2012年08月03日 (金)借り手に有利に? 変わる賃貸住宅事情


人口の減少に伴い、全国の賃貸住宅で空き部屋が増え続けています。総務省の調査では空室率は18. 7%と過去最高を更新しています。こうした中、賃貸住宅の入居率をどうやって上げるのか。その対策として、「借りる側」にとってはありがたい、新たな動きが広がってきています。

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7月24日、25日の2日間、家主や不動産会社などを対象に、東京で「賃貸住宅フェア」が開かれました。関心が高いのは、やはり空き部屋対策です。中でも注目を集めているのが、入居者の好みにあわせて改装してから貸し出す方法です。和室を洋室に変えるなど、あらかじめ入居者の希望を聞き、家主の負担で改装した部屋を貸し出す方法は、「賃貸カスタマイズ」と呼ばれ、ここ数年で広がりを見せています。

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賃貸カスタマイズで最も多いのが壁のイメージチェンジです。7月、この部屋に入居した25歳の女性は、不動産会社を何軒も回った結果、壁紙を自分の好みで選べる「賃貸カスタマイズ」にひかれ、入居を決めました。部屋の壁の一面だけは、画びょうを刺したり、絵を描いたり、棚をつけたり、自由に飾ることができます。女性は「これから長い時間ここに住むので、この部屋をもっとかわいらしくするのが楽しみです」と話していました。

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この部屋を管理している不動産会社は、今年5月から、無料で壁紙を選べるサービスを始め、20代から30代を中心に問い合わせが相次いでいるといいます。反響を受けて、現在は、全国8万室で対応できるようにしました。これまで賃貸住宅では「原状回復」が必要な点がネックになり、なかなか入居者が自分好みに変えることはできませんでしたが、このサービスでは原状回復の費用は会社側が負担します。それは入居してもらうメリットの方が大きいからです。

20120803_4.jpg不動産会社では、「ただ家賃を下げるということではなくて、部屋に付加価値を付ける、カスタマイズすることによって自分らしさを出すことができます。そうしたところから長期的に住んでもらえることを期待しています」と話しています。

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賃貸住宅でも自分好みに「カスタマイズ」できることに注目し、安く簡単にできるとして売り上げアップを狙っている壁紙販売業者もあります。人気を集めているのは、一般的な住宅の壁であれば特別な技術がなくてもはれる壁紙です。この業者では、定期的に壁紙のはり方教室を開いてその魅力をPRしていて、「賃貸住宅に住んでいる人でも、自分らしいインテリアの中で生活したいという人が非常に増えていますので、それをビジネスチャンスととらえ、どんどんおすすめしていきたい」と話しています。 

20120803_6.jpg空き部屋対策に頭を悩ます家主にとっては、「貸してあげる」から「借りてもらう」への意識転換が必要になっています。最近では賃貸カスタマイズ専用のサイトも登場するなど、入居者の選択肢は確実に広がっていて、賃貸住宅で自分らしい部屋作りを楽しむ人はますます増えそうです。ただ、すでに賃貸住宅に入居していて、ぜひカスタマイズをしてみたいという人は、トラブルを避けるためにも、必ず事前に家主か不動産管理会社に確認してから行うようにしましょう。
 

投稿者:山本未果 | 投稿時間:06時00分

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