2012年02月14日 (火)「総合こども園」の行方は?(1)


「総合こども園」を推進するなど、全国で2万5000人を超える待機児童の解消を大きな柱とする、国の新たな子育て支援策がまとまりました。

「総合こども園」は、専業主婦の子どもなどが日中4時間ほど過ごす「幼稚園」と、働いている親の子どもなどを夕方まで預かる「保育園」の両方の機能を持つ施設です。

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東京・中野区にある施設は、国の支援策に先駆けて幼稚園と保育園を一体化しています。日中、子どもたちは遊びや給食など一緒の時間を過ごしますが、午後2時ごろになると、子どもが2つのグループに分かれます。

4時間の短時間利用の子どもは保護者が迎えに来ます。
一方、夕方までの長時間利用の子どもは、お昼寝をしたり遊んだりして、保護者が迎えにくるまでの時間を過ごします。

kdm2.jpgkdm3.jpg「総合こども園」に変わることで待機児童の解消につながるのかどうか。
その鍵を握っているのは、幼稚園です。

なぜなら、待機児童の8割以上は、0歳から2歳の子どものため、原則3歳以上の子どもしか預からない幼稚園が、2歳以下を預かる「総合こども園」に変われば、子どもの預け先が増えることにつながるからです。

kdm4.jpgしかし、幼稚園が2歳以下の乳幼児を預かるようになるためには、課題があります。

足立区の幼稚園を取材しました。

定員は420人ですが、保育園の希望者が増えたこともあって、定員割れが続き、幼稚園では2歳以下の乳幼児の受け入れを考えるようになりました。
金杉紀美子副園長は
「『保育園に入れない』という声を本当に感じているので、少しでも預かることができれば」と話しています。

この幼稚園では、敷地に新しい施設を増設する計画を立てました。
2歳以下の乳幼児を預かるためには、離乳食を作るための調理室や、子どもをもく浴させるスペースなど、幼稚園にはない設備を作る必要があり、新たな建物が必要になったのです。

kdm7.jpg新たな建物にかかる費用は6000万円。そのうち、補助が出るのは内装にかかる費用など全体の一部で、4500万円を幼稚園が負担しなくてはならないことが分かり、幼稚園は、結局、計画を断念しました。

金杉副園長は
「制度が幼稚園に寄り添ってくれると、もう少し幼稚園も預かれるようになるのではないかと思います」と話していました。

kdm8.jpg幼稚園が乳幼児を預かるようになるには、国からの今後の支援にかかっています。

詳しい支援の内容は、まだ決まっていません。幼稚園にとって魅力的な支援策が示されなくては、多くの幼稚園が今の形のまま残り、待機児童の解消につながらないおそれもあります。

*この記事に続く「『総合こども園」の行方は?(2)』をあす15日のブログでお伝えします。

投稿者:村石多佳子 | 投稿時間:06時00分

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