2015年07月07日 (火)早産児への理解とサポートを


高齢出産の増加などで、妊娠37週未満の「早産」で産まれる赤ちゃんが増えています。早産児は、感染症にかかりやすかったり、乳幼児期の発育に時間がかかったりすることがありますが、医師や早産の子どもを持つ親などが、どのようなサポートが必要かについて話し合う会合が、6月、東京で開かれました。souzan1.jpg

この会合は、毎年11月、早産に対する理解を深めてもらおうと世界各地で開かれる「世界早産児デー」に向けて、早産を巡る現状や課題を話し合うために開かれたもので、医師などの医療関係者や早産で生まれた子どもをもつ家族、それに、そうした家族を支援する団体の代表者たちが参加しました。souzan2.jpg
【「小さい」という言葉が親を悩ませる】
会合の中では、支援団体の代表が、早産の赤ちゃんを産んだ女性の現状を報告しました。早産で生まれた子どもは、感染症にかかりやすかったり、乳幼児期の発育に時間がかかることもありますが、家族や友人、医療関係者などから「小さくて大変ね」などと言われて自分を責めたり、悩んだりする母親が多いので、心ない言葉をかけないよう配慮することが大切だと指摘しました。souzan3.jpgまた、周囲の人からの視線や心ない言葉を気にして外出を控えるために、育児の悩みを一人で抱え込む人も多いので、同じ経験を持つ親同士で話し合える環境の整備など、サポート体制が必要だと話しました。

【増える「後期早産児」、きめ細かいサポートを】
また、小児内科の医師は、最近、早産の中でも、予定日の4週間から6週間前に産まれる「後期早産」が早産全体のおよそ8割に上り、増加していることを報告しました。souzan4.jpg後期早産の赤ちゃんは、早産の子どもと同様にきめ細かくケアを受けることがありますが、比較的体重があるため、病院によっては、通常の予定日の妊娠40週前後に産まれた赤ちゃんと同じような扱いを受けることもあります。しかし、退院後、発育がゆっくりだったり、母乳やミルクをうまく飲めなかったりして親が育児不安を抱えたりすることもあるので、医師は「きめ細かいサポートが必要だ」と指摘しました。souzan5.jpg会合に参加した昭和大学江東豊洲病院の水野克己医師は、「早産の子どもを持つ親は自分たちを責めながら子育てしているケースも多いので、声をかける時は『頑張っていますね』など、前向きな言葉で応援して欲しい」と話していました。souzan6.jpg

投稿者:清有美子 | 投稿時間:08時00分

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