2013年02月25日 (月)「押し買い」規制始まる


押し売りならぬ 「押し買い」 が、2月21日から規制されました。押し買いは、高齢者の自宅などを訪れた業者が、貴金属などを、相場より安く強引に買い取ることです。法律の改正で何が変わったのでしょうか?被害の実態とともにお伝えします。

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昨年度、国民生活センターに寄せられた「押し買い」に関する相談は、前の年より1700件増えて4100件を超え、3年間で30倍に増えています。
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東京に住む70代の女性のもとに、「不用品を皿一枚から買い取る」という電話があったのは、去年11月でした。ちょうど置き場所に困っていた皿があったため、女性は業者を呼ぶことにしました。

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しかし、自宅に来た業者は皿はほとんど買わず、突然、「不用な貴金属はないか」と聞いてきたのです。

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女性は、電話では貴金属の買い取りの話は一切聞いていませんでした。戸惑いながらも、手元の貴金属は整理済みなので処分するものはないと伝えたところ、業者は、「イヤリングの片っぽでも、切れた鎖でも高く買います」と重ねて聞いてきました。

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皿を少しでも持っていってもらいたかった女性は、何かないか探そうと何気なく宝石箱を取り出してしまいました。
すると、玄関先にいた業者は、勝手に家の中に上がり込んできて、貴金属の品定めを始めました。そして、そのまま居座って貴金属を売るよう繰り返し求め、なかなか帰ろうとしません。

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女性は、業者のねらいが貴金属だったことに気付き、話が違うので、もうこのまま帰ってほしいと繰り返し訴えましたが、業者は一方的な交渉を続けました。

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女性はやりとりが面倒になってしまい、結局、業者はプラチナやトルマリン、アメジストの指輪やネックレスなど、合わせて5個を選んでいきました。その代金は、1万5000円。

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貴金属は、50年前から自分へのご褒美として、1年に1個ずつボーナスで買いためてきたものでした。冷静になってから取り返したいと思いましたが、業者は連絡先も伝えず立ち去ったため、コンタクトすら取れません。女性は、何気なく宝石箱を見せてしまったことを悔やみ、断り切れなかった自分を責めています。

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【法改正のポイントは】
このように、いざ押し買いに遭うと、分かっていてもなかなか断れないというのが現実です。こうした被害を防ごうと2月21日に施行された「改正特定商取引法」で、何が変わるのか、そのポイントです。

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まず、飛び込みの勧誘が禁止されました。業者は、依頼がないと買い取りの交渉ができません。また、被害に遭った女性のように、皿を買うと言って訪ねておきながら、突然貴金属も買いたい、というのも違法になります。

そして、これまでは適用されなかった 「クーリング・オフ」の制度も適用されます。契約から8日間は、解約をして商品を取り戻すことができます。
またこの間は、商品を業者に渡さず手元に置いておくこともできるようになります。

さらに、業者は、連絡先やクーリングオフ制度について記載された書面を渡す義務を負うようになりました。業者に売るときは、書面を必ずもらうことが大切です。

一方で今回の規制では、例外となる品目もあります。

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▼これまで深刻なトラブルがない「大型家電」と「家具」。
▼また、規制の対象になると業者がすぐに転売できなくなり流通に著しい影響が出るという理由から、「自動車」「書籍」など。合わせて6品目が対象から外されます。

この例外については、消費者団体から、「苦情が出ている品目もあり問題を放置するのと同じだ」という批判も出ています。
これに対して森消費者担当大臣は、施行日翌日となる2月22日の閣議後の記者会見では、「トラブルを極力なくすため、行政的な対応は必要だと思う。それを改正商取引法でするのか、それ以外の取り組みをするのか、慎重に検討していきたい。その間はトラブルが起きている分野の業者に私から取り組みを要請したい」と話しています。

投稿者:三瓶佑樹 | 投稿時間:06時00分

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