2018年08月31日 (金)台風12号よ、どこへ行く


※2018年7月25日にNHK News Up に掲載されました。

“命に関わる危険な暑さ”が続く中、台風12号が発生しました。発達しながら日本に向かっているこの台風。週末にかけて影響が出そうですがまだ進路がはっきりせず、やきもきする声がツイッターにもあがってきています。
台風の見通しは?豪雨の被災地への影響は?気になる点を調べました。

ネットワーク報道部 飯田曉子・高橋大地・玉木香代子

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<週末に日本に近づく>
「平日必死に暑い中出勤しているのに、遊びに行く週末にピンポイントで台風なんて笑えない」

25日未明に日本の南の太平洋上で発生した台風12号。

発達しながら日本に向かって進んでいて、この週末にかけて本州に近づくおそれがあります。

ツイッターには嘆きの声が続々です。

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<台風の通り道>
気になる台風の今後の動き。世界のさまざまな機関が進路を予想していますが、まちまちです。

tai180725.3.jpgなぜこんなに違いがあるのでしょうか。

NHKの気象予報士の荒木真理子さんに今回の台風について、図で示しながら解説してもらいました。

「25日には日本列島を覆う高気圧と、日本の東側にある高気圧の2つがあります。2つの高気圧の間が、ちょうど日本列島に向かう通り道のようになっています」

tai180725.4.jpg「台風はその間を縫う形で進んでくることになりそうです」


<進路が定まらない理由>
そのうえで、進路がまちまちな理由は2つのポイントがあるといいます。

tai180725.5.jpg「1つめが、日本の東にある高気圧です。これが西に張り出すと、台風を西側に押し出す形になり西寄りの進路をとる可能性があります。張り出し方がどうなるかで進路が変わってくるんです」


<真夏の“寒冷渦”>
「もう1つ上空の寒気・『寒冷渦』も進路予想を難しくしているポイントです」

tai180725.6.jpg「寒冷渦に台風が近づくと、お互いに影響し合って複雑な動きを取ることがあるんです。台風と台風が近くにあるとそれぞれが複雑な動きをすることがあり、それと同じようなことが、台風12号と寒冷渦の間で起きる可能性があるんです」

互いが影響しあった結果、どんなコースをとるのか、その予測も難しそうです。

高気圧と寒冷渦、その要素が組み合わさることで、さまざまな進路パターンが想定されるのが現状のようです。


<日本直撃は避けられない?>

tai180725.7.jpg気象予報士 荒木真理子さん
ただ今回の台風12号、日本列島に上陸する可能性自体は高いと考えてよさそうです。

「進路が東寄り、西寄りどちらであっても、現状では日本列島を直撃する可能性が高いです。台風は北東側で雨雲が発達する傾向があるので、西寄りの進路となった場合、東北から西日本まで広い範囲に影響が出るおそれがあります。早めの対策を心がけてください」


<隅田川花火大会、問い合わせ相次ぐ>
直撃の可能性が高い台風、週末の観光イベントに足を運びたい人にとっても気がかりです。

その代表は、今週土曜日・28日に予定されている東京の夏の風物詩、「隅田川花火大会」

tai180725.8.jpg実行委員会の墨田区には実施するかどうかをたずねる電話が鳴り止まないそうです。

由来が江戸時代にさかのぼる、全国でも最大規模の花火大会で、ことしも95万人を超える観客が来ると予想されています。


<開催の決断は当日の朝に>
実行委員会では去年から気象予報会社と契約をしました。

ホームページに当日の天気予報を載せたり気象予報士に大会当日の天気予報を聞けたりできるようにしています。

というのも、5年前、花火の打ち上げが始まってまもなく豪雨にみまわれ、中断する事態になったからで、独自に開催を判断するのは難しいと感じたそうです。

tai180725.9.jpg隅田川花火大会が中止になり引き揚げる人(平成25年)
特に警戒しているのが強風。あおられれば、花火が周辺の住宅街などに飛んでいくおそれもあるそうで、区では風速7メートル以上の風が10分以上続いた場合には花火を中断することにしています。

そして大会を開催するのか、翌日に延期するのか、それとも、中止にするのか。

最終的な判断は当日・28日の午前8時ごろに、実行委員会のホームページなどで掲載することにしています。


<西日本豪雨、被災地への影響は>
気になるのは、西日本豪雨の被災地への影響です。

気象予報士の荒木さんは、「進路が西よりになった場合には西日本豪雨の被災地で土砂災害など被害がさらに広がる可能性もあります。注意してください」と話します。

ツイッターにも「復旧してきたばっかやのにそれちょい困るで」
「台風の影響でまた豪雨になったら嫌だなあ。いまだに業者さん来ないから家の裏崩れたままなんだけど」

「豪雨災害からの復旧工事中のところも多いので台風さん、それていただけるとうれしいです。お願いします」といった声が上がっています。

tai180725.10.jpg土砂が流れ込んで底が浅くなった川(広島 坂町)
被災地では、広島県の少なくとも15の河川で川が土砂で埋まって流れにくくなっています。

わずかな雨でも氾濫の危険性が高い状態で二次災害への注意が必要です。

また「週末はボランティア来やすかったりする時に台風が直撃すると交通機関にも影響したりいろいろ弊害が」とボランティアへの影響を心配する投稿もありました。

「台風が近づいたら危険を防ぐためにボランティアの活動を中止するところが多いと思う。ボランティアに行こうと考えている人は身の安全を第一に、情報をしっかり収集して用意してほしい」(被災地のボランティアの情報を取りまとめている全国社会福祉協議会)

せっかくの週末、復興途中の被災地、そうした中を、進路をはっきりさせずに日本に近づいてくる台風12号。やきもきする時間はしばらく続きそうです。

投稿者:飯田 暁子 | 投稿時間:16時35分

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