2016年12月29日 (木)絵本で伝える"風疹"の怖さ


※2016年10月4日に放送されました。

風疹は、妊娠20週、5か月くらいまでに感染すると、生まれてくる赤ちゃんの耳や目、心臓などに障害が出るおそれがあります。
この風疹の怖さや予防の大切さを知ってもらいたいと、1冊の絵本が作られました。
作ったのは、みずからが風疹にかかったためにわが子が障害を負った母親たちです。
絵本に託された思いを取材しました。

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<”風疹をなくしたい”>
わが子を抱きしめる母親の姿が表紙に描かれた絵本。
タイトルは、「ひとりのちから」です。
母と子の幸せを奪う風疹をなくしたい。
そんな思いから作られました。

<子どもが障害を負った母親たちが制作>

16100403.jpg絵本を作ったのは、風疹によって子どもが障害を負った母親たちで作る「風疹をなくそう会」です。
共同代表を務める岐阜市の可児佳代さんは、34年前、妊娠初期に風疹にかかり、娘の妙子さんは耳や心臓などに重い障害がありました。

16100404.jpg妙子さんは、高校卒業を目前に控えた18歳の時、心臓の病気が悪化して亡くなりました。
可児さんは「親が言うのもなんだけど、とってもチャーミングな子で、今生きていたら今年34歳になるので、どんな子になっていたのかなと常に思います」と妙子さんについて語ります。

<風疹は今も流行を繰り返す>
風疹は今も流行を繰り返しています。
最近では平成24年から25年にかけて大流行し、45人の赤ちゃんが目や耳、心臓などの障害を負いました。

<母親のつらい経験を絵本に>
風疹の被害が後を絶たない状況を知ってもらいたい。
可児さんたちは、自分たちの経験をもとに絵本を制作しました。

16100405.jpg子どもがほしいと願い、やっとおなかに宿った命。
幸せでいっぱいのある日、体じゅうに発疹が出て、風疹と診断されます。
自分のせいで、生まれてくるわが子に障害が出てしまうかもしれない。
16100406.jpg周りの人や医師からは、中絶も勧められました。
生むか生まないかの選択を迫られる母親。
おなかの赤ちゃんに何度も何度も謝り続けます。

16100407.jpg可児さんは「風疹にかかってしまったことにおなかの中にいる赤ちゃんに申し訳なくて、本当にごめんね、ごめんねと、おなかにいるうちから、ずっとずっと不安で。
胸が押しつぶされそうなくらい、不安な妊娠生活だった」と当時を振り返ります。

<風疹は”防げる病気”>
風疹にかかってから、ワクチンの接種で感染を防げたことを知った可児さん。
「自分が予防接種をしていたら」という後悔の思いを、絵本の中に込めました。

16100409.jpg「『ふうしん』これは予防接種をしたら、かかりにくくなる病気です。
みんなが予防接種をしたら、なくなっていく病気です。
私はそれをしらなくて、赤ちゃんのお耳を聞こえにくくしてしまいました。」

<多くの人に読んでほしい>
「より多くの人に絵本を読んでもらいたい」可児さんたちは、絵本を医療機関の待合室に置いてもらえるよう、協力を呼びかけています。

16100411.jpg絵本を置いた岐阜市の医師、矢嶋茂裕さんは、「優しい絵が描いてあって、母親とか家族にとって、ぱっと見て読んでみようかなと言う気持ちになる」と話します。

16100413.jpg可児さんは、「もう誰もこんな思いをしてほしくない。生まれてくる命には、元気で育ってほしいし、お母さんのおなかの中にいるときに、病気にかかったという後悔をしてほしくない。ワクチンで防げる病気なんだから、ワクチンで防いであげて。未来の命を守ってあげてほしいと思います」と訴えています。

母親たちでつくる「風疹をなくそう会」では、絵本を無料で配布しています。
欲しい方は、HPからお問い合わせ下さい。
http://stopfuushin.jimdo.com/

また、3年前の流行を受けて、ほとんどの自治体では、風疹の抗体検査や予防接種の費用を助成していますので、お住まいの自治体にお問い合わせ下さい。
女性だけでなく男性も感染源にならないためにワクチンを接種してほしいと思います。

 

投稿者:松岡康子 | 投稿時間:13時57分

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