2011年11月21日 (月)暖房生かす 「家の断熱」最新事情


今月に入ってから「冷え込んだなあ」と感じることが多くなってきました。
家の中の寒さが気になる人も多くなってきたのではないでしょうか。
さらに、ことしは冬も「節電」が大きな課題になり、効率的に家の中を暖める方法に関心が高まっています。

比較的手軽な方法で、部屋の中の熱を逃がさず、暖房器具の効果を高めようという技術や製品を取材しました。

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初めに取材したのは、東京で開かれた「冬の節電」をテーマにした展示会です。
この展示会で注目を集めていたのは「窓」の寒さ対策でした。
実は、冬に家の中の熱が最も逃げるのが窓からなんです。室内の熱のおよそ50%が窓から逃げるとされています。
このため、既存の窓を「二重窓」にするなど、窓の断熱対策に関するさまざまな商品が展示されていましたが、中でも注目を集めていたのが、窓ガラスに塗るだけで断熱効果を高めるというコーティング剤です。

このコーティング剤、専用のスポンジのローラーにしみこませてガラスに塗ることで、一定の透明度を保ったまま、すぐに熱を遮る効果が表れ、暖房効果が高まるといいます。

1121F.jpgその仕組みです。
普通のガラスでは、暖まった室内の熱が外へ逃げていきますが、コーティングしたガラスでは、熱の一部は室内にとどまり、「暖房」の効率がよくなります。

1121B.jpg1121J.jpgその一方で、夏には太陽の熱を遮って室内に入りにくくするため、効果的な「冷房」ができるということです。

これまではオフィスビルなど窓ガラスの多い大型施設に使われてきましたが、去年から一般の工務店向けの販売が開始。住宅での利用が大きく伸びているといいます。
値段は作業料込みで1平方メートル当たり1万数千円。凹凸があるなど、さまざまな種類の窓ガラスに対応できることをうたっています。
コーティング剤は火気厳禁で取り扱いに注意が必要なため、一般の人が店頭などで買って自分で行うものではありません。基本的には、塗り方の研修を受けた工務店向けに販売されています。

コーティング剤メーカー「ECOビジネストレーディング」の高堰督裕営業推進部長は
「暖房の設定温度を25度にしていたら、その設定を22、3度にしても暖かく過ごせるように感じるので、節電や省エネになるのならということでの問い合わせが非常に多くなっています」と話しています。

1121G.jpg一方、こうした製品に加えて、これまでは少し大掛かりな断熱対策とみられた住宅の断熱リフォームでも、暖房効果を高める新たな方法が開発されています。

大手の住宅建材メーカー「LIXIL」が販売を計画しているのは、冷蔵庫にも使われている「真空断熱材」を使ったリフォームです。
真空断熱材の特徴は「薄さ」にあります。一般的な断熱材として使われるグラスウールと比べて、18分の1の薄さで同じ性能を発揮するといいます。

1121E.jpg壁を剥がして分厚い断熱材を埋め込んでいたこれまでの工事と異なり、薄さを生かして、部屋の壁に直接貼り付けてリフォームを行うので、一部屋単位で工事が行えるため、工事費も比較的安く済みます。そして、住人が家に住んだまま、数日で断熱リフォームが完成するということです。

1121D.jpg費用は部屋の広さで1畳当たり10万円から15万円程度だということで、この冬、関東地方を中心に工事を始めて、来年4月以降、全国に広げていくということです。

開発グループリーダーの笠井達也さんは
「1部屋単位で改修できるので、家全体の改修のコストをかけるのではなく、その部屋だけにお金をかけられることにメリットがあります」と話しています。

1121C.jpgこれから寒くなる冬に、節電のために無理をして暖房器具を使わないことで体調を崩すようなことは避けたいものです。

ただ、同じ暖かさを保ちながら、使用するエネルギーを減らすことができる選択肢が広がるのであれば、私たちにとって日々の暮らしを見つめなおすきっかけにもつながると思います。

こうした新たな技術の進歩による省エネ、節電の動きについて、今後も取材を続けていきたいと思います。

投稿者:千田周平 | 投稿時間:06時00分

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