2013年02月02日 (土)「地方版 子ども子育て会議」活用を


新しい子育て支援の仕組みが2年後、平成27年の春から始まります。
この制度では、市町村は地域に必要な子育て支援策について話し合う「地方版子ども子育て会議」を作れることになっています。全国の子育て支援関係者で作る団体が先月、東京都内で「子ども子育て模擬会議」を開き、子育て当事者の意見を吸い上げて欲しいと呼びかけました。

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去年、法律が成立するまでは「子ども子育て新システム」と言われていた新しい子育て支援の仕組みは平成27年の春からスタートすることになっています。
新しい制度の最大の特徴は新たに7000億円を国が子育て支援につぎ込むことになったことです。
この7000億円の中から実際に市区町村がお金をもらうには、子育て世代に必要な支援のメニュー(たとえば働いている親が子どもを預ける保育サービスや、親子が交流できる子育て広場など)や量について「見積もり」を作り、それをもとに国にお金を請求する必要があります。
そして、この「見積もり」が地域の実情を反映できるようにと導入されたのが「地方版 子ども子育て会議」です。
しかし、メンバーをどう選べばいいのか、どうやって子育て世代の意見をすくい上げればいいのか、市区町村の間で戸惑いが広がっていることから先月、各地で子育て支援活動をしているNPOのリーダーなどで作る団体「にっぽん子育て応援団」が東京・港区で模擬会議を開きました。

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模擬会議では子どもが生まれたばかりの母親や育児休業中の父親が委員に加わったという想定でシナリオにしたがって演じられました。座長役が「いま、感じていることを自由に話してください」と促して会議に慣れていない親でも話しやすい雰囲気を作り出し「出産をきっかけに引っ越してきたので地域に知り合いがいません。まだ、子どもが小さいので外に出ることもできず、非常に孤独を感じています」とか「自分以外に育児休業中の父親と会ったことがない。自治体から企業にもっと父親の育児休業の取得を働きかけてもいいのではないか」といった意見が相次ぎました。

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模擬会議の様子は自治体の担当者などおよそ80人が見学していて、模擬会議を見た感想を近くの席の人と話し合いました。「普段の会議では行政側が設定したテーマにしたがって話してもらうので、自由な意見が出てくる会議の様子には驚きました。ただ、会議で出た意見をどのように政策に反映させればいいのかがまだよく見えていません」といった意見や、「制度が始まるまで2年という短い期間で会議を何回開き、どうやって意見を集約していけば良いのか悩んでいます」などの意見が出されていました。
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主催した「にっぽん子育て応援団」の松田妙子さんは(まつだ・たえこ)「子育ての実態をきちんとみるためにも自治体にはぜひ会議を設置してもらい、当事者を入れてほしい」と話していました。
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【記者の取材後記】
自治体が関係者の意見を聞く会議は往々にして関係団体の要望の場になりがちです。既に団体としてまとまっている側の声が大きくなり、団体としてまとまれない人の声をすくい上げるのは難しいものがあります。
たとえば待機児童がいつまでもなくならない背景には、待機児童の親は入れ替わりが激しく、利害を代表する団体がないことも一因と言えます。
地方版の子ども子育て会議はこれまで多くの子育て関係者と行政がつながりを深める良い機会になりますし、子育て世代にも積極的に声をあげる姿勢が求められています。何よりも、支援が必要な人たちのことを支援が必要な人たち抜きで決めてはいけないのです。
親も子育てをもっと楽しむことが出来る、そして子どもも発達や成長のためのよりよい環境を保障される、そんな仕組みを地域でどうやって作るのかが試されています。

投稿者:内田明香 | 投稿時間:06時00分

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