2012年11月04日 (日)津波浸水の住宅 塩害による劣化に注意


東日本大震災で津波をかぶった建物などに、海水の塩分が浸透して起きる「塩害」。建物自体は壊れていなくても、コンクリート部分に濃度の高い塩分が浸透し、劣化が進むおそれがあることが、専門家による研究チームの調査でわかりました。研究チームでは、塩分を取り除く方法についても研究を進めています。

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津波が押し寄せた宮城県塩釜市の住宅です。一見、被害はないように見ますが、1メートル50センチの高さまで津波が来ました。
20121104engai-4.jpg研究チームでは半日ほど津波をかぶった、基礎部分のコンクリートを採取して分析を進めてきました。その結果、濃度の高い塩分が内部に浸透していて劣化が進むおそれがあることがわかりました。
20121104engai-6.jpgなぜ、塩分による劣化が起きるのでしょうか。塩分がコンクリートに浸透し続け鉄筋まで進むと、鉄筋がさびて膨張します。最大で2倍から3倍にふくれて、コンクリートにひび割れをおこすことがあるのです。
 20121104engai-7.jpg一方、同じコンクリートでも岩手県釜石市のこの橋脚は、津波につかったものの、調査の結果、塩分の浸透はほとんど見られませんでした。密度の高いコンクリートを使っていたためです。塩分の浸透は、コンクリートの種類などで大きく異なります。研究チームは、「津波を受けた全ての住宅で劣化の恐れがあるわけではないが、長い時間津波をかぶった場合などは注意が必要だ」としています。 
 20121104engai-8.jpg 東北学院大学工学部の武田三弘教授は、「住宅のコンクリートには、一般の橋に比べて強度が低いものが使われているので、そのせいで想像以上に塩分がしみ込んだと思われます。鉄筋の腐食を促進させる恐れがあることが心配です」と、話していました。20121104engai-11.jpg

塩分を取り除く方法はないのか、その研究も進められています。20121104engai-12.jpg 

車を洗う時などに使われる市販の高圧洗浄機を使う方法です。水を強く吹きつけて塩分を少しずつ溶かし、取り除こうというのです。
20121104engai-16.jpg先週、津波をかぶった宮城県内の倉庫で効果を検証しました。その結果、表面から1センチほどの部分で塩分の濃度が半減。浸透を抑える効果が確認されました。ただ、塩分が深くまで浸透していると効果が低い場合もあり、研究チームでは、今後2年間をかけて、より効果的な方法がないか、研究を進めることにしています。
20121104engai-13.jpg 八戸工業大学工学部の阿波稔准教授は、「通常の住宅は、高圧洗浄機のような簡単に身の回りにあるような機材で除塩することができます。効果的な対策を提案できるように、これから研究に取り組んでいきたいと思います」と、話していました。 
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投稿者:天間暁子 | 投稿時間:06時00分

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