2016年06月24日 (金)見直される組み体操


【見直される組み体操】
5月から6月にかけては春の運動会シーズンですが、そこで披露される組み体操は、10年ほど前から規模が大きくなり、毎年、全国で8000件を超える事故が起きていました。
このため、スポーツ庁は、ことし3月、安全を確保できない場合は行わないよう求める通知を出しました。こうしたなかで開かれた今シーズンの運動会。
学校現場は、どのように見直し、安全を確保しようとしているのでしょうか。

【教員対象に開かれた組み体操研修会】
4月、千葉県市川市で小学校の教員を対象に組み体操の研修会が開かれ、教員たちが、自ら組み体操を体験しながら、指導の方法を学びました。
講師は、日本体育大学の三宅良輔教授、体操の専門家です。三宅教授は、最初に、安全な組み方について指導しました。
四つんばいになった人の上に乗る際は、背中の真ん中ではなく、腰や首の付け根の部分に乗れば、下の人の負担が軽く、安定します。
また、上に乗る人への補助の大切さも強調しました。
参加した教員の1人は「子どもたちに指導する時にどう伝えたら分かりやすいか、痛くないのか迷うのですが、ここに力を入れたらいいよとか、軸になる柱の上に体重をのせるというポイントが分かったので、かみ砕いて伝えられると思った」と話していました。
【低い組み体操で構成】
学校では、組み体操を安全に実施するため、さまざまな見直しが行われています。
愛知県春日井市の押沢台小学校では、5、6年生、73人が、今週末、開かれる運動会に向け、練習を重ねています。
この学校では、一昨年まで、高さのあるピラミッドやタワーが行われていましたが、去年から低い技に変更しました。
さらに、ことしは、低い技でも、けがの頻度が高い、倒立や肩車、サボテンをやめることにしました。
指導する井上健司教諭は「まずは安全であること、それから高さはなくても、きれいにそろえることによって、見栄えすることを重視してやっていきたい」と話しています。
代わりに力を入れているのは、誰もができる基本的な技を丁寧に仕上げ、見せ方を工夫することです。
1人技を組み合わせて作る技や、「扇」という技を交差させ、立体感を持たせた技など。
高さはありませんが、みんなでそろえて1つの形を作ります。
さらに、踊りや行進も組み合わせることで、子どもたちが、より楽しく、取り組めるようになりました。
練習に取り組む6年生に話を聞くと「低学年などに見本を示せるように、しっかりと完璧にこなしたい」とか、「みんなが最後に良かったね、と笑えるような運動会にしたい」と意気込みを語ってくれました。
【専門家は】
組み体操の安全な実施を求めてきた、名古屋大学教育学部の内田良准教授は「危険の少ない中でこそ、子どもたちは生き生きしていくわけですので、子どもの安全面を最優先にしていく。
そういった中で、いかに一体感を得るか、あるいは見栄えのいいものを作っていくか、安全を最優先で、そこから組み立てていくべきだと思います」と話し、学校現場に発想の転換を求めています。
名古屋市内では、去年まで組み体操をしていた学校のうち4分の1が、ことしは別の種目に変えるということです。
小学6年生の私の息子の学校も、ことしの運動会は、躍動感あふれるダンスに変更になりました。
親にとって運動会は、子どもの成長を感じる場です。危険なことへの挑戦で、その成長を感じるのではなく、子どもたちの安全を守りながら、一生懸命取り組む姿を見守っていきたいと思います。

投稿者:松岡康子 | 投稿時間:16時46分

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