2013年11月13日 (水)冬場に多い「収れん火災」に注意


鏡などによって太陽の光が集まって起きる「収れん火災」。
イギリス・ロンドンでは、ことし9月、ガラス張りの高層ビルに反射した太陽の光が向かいの地区に集中して当たり、高級車の一部が溶けたり、店のカーペットが焦げたりして、騒動になりました。
こうした「収れん火災」、国内でも、過去に東京都内のビルや、横浜市内のモニュメントなどで起きていますが、実は、現場の多くは室内です。
冬場は特に注意が必要だといいますが、どういうことなのか。
報道局生活情報チームの三瓶佑樹記者がお伝えします。


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火の気がない部屋から出火

去年11月、都内にある共同住宅の12階の部屋から、突然火が出ました。
焼けたのは火の気のない窓際。
原因は、顔を拡大して映す化粧用の鏡でした。

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机の上に置いてありましたが、窓から入って反射した太陽の光が段ボールに集まって発火し、火は天井まで立ち上ったということです。

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この部屋に住んでいた人は留守で、スプリンクラーがなければ、燃え広がるおそれがありました。

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冬場は特に注意

光が集まることで起きる「収れん火災」は、1年間に全国でおよそ30件報告されています。
東京消防庁の去年まで過去5年間のまとめでは、11月と1月の冬場に数が多くなっています。
先ほどの共同住宅の火災が起きたのは、1年前の11月の午後4時。
冬場は、夏と比べて太陽の位置が低く、光が部屋の奥まで入ってくるため、特に注意が必要です。

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実験では13分で炎上

実際、どのようにして起きるのか。東京消防庁の協力で再現実験をしました。
原因として最も多いのは、映したものを拡大する「凹面鏡」と呼ばれる鏡。主に化粧用として使われています。内側がくぼんでいるため、反射すると光が1か所に集まります。
その光をタオルに当てると、すぐに煙が出ました。温度を測ってみると900度近く。

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実験開始から13分後に発火。タオル全体が燃え、1分後には上につるしてあったTシャツに燃え広がりました。

1112_06_jikken.jpgほかにも、ステンレスのボウル(反射して光を集める)、金魚鉢や窓に貼り付ける透明な吸盤(屈折して光を集める)でも実験したところ、すぐに煙が出ました。

室内を確認 光を遮る

「収れん火災」に詳しい東京消防庁の千島清奈生消防士長は、「冬場は空気が乾燥し、火がつくと広がりやすいため十分注意が必要だ。太陽の光が室内のどこまで入ってくるかをよく確認し、原因になるものを置かないようにしたり、カーテンで光を遮ったりするなど対策をとってほしい」と話しています。
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原因は身近なもの 対策を

室内で「収れん火災」の原因となるものは次のとおりです。
▽凹面鏡、▽文字を拡大するルーペ、▽ステンレスのボウル、▽花瓶、▽金魚鉢、▽水晶玉、▽ペットボトル、▽窓に貼り付けた透明な吸盤など。
いずれも身近なものばかりです。

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皆さんも、一度、こうしたものがある場所と、太陽の光が届く範囲を点検してみてください。


【取材後記】
今回の取材の発端は、ロンドンの収れん火災。日本で調べてみると例がありました。▽平成6年に東京・大田区の蒲田駅前のビルの反射光でバイクのシートが溶け、▽平成8年には横浜市の日吉駅前の球状のモニュメントの反射光で服が焦げ、▽最近でもおととし、渋谷区の建物のステンレス製の外壁の反射光でバイクのシートが溶けています。こうしたものを規制する法律はないので、反射でまぶしい建物やモニュメントを見たら、収れん火災のことを意識したほうがいいかもしれません。
室内火災の実験では、特に凹面鏡が強力に光を集めたのが印象的でした。また凹面鏡と同じくらい多いルーペは、手に持つタイプではなく、スタンドつきのタイプによる火災が目立つそうです。
火の気がなくても起きる「収れん火災」。これからの季節、対策が必要です。

投稿者:三瓶佑樹 | 投稿時間:06時00分

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