2020年10月01日 (木)突然の臨時休校 子どもと安全に過ごすために


※2020年2月28日にNHK News Up に掲載されました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、子どものいる家庭では突然、長い休みが始まることになりました。

大勢の人が集まるレジャー施設やイベントは休業・中止になっているから行かないけど、「近くの公園はどう?」「おじいちゃんおばあちゃんの家には行ってもいいの?」
ちょっと考えてしまいます。
そんな疑問について感染症の専門家に聞きました。

ネットワーク報道部記者 大窪奈緒子

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5つのポイント聞きました

答えてくれたのは沖縄県うるま市の県立中部病院感染症内科の高山義浩医師です。

totsu.2.jpg高山義浩医師

高山医師は自身のフェイスブックに、私たちが暮らしの中で参考になる情報をユーモラスな表現を交えて投稿しています。
今回は、子育てをしながら記者をしている私が、気になる5つのポイントを聞きました。

1 “無理ない生活を”
高山医師にまず聞いたのは基本的な考え方。
すると「長期的に感染予防を続けられる生活を心がけるべきだ」と教えてくれました。

神経質になりすぎると続かないためで、「子どもたちの行動に寄りそいながら、ストレスにならないよう無理ない生活を送ることが大切だ」と言います。

2 外に出て遊んでもいいの?
レジャー施設は臨時休業で、イベントは中止になっています。
でも、遊びたいのが子ども心。
友達の家に遊びに行ったり近くの公園などに遊びに行ったりしてもいいのでしょうか?

totsu.3.jpg高山医師

「まずは熱やせきなどの症状がある場合は絶対に遊びにいかないこと。友達が4人から5人ほどの少人数で集まって自宅でゲームをしたり公園で遊んだりする場合は、それほどリスクは高くないでしょう。友人宅に入ったらすぐに手を洗うことなどが大切です。子どもたちどうしで『手を洗おうぜ!』などとぜひ声を掛け合ってほしい。また公園は屋内より感染リスクは低いと言えます。公園の遊具での感染はゼロではないですが、手洗いをすることでリスクは下げられます。友達と集まったり公園で遊んだりすることで感染のリスクは多少上がりますが、子どもの遊びすべてを制限するのは現実的ではありません」

3 おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行ったり、預けたりしても大丈夫?

totsu.4.jpg高山医師

「高齢の祖父母宅に子どもが長期で滞在する場合、お互いに熱やせきなどの症状がないことをしっかり確認することが大前提です。さらにお互いが暮らす地域に新型コロナウイルスの感染・流行が確認されていない場合に、早めに祖父母宅に預けることは“感染症からの疎開”として有効な方法の1つです」

さらに滞在中の過ごし方として注意してほしいことがあるとも言います。

高山医師
「おじいちゃんおばあちゃんが、かわいいお孫さんにいろいろ買ってあげたくなる気持ちはわかりますが、人がたくさん集まるショッピングモールなどには出かけず、できるだけ自然の中で過ごしてほしい」

4 学童保育に預けても大丈夫?

totsu.5.jpg高山医師

「学童保育は、数十人単位の集団になるため、感染リスクは高まります。毎朝、体温をはかり指導員に報告することや、学童の入り口にアルコール消毒液を置いて消毒を徹底すること。また、インフルエンザの場合、家族にその症状があっても子どもは学童に通うことができますが、新型コロナウイルスでは家族にその症状がある場合、休むことを徹底してほしい」

5 小さい子どもはマスクをいやがるのですが、やっぱりつけさせたほうがいいですか?

高山医師
「小さい子どもは自分自身や周囲の人や物をとにかくべたべたと触りまくるのが仕事です。マスクのつけ心地などが気になって、かえって顔をさわる頻度が上がってしまい、感染リスクが高まることが考えられます。無理にマスクをつけさせるのではなく、こまめな手洗いを心がけてほしい」

高山医師が強調したのは、とにかく長期的に感染予防を続けられるよう、子どもたちにとって無理のない生活を心がけること。
保護者も含めて家族の健康状態に留意して人が多い場所にはなるべく行かずに、あとはなるべくふだんの生活リズムを崩さないこと。これが大切だそうです。

*北海道では別途、知事の呼びかけを参考にしてください。

投稿者:大窪奈緒子 | 投稿時間:10時28分

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