2012年02月15日 (水)「総合こども園」の行方は?(2)


前回のブログでは、幼稚園が「総合こども園」に移行するための課題を取り上げました。

今回は、保育園の課題です。

保育園には、保育士の数や面積などが国の規準を満たす「認可保育園」と、基準が緩やかな「認可外保育園」があります。

kdm112.jpg「認可外保育園」に通う子どもは全国で17万9000人余り。東京都や横浜市など、待機児童の多い自治体では、一定の水準を満たす「認可外保育園」に補助を出していて、特に東京では保育園児の10人に1人が通う、重要な受け皿となっています。

この「認可外保育園」が「総合こども園」になると、待機児童が増えるかもしれないというのです。

kdm9.jpg

待機児童数が全国6位、東京・世田谷区の認可外の保育園です。
0歳から6歳まで71人を預かっています。
この保育園では、14人の職員のうち保育士は8人。子育て経験のある主婦などの力を借りて、子どもたちを受け入れてきました。

kdm101.jpgパートで働く母親は
「間違いなく認可保育園には入れないので、すぐ入れるのはありがたいです」と話していました。

こちらの保育園の園長は、補助金が手厚い「総合こども園」に移行することで保育を充実させたいと考えています。しかし、大きな課題があります。保育士の確保です。

「総合こども園」では、子どもの人数に応じて保育士資格を持つ職員の数が決められています。
今の子ども全員を受け入れて総合こども園になるには、保育士を、あと6人増やさなければなりません。

kdm6.jpg園では、求人を去年10月から出していますが、この4か月で応募は“ゼロ”です。
園長は
「去年後半ぐらいからまったく応募がありません。悲しいですね」と話していました。

保育園の新設ラッシュが続く首都圏は、慢性的な保育士不足で、確保は容易ではないのです。
このまま、総合こども園になろうとすると、保育士の数に合わせて、預かる子どもの数を20人ほど減らさなければなりません。

園長は
「受け入れる子どもの数を減らさざるをえなくなります。決断するもしないも、保育士がいないので、せざるをえないと思います」と苦しい胸の内を明かしてくれました。

こういった保育士不足を受けて、国は、辞めた保育士の再就職支援に取り組んでいます。
しかし、保育園の新設が続くなか、需要に追いついていないのが現状です。保育士を大幅に増やすためには待遇面の改善が必要だと指摘され、国も「改善を検討する」としていますが、実現には時間がかかる見通しです。

kdm5.jpg「総合こども園」への移行などには1兆円を超える財源が必要とされています。
政府は、消費税率10%への引き上げを目指す2015年度に「総合こども園」を本格的にスタートさせたい考えです。
消費税を巡る議論の行方が、スタートの時期にも影響しそうです。

投稿者:内田明香 | 投稿時間:06時00分

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コメント

子ども子育て新システムの問題は、公的責任の後退・児童福祉法24条の改正(改悪)です。今回のブログにかかれた内容は問題の本質からずれているように思います。
認可外施設で保育士を募集しても応募がないのは、待遇がわるかいからではないでしょうか。
国は財政支援して現行制度で公立保育園をどんどん増やすべきです。そうすればどの保護者も認可園に入れ、働く保育士も安心して働け、日々子どもの豊かな成長を願う保育を実践できるはずです。

児童福祉法24条(保育の実施責任は自治体にある)があるから、自治体は待機児童をカウントしないといけないし、住民は待機児童を解消するよう伝えることができます。
新システムになれば、自治体は待機児童をカウントしなくていいし、保育園に入れなくても何の責任ももたなくなります。数字にカウントされない保育難民がふえていくばかりです。

投稿日時:2012年03月03日 13時59分 | 開田ゆき

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