2012年03月22日 (木)注目される "人材のダイバーシティ"


きょうは、企業の人材の「ダイバーシティ」についてお伝えします。

「ダイバーシティ」は「多様性」という意味で、女性や外国人、障害者など、幅広い人材の活用を表しています。中でも、試金石となるのが「女性の活用」と言われています。
「ダイバーシティ」が、なぜ今、注目されているのかを取材しました。

dvy13.jpg企業のダイバーシティを推進するNPOの総会です。
会場には、たくさんの女性が集まっていますが、いずれも大手企業の管理職や幹部候補として期待されている人ばかりです。NPOには、金融や自動車など大手企業87社が参加。国もその活動に注目しています。

あいさつに立った枝野経済産業大臣は
「女性の力を活用できないことも一つの原因として、日本の経済活力が大変落ち込んでしまっています。人的資源を最大限活用するのは基本の基本です」と訴えました。

dvy12.jpgこのNPOは、女性社員に、より責任ある役職を目指してもらおうと、ネットワークを作って情報交換や研修を進めています。
5年間の活動で750人以上を養成。企業側の期待も高まっています。

dvy11.jpg第一生命の渡邊光一郎社長は
「日本企業がこれから成長していくためには、どうしても変革していかなければならない。ダイバーシティの取り組みは非常に重要になってきています」と話していました。

dvy10.jpgまた、みずほ証券の横尾敬介会長は
「アジアの中央銀行総裁や大手企業のトップは半分近くは女性です。日本は遅れています」と話していました。

dvy9.jpgダイバーシティを進めることで、新たな顧客の獲得につなげている企業もあります。

dvy4.jpg大阪にある社員39人の特殊鋼の加工・販売会社「天彦産業」です。需要の半分以上を占める自動車メーカーが工場の海外移転を加速するなか、海外への展開を迫られていました。
大卒で語学の堪能な社員を求めて、10年ほど前から女性の採用を始めました。
女性の仕事は、当初、貿易の事務にとどまっていました。しかし、その能力は語学だけではありませんでした。海外の全く知らない企業と安心して取り引きできるようなインターネット販売の方法を提案。業界の中でもいち早くネット販売に乗り出しました。中国やイ ンド、マレーシアなど、20か国近くから寄せられる問い合わせにきめ細かく対応し、取引先の開拓を実現しました。

dvy5.jpgさらに、電話を使った海外への積極的な「飛び込み営業」も始めました。上の画像は、英語で電話をしているところです。
女性社員は
「初めてでも、引き合いのあるお客さんもいます」と話しています。
女性社員は今では9人まで増えています。

樋口友夫社長は
「本当にモチベーションが高いので、私があることに気づいて、こんな形で進められないかって話をすると、けっこう肉付けしてくれるんですね。 やっぱり既存のお客さんだけでは不足していくので、新しい客の創造に、すごく可能性を感じています」と話していました。

dvy3.jpg女性をはじめとする人材のダイバーシティ。経済産業省も審議会で議論を始めていて、今後の政策に反映させることにしています。

dvy2.jpg経済産業省の研究会の座長で、シカゴ大学の山口一男教授は
「女性の活用はダイバーシティの試金石です。女性の活用ができない企業は、おそらく外国人も活用できないし、障害者も活用できないでしょう。日本の企業は適応力を失いつつあるのではないか。逆に言うと、ダイバーシティが現状を変える重要な考え方です」と話していました。

dvy1.jpg男性中心から女性の力を引き出す組織への転換。
そこから始まるダイバーシティは、日本企業の成長の原動力としても期待され始めています。

【取材後記】
今回の取材を通して、女性の活用について企業の意識が変わっていることを感じました。
経済産業省の審議会でも、「うちのヒット商品を開発しているのは女性です」「女性の管理職比率の目標値を国が定めてはどうか」といった発言が企業側から相次ぎました。
今回、取材させていただいた天彦産業さんのように、女性たち自身が新たな仕事を作り出していたり、感性を生かしたマーケティングで売り上げを伸ばしたりと、女性の活用が経営面での効果・実績に結びついている企業で、特に意識の変化が大きいようです。
女性自身が仕事に能力を発揮し、貢献していくこと、そして、より責任あるポジションへの意欲をもつことがますます求められていると思いました。

投稿者:内田明香 | 投稿時間:06時00分

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