2012年05月15日 (火)子どもの運動能力を高めるには・・・


さて、この時期、運動会が行われる学校も多いと思います。
お父さんやお母さんにとっては、子どもの運動能力に気がかりなことも多いようです。親としては、運動ができる子どもに育ってほしいという思いがありますが、遊び場なども限られ、運動する機会は昔に比べて減っています。
そこで、幼稚園でも、体育指導を取り入れるところが多くなっています。お子さんに体操やサッカーなどを習わせている家庭もあると思います。

ところが、小さなお子さんの場合、こうした体育の指導が、必ずしも運動能力を高めることにつながらないということが最新の研究で分かってきました。

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先日開かれた日本保育学会。長年、子どもの運動能力の研究を続けている東京学芸大学の杉原隆名誉教授です。この日、意外な研究結果の発表に注目が集まりました。
杉原名誉教授は、発表の中で、体育の指導をすればするほど、運動の点数は低くなってしまうことを示しました。

120515017.jpg研究チームでは、25メートル走や立ち幅跳びなど、6つの種目について、9000人の幼稚園児の運動能力を調べました。比べたのは、マット運動や体操などの体育指導を受けていない子どもと、指導を受けている子どもです。すると、受けていない子どもは30点満点で19点台だったのに対し、受けている子どもは18点台。指導を受けていない子どもの方が点数が高かったのです。

120515016.jpg杉原名誉教授は「これほど大きな差が出るとは予想していませんでした。なんとか子どもの運動能力を高めたいと一生懸命指導しているが、指導の仕方が、子どもの発達的特長に合っていなかったということになります」と話します。

なぜ運動能力が伸び悩んでしまうのでしょうか。
かつて体育指導を取り入れていた幼稚園です。以前は、前転や跳び箱など特定の種目を繰り返し練習していました。ところが、同じ運動を繰り返すため、子どもが経験する動きの種類が限られてしまいます。説明を聞いたり、順番を待ったりする時間も長く、運動する時間は短くなります。
さらに、強い競争心を持つ年代ではないので、できない子どもがやる気を失ってしまうこともあるのです。
町山太郎副園長は「子どもがやらされています。同じ運動を繰り返しているだけでは子どもの動きは限定的です」と話しています。

120515015.jpgでは、どうすれば運動能力を高められるのでしょうか。
その解決策が「遊び」です。
杉原名誉教授によりますと、幼児期に見られる運動は、登る、運ぶ、走るなど本来30種類以上あります遊びを通して、たくさんの種類の運動を経験することが運動能力のアップにつながる というのです。

この幼稚園では、自由に外で遊ぶ時間を毎日設けています。好きな遊びをすることで、子どもは体を動かすことに熱中します。園庭にもその仕掛けを作りました。
木に足場を作ることで「登る」。遊具をあちこちに置いてバランスよく「渡る」。手や足を使って「ぶら下がる」。
自由に楽しく遊べる環境を作ることで、さまざまな運動を経験するのです。

120515014.jpg杉原名誉教授は「私たちのデータでも、遊びのほうがいろいろな種類の運動をたくさんしているし、たくさんの動きを経験している子どものほうが運動能力が高いです。幼児期は、何か一つの運動を繰り返し上達させる時期ではないのです」と話しています。

ところが、自由にさせると、自分からは活発に体を動かさない子どももいます。
そこで、この幼稚園では、遊びを盛り込んだ運動指導も取り入れました。この日は行われたのは、おしりをつき、手や足の力を使って逃げる鬼ごっこです。体を動かすのが好きではない子どもにも、運動の楽しさを知ってもらうためです。

杉原名誉教授は「いろんな動きをしたくなるような環境を作ってあげて、できるだけ活発に、たくさんの運動を自分たちで工夫して楽しんで体を動かすことが大事です。そうすれば意欲も高まり、運動能力も高まるという好循環が出てきます」と話しています。

幼稚園では、体育指導が盛んです。もちろん体育を指導すること自体が必要ないというわけではなく、指導の進め方や遊びとのバランスが大切なんですね。
国も、先月から全国の幼稚園や保育園に、毎日60分以上、遊びを中心に「楽しく」体を動かす時間をもつよう呼びかけ始めました。
杉原名誉教授によりますと、小学校3年生くらいまでは、遊びながらさまざまな動きを経験させることが運動能力を伸ばすのにつながるということです。

投稿者:内田明香 | 投稿時間:06時00分

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自由に遊ぶ子の運動能力の高さを暗記教育から読み解く

 題名は大したことを言っているようだが、中身は大したことはない。  幼稚園の保育時間で体育指導を受けている園児と指導を受けず自由に遊んでいる園児の運動能...続きを読む

受信日時 : 2012年05月15日 13時11分 | 『ニッポン情報解読』by手代木恕之

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