2020年01月21日 (火)被災から2週間 いま求められている支援とは


※2019年10月25日にNHK News Up に掲載されました。

台風19号の被災地では、多くの方がボランティアなどで被災者の支援にあたってきました。そうした方々の話を聞くと、まだまだ多くの支援が必要な現実が見えてきました。被災から、10月26日で2週間。いま求められる支援とは。

ネットワーク報道部記者 野田綾・ 目見田健・ 斉藤直哉

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まだまだ必要なボランティア
台風19号の被災地で活動したボランティア。

全国社会福祉協議会によりますと、その数は今月23日までに延べ5万1000人あまりにのぼったということです。

hisai.191025.2.jpgそれでも、被災地に入ったという人たちからは、まだまだ人手が必要だと訴えるツイートが相次いでいます。

hisai.191025.3.jpgまた、福島県会津若松市に住む48歳の女性はこんなツイートをしています。

hisai.191025.4.jpgこの女性によると10月16日、男性3人、女性6人のグループでボランティアをしました。被災した住宅にあったタンスを外に出そうとすると、タンス全体が水を吸って膨張していたため引き出しが空かず、中には水を吸った服も入っていたため、想像を絶する重さだったそうです。

女性は、「ボランティアは力仕事も多く男性の力が必要」とこの経験を52歳の夫に話し、夫の仕事が休みだった10月23日は夫婦でボランティア活動を行ったということです。

被災地の実態

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まだまだ人手が必要なボランティア。その背景には、被害が甚大で広範囲に及んでいることがあります。

福島県の社会福祉協議会は、被災地でのボランティアの活動が、水につかった家具を外に出したり、住宅の中に流れ込んだ泥などを取り除いたりする作業が、今も中心となっていると言います。

特にいわき市や郡山市では、被害の状況に対して、ボランティアの数が十分ではないとしています。長野県の社会福祉協議会からも同様の指摘がありました。

hisai.191025.6.jpg(山崎博之さん)
「千曲川の堤防が決壊して多くの家屋が浸水した長野市北部では、がれきやごみが道路にあふれていて車両や重機が入ることができません。家屋に入った泥の撤去すらできていないところもあるくらいです」

平日もボランティアを
山崎さんは、もう一つ、課題を指摘しました。このところ平日のボランティアに応募する人が少なくなっているというのです。

「気温もだいぶ下がっていて住民の体力の消耗や負担が大きくなっています。今週や来週でまだまだ終わるような状況ではないので、平日も継続的にボランティアに来てほしいです」

どんな準備が必要?
週末に限らず平日も必要とされているボランティア。では実際にボランティアに行く際にどんな準備が必要なのでしょうか。

被災者の支援を行っている名古屋市のNPO法人「レスキューストックヤード」は水害の被災地にボランティアに入る際の準備マニュアルをイラストにまとめてホームページで公開しています。

hisai.191025.7.jpg▽軍手ではなく厚手で長めのゴム手袋を着用することや、▽粉じんのほか消毒のためまかれている石灰で目を痛めないようゴーグルをしていくことなどを紹介しています。

また、社会福祉協議会は、冬が近づきインフルエンザの流行が始まっている地域もあることから、マスクなどを事前に準備してほしいと呼びかけているほか、作業を終えたボランティアには、消毒とうがいを徹底してほしいとしています。

hisai.191025.8.jpgボランティア参加地域を事前確認して
今までボランティアが入っていなかった地域でも支援を求める声があがるかもしれません。

全国社会福祉協議会は、被害の全容を把握しきれていない自治体もあるため、今後、新たにボランティアを必要とする地域が出てくる可能性もあるとしています。ボランティアを希望する人は現地の受け入れ体制などがどうなっているのか、全国社会福祉協議会のホームページでも事前に確認してほしいとしています。

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被災者に寄り添った活動を

また被災者の声にしっかりと耳を傾けてボランティアを行ってほしいという訴えも聞かれました。

被災地では、被災者の気持ちに寄り添い一緒になってボランティアにあたってほしいと呼びかけられています。

(福島県の社会福祉協議会)
「被災した人たちが1日でも早く自宅での元の生活に戻れるようにしたいというボランティアの気持ちはよくわかりますが、スピードだけを重視しないでほしいという意図からです。家財道具や写真などの中には、思い出の品となっているものもあります。ボランティアが『ゴミ』だと決めつけずに被災者に確認してください。住宅の外に出すときも丁寧に扱ってください」

人手だけではない必要な支援

被災地の支援を無償で行っているある団体の活動からは、人手だけではない
支援の必要性が浮かび上がってきました。

子どもの支援を行うNGOの「セーブ・ザ・チルドレン」。

学校などが再開し始める中、宮城県や福島県の被害の大きかった地域で小学校やこども園などを訪ね、今、どのような支援が必要か、聞き取り調査を行いました。

その結果、断水が続いた中でこども園などが再開したため
▽飲料水▽給食用の紙の食器▽消毒液▽除菌シート▽水をためるタンクなどが必要だという声が数多く寄せられ、この団体はこうした物資を送ったということです。

hisai.191025.10.jpgさらに放課後児童クラブからは、「子どもたちがそわそわして落ち着かない」という声が聞かれたほか、子どもの親からも、「子どもたちもストレスがたまり、夜泣きをするようになった」といった声があがっているということです。

子どもの心のケアにつながるよう避難所に絵本やおもちゃなどを送ったということです。

hisai.191025.11.jpg団体の担当者は、「子どもたちの生活に何が必要なのか、情報はこれからさらに入ってくることになると思う。現地の声を聞きながらニーズに素早く対応していく。そのために寄付という形で協力いただけたらありがたい」と話していました。

投稿者:野田 綾 | 投稿時間:12時53分

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