2015年01月20日 (火)子どもの火遊び 旧型ライターでの火災注意


子どもの火遊びを防ごうとおよそ3年前、国は使い捨てライターの規制を始めましたが、規制前の製品によるとみられる火災がいまだに続き、去年9月には川崎市で2歳の男の子が死亡しました。
規制前の旧型ライターがまだ家庭に保管されているためだと見られ、経済産業省は改めて注意を呼びかけることにしています。
規制の効果が上がる一方、残された注意点についてお伝えします。

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私たちの身近にある使い捨てライターは、子どもが火遊びで使い火災で死亡する例が相次いだことから、およそ3年前に国が規制を強化しました。
強い力を加えないと火がつかないなどの使いづらくする工夫がされていないものは販売が禁止されたのです。

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この規制の効果について、東京都が都内の消防のデータを検証したところ、使い捨てライターを使った子どもの火遊びによる火災は件数自体は減少していました。

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しかし、規制が始まった平成23年以降おととしまでにいまだ108件発生していて、2人が死亡、33人がケガをしていたことがわかりました。
平成24年に東京・板橋区で起きた火災では、5歳と3歳の幼い姉妹が死亡しました。焼け跡から見つかったのは簡単に火が付く規制前の旧型ライターでした。
去年9月、2歳の男の子が死亡した神奈川県川崎市の住宅火災でも、旧型ライターが見つかっています。

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東京都は毎年、販売店の立ち入り調査を行っていますが、これまで、規制に違反するライターの販売は確認されておらず、規制前、年間6億個近く販売されていた旧型ライターがまだ家庭で保管されているのではないかと見ています。
このため、東京都では、ホームページやツイッターなどを通じてあらためて注意喚起を始めています。

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東京都生活安全課の樋口桂課長は、「力の弱いお年寄りや女性から使い勝手が悪くなった、押しにくくなったという声も聞かれるが、子どもの安全を確保するためには必要な対策だということを理解してほしい。家庭にはまだ眠っているライターがあり、例えば車の中など油断しがちなところにもあるかもしれない。旧製品での事故が明らかになっているので、まず旧製品の早めの処分を。また新旧問わず、子どもの手の届くところには絶対にライターを置かず、ある程度理解のできる年齢になったら、火遊びや火のこわさを教えていくことが非常に大切だ」と話しています。

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旧型の使い捨てライターが原因とみられる火災は、東京都、川崎市のほかにも、統計データのある横浜市、札幌市、神戸市などでも起きていて、ライターの規制を所管する経済産業省でも、あらためてホームページなどを通じて全国に注意喚起することにしています。


【取材後記】

使い捨てライターの規制では、導入当初、高齢者などから「固すぎて押しにくい」といった苦情が多数寄せられたといいます。押しにくくした導入の狙いが十分周知されていなかった側面があります。
東京都の規制の検証では、実際に子どもを守ることができていることがわかりました。狙いだけではなく、こうした事実をもとに、改めて周知していくことが重要だと思います。

一方、取材では、「押しにくい」どころではなく、「押せなくなった」という話しも高齢者の方から聞きました。
これに対応しようと、規制後、装着すればてこの原理で押しやすくなるといったアイデア商品の後付け部品が複数発売されています。
当時規制に関わった産業技術総合研究所の持丸正明さんは、アイデア商品の一部はプッシュ式ライターの押す部分を大きくする構造のため、装着したまま子どもの手に渡ってしまった場合、子どもが両手を使ったり手でつかんだりして火をつけやすくなるおそれがあると分析し、「使いやすさだけを考えてデザインすると、一番肝心だった子どもに使いにくくするというところが守られなくなってしまう」と話しています。
その上で、「とにかく急いで子どもの命を守りたかったというのが当時の規制の実態だった。これから国全体として、業界として次のステップに入って、今度は最初やや犠牲にしてしまったお年寄りの使いやすさを考えて、子どもの安全と両立させていく方向に製品開発、安全評価を進めていきたい」と話しています。

子どもの安全と高齢者の使いやすさを兼ね備えたライターの開発が待たれますが、その間、旧型ライターだけではなく、新型のライターであってもアイデア商品を装着して使うときはそのまま放置しないよう注意が必要です。

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投稿者:三瓶佑樹 | 投稿時間:08時00分

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