデの雪はほとんどとけてしまいました。そのあとようやく本来の冬の冷え込みが続き積雪が30センチを超えた場所も出てきたため今月10日にオープンしました。

181219ati.7.jpg予定より18日遅れ。福島県の中で最も早いオープンだったそうです。
それでも積雪は例年よりも20センチほど少ないということです。
さらに…。
利用できるゲレンデは11あるうち、初級者用のコース2つのみ。3つあるリフトも1つしか動かせていない状態でほとんど雪が積もっていない山頂近くにある中級・上級者用のコースはいまだに営業ができていないということです。
181219ati.8.jpgこのスキー場では、順次、利用できるゲレンデを増やしたいと考えていますが、運営会社の担当者は、「客の減少が心配です。しかし、いつになったら他のゲレンデが利用できるかめどは立っていないのが現状で気候を祈るのみです」とオープンはしたものの頭を悩ます日々が続いているようです。
<続かない『西高東低』>
実際、気温はどれぐらい高いのか。今月に入ってからの東京の気温を調べてみました。
4日と5日の最高気温が20度を超えたほか、最低気温は、過去30年間の平均と比べて18日までで、11日上回っています。
また、気象庁のホームページで現在の積雪の深さを平年と比べられるページがあります。
そのページの日本地図を眺めると確かに平年に比べて雪が少ないのが観測地点別に分けられた色を見ると一目瞭然で分かります。
181219ati.9.jpg気象庁のホームページより
特に新潟県から北陸、それに山陰にかけての日本海側は、雪がほとんど積もっていない観測地点も目立ちます。
なぜ、暖かい傾向にあるのか。気象庁の気候情報課の担当者に聞きました。
「今年の冬は、北日本は平年並みですが東日本から沖縄にかけて暖かい傾向にあります。一時的に寒い日もありますが日本の東や南の海上での高気圧が強く『西高東低』といわれる冬型の気圧配置が長く続かないからです」と理由を話してくれました。
<クリスマスからは平年並みか>
そのうえで原因は偏西風の蛇行にあると指摘しました。
「日本の南側を流れる偏西風が日本付近で北に蛇行しています。そのため、南から暖かい空気が入りやすく北からの冷たい空気が入りにくくなっています。見通しとしてこの傾向は、25日のクリスマスぐらいまで続きます」
今後の見通しについては、「クリスマス以降は年末に向けて寒気が入ってくる見込みなので平年並みの冬の気温になるとみています」と話していました。

投稿者:目見田健 | 投稿時間:14時22分

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