2017年04月13日 (木)骨髄ドナーに助成金支給の動き広がる


※2017年4月5日に東海地方のローカルニュースで放送されました。

名古屋市は、
白血病などの治療に有効な骨髄を提供するドナーの経済的な負担を減らすため、ドナーに助成金を支給する制度を、4月から始めました。

制度導入の背景には、移植を希望しても、実際に受けられる患者は半数ほどにとどまるという厳しい現実があります。

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kotsuzui170405.3.jpg名古屋市の日比美咲さんと長男の健翔くんです。

kotsuzui170405.7.jpg去年11月、夫の健太郎さんを亡くしました。
35歳でした。
名古屋市議会議員だった健太郎さんは、去年5月、急性白血病と診断され、医師から骨髄移植が必要だと告げられました。
「日本骨髄バンク」に登録し、白血球の型が合うドナーが4人見つかりましたが、ドナー側の事情で移植には至りませんでした。

kotsuzui170405.6.jpg移植に至らなかったことについて美咲さんは、
「やっぱり最大のボランティアと言われていることなので、もちろん強要もできないし、善意あるドナーさん次第ですので、こればかりはわれわれ患者側からはどうしようもない」と話しています。

日比さんは、代わりにさい帯血の移植を受けましたが、
その1か月余り後、亡くなりました。

kotsuzui170405.11.jpg美咲さんは
「骨髄移植しか手段がない。完治するには移植しかないので、もしドナーさんがいて、その方が同意して健太郎さんが骨髄移植をしていたら、もしかしたらですが、結果は違ったかもしれない」と話します。

移植が可能な白血球の型が適合するドナーが4人いながら、
なぜ、移植に至らなかったのか。
日比さんのケースのように、多くは医学的には可能でも、
ドナー側の理由で移植ができなくなっています。

kotsuzui170405.12.jpg日比さんが移植を受けられなかった理由は明らかにされていませんが、「日本骨髄バンク」によりますと、ドナー側の理由で提供に至らなかったケースでは「健康上の理由以外」が66%にのぼっていて、
そのうちの43%が「都合がつかない」ということでした。

「日本骨髄バンク」は、この「都合がつかない」人の中に、仕事を休むことによる経済的な理由が少なくないのではないかと見ています。
というのも骨髄移植では、提供する側も通院や入院などのために1週間ほど仕事を休まざるを得ないなどの負担があるからです。

そこで名古屋市は、こうしたドナーの経済的な負担を減らそうと、助成金の制度を導入しました。

kotsuzui170405.20.jpg日比健太郎さんは亡くなる2週間前、病床で、映像を撮るともに政策の提言を遺していました。
その1つが「ドナーが骨髄の提供をしやすくなるような支援の必要性」についてです。
仕事を休まなければならないドナーと勤務先への経済的な補償が重要だと指摘していました。

日比さんの訴えなどがもとになり、名古屋市は今月から、
ドナーとその勤務先に対して、助成を始めました。

kotsuzui170405.18.jpg7日分を上限に、ドナーには1日2万円、勤務先には1日1万円を助成することにしています。
助成が始まることで、
ドナーが提供しやすい環境が整うと、期待の声があがっています。

骨髄バンクを支援している
NPO法人「あいち骨髄バンクを支援する会」です。
いまも移植を受けられる患者は、希望する患者の半数にとどまる一方で、ドナーの登録は特に若い世代で伸び悩んでいます。
ドナーへの助成が広がることで、経済的に安定していない若い人の登録が増える効果もあると期待しています。

kotsuzui170405.17.jpg水谷久美事務局長は
「特に若い方、緊急の雇用で働いている方にとっては、金銭的にも補償があるということは、提供がしやすくなるのではないかと。それによって移植を希望する患者さんすべてが移植を受けられるようになればと思っています」と話しています。

骨髄ドナーへの助成は、名古屋市だけでなく、全国の200を超える自治体が行っていて、こうした助成制度が全ての自治体に広がることが期待されます。

投稿者:松岡康子 | 投稿時間:15時28分

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