2012年06月15日 (金)牛の生レバー禁止の波紋


「牛の生レバー」について、厚生労働省は、7月1日から飲食店などでの提供を禁止することを正式に決めました。レバ刺しとして人気を集めてきた牛の生レバー。禁止の波紋が広がっています。

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「レバ刺し」として焼き肉店で人気を集めてきた牛の生レバー。厚生労働省は食中毒を防ぐため「自粛」を呼びかけてきましたが、7月1日からは「禁止」に。違反して提供を続け行政指導に従わなかった場合には、飲食店や小売店などの経営者に、200万円以下の罰金または2年以下の懲役が科せられます。

なぜ、これほど厳しい対応が必要なのか。その理由は、厚生労働省が去年行った調査で、一部の牛のレバーの内部から重い食中毒を引き起こすおそれがあるO157などの病原性大腸菌が検出されたからです。レバーの内部の殺菌については、加熱する以外に有効な対策が現段階では見つからず、厚生労働省は食中毒を防ぐために提供禁止はやむをえないとしています。

20120615_2.jpg一方、禁止に反対する動きも出ています。肉の小売り店などで作る「全肉連=全国食肉事業協同組合連合会」は、「何を食べるかは自己責任で法律で規制すべきではない。生レバーが禁止されることで業界も大きな影響を受ける」として見直しを求め、6万人を超える署名を集めました。

20120615_3.jpg全肉連によりますと、提供が禁止されると、年間で300億円以上の売り上げが失われるということです。

全肉連の小林喜一専務理事は、「多くの消費者から規制はおかしいという声が上がってきている。何百億円という売り上げがなくなることになり経済的な影響も大きい」と話しています。

20120615_4.jpg7月から“幻のメニュー”となってしまう「レバ刺し」。全肉連などの業界団体は、専門家とともに研究会を作り、牛の生レバーについて「安全性の高い処理方法」を探る研究を続けるということです。

これまでの研究では、「高い濃度の塩素系の消毒薬をレバーに注入し、いったん凍結したうえで解凍する方法」で、検出される病原性大腸菌O157を大幅に減らすことができたということです。7月以降も実験を続けて、より安全性の高い処理方法を厚生労働省に提案し、生レバーの提供再開を働きかけていきたいとしています。

20120615_5.jpg6月11日に開かれた研究会では、研究中の方法で処理した生レバーの試食も行われ、研究会のメンバーは「甘みもあり、処理されていたことによる差はまったく感じない」と話していました。

20120615_6.jpg実験を行った大阪府立大学大学院の山崎伸二教授は、「消毒薬は食品添加物としても認められているものを使った。近い将来、再び生レバーを食べることができる環境を作っていきたい」と話していました。

20120615_7.jpg食の安全を守るため、リスクが高いとされる食べ物の提供が禁止された今回の事態。ただ、禁止するだけでは、私たちの食の楽しみが、どんどん減ってしまうことになりかねません。安全に提供できる方法を模索する取り組みの今後に注目していきたいと思います。

投稿者:中島沙織 | 投稿時間:06時00分

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レバ刺し復活考「名古屋レバ刺し処理センター(仮称)」を

 この7月1日から、食品衛生法に基づいて、生食用牛肝臓の販売が禁止されます。愛好家も多かった焼肉店でのレバ刺しが禁止されるということです。  私は職業柄...続きを読む

受信日時 : 2012年06月15日 16時25分 | いーなごや極楽日記

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