2013年03月05日 (火)保育園入れず集団で異議申し立て


働きたい。

でも子どもを預けられない。

赤ちゃんを抱えた母親たちが先月、「親が働いているのに子どもが保育園に入れないのは、保育を受ける権利を侵害している」として、東京・杉並区に集団で異議の申し立てを行いました。
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【「異議申し立て」でもっと保育園を!】
杉並区役所に集まった赤ちゃん連れの母親たち。認可保育園にこの春の入園を申し込んだものの落ちたため「異議申し立て」を行うために集まりました。
20130305igi02.jpgなぜ「異議申し立て」なのでしょうか。

児童福祉法24条では、市町村は保育に欠ける児童を保育所において保育しなければならないと定めています。つまり、親が働いているなど保育が必要な子どもに対して自治体は保育を提供する義務があるわけです。ところが、待機児童問題は一向に解消しません。杉並区でもこの春入園分、1135人の募集枠に対して申し込みが3000人近くに上り、一次選考では1500人以上が入園できませんでした。
20130305igi03.jpg待機児童問題の深刻さを受け止めて欲しい、そこで親たちは異議申し立てに踏み切ったのです。この日は呼びかけ人を代表して曽山恵理子さんが56人分の異議申立書を区に提出しました。
20130305igi05.jpg受け取った杉並区の担当者は、「保護者の方の切実な思いが届けられたと思うのできちっと重く受け止めたい」と述べ、急きょこの春の定員を100人分増やし東京都や国にも待機児童対策の強化を求めるとしています。
20130305igi06.jpg集団での異議申し立てに踏み切った理由について曽山さんは「小学生の上の子供を保育園に入れた頃も待機児童問題はひどかったけれど、状況はますます厳しくなっています。ママ同士がライバルになって、保育園について情報交換も出来ない状況です。そもそも保育の必要な子供を預かるのは自治体の責任なのだから、わたしたちが本当に必要としている保育サービスの実情を調べ、保育園を増やしてもらいたいです」と話していました。

【「待機児童」の数にはからくりが】
保育園に申し込んだけれど入れない「待機児童」。その数は平成22年4月をピークに2年連続で減少しています。今回、異議申し立てが行われた杉並区の待機児童も52人(去年4月)と全国でも105番目で、一見するとそれほど深刻には見えません。それなのになぜ、1次選考で1500人も入園できない事態になったのでしょうか。

それには「待機児童」の数え方が大きく関わっています。

異議申し立てに参加した女性の例でみてみましょう。この女性はアパレルメーカーに9年務め、育児休業に入るまではチーフデザイナーを務めていました。保育園に子どもを入園させこの4月に復職すると職場に伝えています。
20130305igi07.jpg5ヶ所の認可保育園に申し込みましたが、先月届いた区からの通知ですべて落ちたことが分かりました。預かるところが見つからなければ仕事に復帰できません。このままでは、子どもが1歳になる7月までは育児休業を伸ばさざるをえません。
20130305igi08.jpgところが、その場合「待機児童」としてはカウントされないのです。というのも、国が定めた「待機児童の定義」で育児休業を伸ばした場合は「待機児童と扱わない」としているためです。

それだけではありません。国の基準を満たさない認可外の保育園にやむを得ず入れた場合や、保育園に入れなかったから仕事をやめた場合、さらにはそもそも保育園に入れるのが厳しいからと申し込みを諦めている人も「待機児童」としてはカウントされていないのです。

去年4月の時点で、国の公表では24825人となっている待機児童。実際にはその40から50倍の85万人~100万人に上るとも推計されています。

待機児童の実態を踏まえた対策が必要です。

投稿者:内田明香 | 投稿時間:06時00分

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コメント

杉並区の一般会計の15分の1ほどをすでに保育園関連に当てているんですよね。
年間250万円ほどが一人の園児にかかっているのが現状です。
それを100人分また増やすというのですから、大変な額です。

この集まりの女性の一人の旦那さんが杉並区議で、区議の子どもも待機児童ということで運動を広めている形のようですが、区議さんの主張では緊急の場合に使う積立金を崩して使えばいい、という内容で首を傾げています。

また、年収1000万円以上ある区議さんのご家族も、税金を納付されているので権利はあると思いますが、他の低い年収のご家庭の枠を圧迫しているのではないか、と考えてしまいます。

投稿日時:2013年03月05日 20時00分 | 匿名

「我が子の一番大変な時期を、自分が収入を得るため人にさせるとはどういうことか。
子どもを育てる、親の覚悟がない。」

と、私の母は言っています。

投稿日時:2013年03月09日 14時53分 | みつ

↑そういうお考えをお持ちの方は、このニュースにわざわざコメントしていただく必要はないかと。

こういう状況になるのは10年以上前から明らかだったのに、ほとんど無策だった区の責任は大きいです。

ベビーブーム世代の出産適齢期は既にピークを超えてしまい、手遅れ感もありますが、今からでもできる少子化対策として、保育所を増やすだけではなく、労働時間を見直すなど、子どもを持つ人でも働きやすい環境をもっと整えて頂きたいものです。


投稿日時:2013年03月14日 10時13分 | なみすけ

これね、保育園が規制でがんじがらめになって
高コスト体質になってるのが悪いと思うよ
そのへんのおばさんが自宅副業で託児所できるようにするとか
ゆるゆるにしておいて
そこには預けることのできない子供だけ
区が補助するとかしないと、金かかってしょうがない

投稿日時:2013年03月16日 23時19分 | umetika

「我が子の一番大変な時期を、自分が収入を得るため人にさせるとはどういうことか。
子どもを育てる、親の覚悟がない。」

↑自分と違う生き方(子育て)を認めるどころか否定するなんて、悲しい。視野が狭すぎます。
ひとの生き方も働き方も状況も人それぞれなのだから、多様な立場から、気付いた人たちが社会に問題提起することは大いに結構だと思います。

それを否定してしまうのは、ゆくゆくは自分の首を絞めることになると考えています。社会はつながってますから。

私は現在妊娠中で、保育園には預けずに子育てする考えですが、保育園に通わせて子育て頑張る方たちも立派だと思います。

将来、子供たちが息(生き)苦しくない社会であってほしいから、社会をよくしたいと考える人の異議申し立てくらい、"あるべき"論でつぶさないでほしい。

投稿日時:2013年03月18日 17時49分 | 匿名

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