2020年01月17日 (金)相次ぐ台風 "土地"サイトに注目集まる


※2019年10月23日にNHK News Up に掲載されました。

甚大な被害をもたらした台風19号の豪雨災害から10日余り。次は台風21号が北上しています。“秋台風”はいつまで続くのか。ネット上では洪水などの災害から身を守るため住んでいる土地の特徴を多角的に、そして手軽に知ることができるサイトに注目が集まっています。

ネットワーク報道部記者 和田麻子・ 大窪奈緒子・ 松井晋太郎

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台風が発生しやすい状況続く

気象庁によりますと台風21号は23日午後6時には硫黄島の南にあり、その後、26日土曜日ごろには温帯低気圧に変わって日本の東の海上に達する見通しです。

ai191023.2.jpgこのあとさらに別の台風が日本に近づくこともあるのでしょうか。

気象庁の天気相談所によると、台風の発生のメカニズムは解明されておらず、発生を中長期的に予想することは困難だということですが温暖化に伴って、海面水温が平年より1~2度高い状況がここ数年続き、台風が発生しやすくなっているということです。

11月に上陸したケースも

また統計を取り始めた1951年以降で台風が発生した状況を月別の平均でみると10月に3.6回、11月に2.3回、12月に1.2回、発生していて、1990年(平成2年)には11月に台風28号が和歌山県に上陸したこともありました。

天気相談所は「来月以降も台風が発生して日本に近づくことは十分考えられ引き続き注意が必要です」と話しています。

土地に潜むリスクは?

自分が住む場所は安全なのか。
土地の変遷を知ることができるサイトにいま人気が集まっています。

ai191023.3.jpg「今昔マップon the web」は、県庁所在地を中心に全国の37地域の明治時代以降の地図と現在の地図を見比べることができます。

例えば、東日本大震災で液状化の大きな被害が出た千葉県浦安市。

ai191023.4.jpg市の沿岸部を検索すると、左側に古い地図、右側に現在の地図が出てきます。古い地図は、首都圏エリアでは明治時代の1896年から2005年まで9つの年代ごとに、変化を見ることができます。

ai191023.5.jpg1896年から年代を追って見ていくと、海が広がっていた部分が徐々に埋め立てられ、1975年~1978年には現在とほぼ同じ地形になっているのがわかります。

ai191023.6.jpg左:1896~1909年        右:現在

ai191023.7.jpg左:1975~1978年         右:現在

(サイトを開発した埼玉大学の谷謙二教授)「東日本大震災では、比較的新しく造成された東京や千葉県沿岸部の埋め立て地で液状化の被害が集中しました。古い地図をたどっていくと、自分の住む場所が埋め立てられた場所かどうか調べることができます」

サイトの1日当たりのアクセスは、通常はおよそ8000件ですが、最近は3倍に増えているのだそうです。

(谷教授)「台風による被害が相次いで、自分の住む場所が本当に安全か、情報を求める人が増えているのではないでしょうか。ハザードマップで調べるのはもちろんですが、昔の地図に水路があれば今は地下水路になって、いざという時にあふれる危険はないかなど、どんなリスクが潜んでいるかを知ることも、身を守るのに大切な情報だと思います」

“地理院地図”も

自分が住んでいる土地の特徴を知ることができるサイトはほかにもあります。

地区ごとに細かくわかる
国土地理院が作る「地理院地図(電子国土Web)」です。

国土地理院の現地調査と航空写真から分かった▽土地の成り立ちや▽地形の自然災害リスクについて地区ごとに細かく調べることができます。

3年ほど前から公開されていて、トップ画面から「情報」の項目に入り、「ベクトルタイル提供実験」に。
それから「地形分類(自然地形)」から地区を選択すると、その土地の情報が表示される仕組みです。

ai191023.8.jpg例えばNHKがある東京 渋谷区神南2丁目を調べると、「土地の成り立ち」としては「周囲より階段状に高くなった平たんな土地」と表示され、「災害リスク」には「縁辺部の斜面近くでは崖崩れに注意」と出てきます。

すべての地域で表示されるわけではありませんが、国土地理院応用地理部企画課の小野康さんは「身の回りの土地の危険性について、あらかじめ知る材料の一つにしてほしい」と話しています。

石碑は訴える

またこの地図でことしから始まったのが「自然災害伝承碑」の表示です。

ai191023.9.jpg過去に発生した津波、洪水、火山災害、それに土砂災害などについて被害の状況などを記した石碑やモニュメントのこと。

先人が、その土地で起きた災害について後の世代に伝えようと各地に建てられています。

ところがこうした碑は地元の人から見過ごされることも多いと見られることから国土地理院は、碑の情報をわかりやすく残そうと、地方公共団体から申請してもらい、地図に表示することにしたのです。

「地理院地図」のトップ画面から「情報」の項目に入り、「自然災害伝承碑」を選択すると地図上に緑色で表示される仕組みです。

伝承碑の写真をクリックすると具体的な被災者や被害家屋の数なども知ることができます。

ai191023.10.jpg(国土地理院の小野さん)「まだ始まったばかりの取り組みで碑を表示できていない地域もありますが、水害や高潮、土石流や津波など同様の災害はその場所で再び起きる可能性があるため一つの目安としてほしいです」

ネット上では、国土地理院が作るサイトを紹介した投稿がおよそ19万回リツイートされ、一気に拡散しました。

投稿の反応のなかには、被災したという人の書き込みもあります。

ai191023.11.jpgいつ誰が被災してもおかしくない台風。
知っていれば守れた命や防げた被害があったのかもしれない。
そう後悔しないよう、できる備えを進めることが大切だと思います。

投稿者:和田麻子 | 投稿時間:13時09分

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