2012年01月16日 (月)永久歯が生えない! (名古屋・山屋記者)


10人に1人。

この数、永久歯の一部が生えない子どもの割合です。日本小児歯科学会が、全国の7歳以上の子ども約1万5000人を調べた結果、10人に1人の割合で、永久歯が生えない子どもがいると発表しました。
永久歯が生えないこの症状を「先天性欠如」といいます。

eikyu1.jpg先天性欠如は、永久歯の芽である「歯胚」(=上の画像の「点線」の部分)がなく、そのため永久歯が生えません。先天性欠如にはどのような影響があるか、課題は何か、取材しました。

eikyu5.jpg浜松市に住む小学4年生の男の子は、1年余り前、近所の歯科医院で、歯の芽である歯胚がないため、永久歯が生えない先天性欠如と診断されました。母親は、取材に対して、「永久歯が生えないなんて聞いたことがないので、びっくりしました。どうしていいか分かりませんでした」と話しています。

eikyu12.jpg日本小児歯科学会の副理事長で鹿児島大学の山崎要一教授は、先天性欠如が10人に1人いるという調査の結果について「100万人の子どもがいたら10万人。1000万人の子どもがいたら100万人の子どもが先天性欠如ということになるので、少ないとは言えない」と話しています。
先天性欠如の原因はよく分かっていませんが、適切な治療を受けないと、さまざまな影響がでてきます。

eikyu3.jpg上の画像は、下の奥歯が1本ないケースです。乳歯が抜けたあと、永久歯がないために両隣の歯が倒れ、顔のゆがみの原因になるおそれがあります。

eikyu2.jpgeikyu21.jpg上の画像は、下の前歯2本がない症例です。先天性欠如が引き金となって、上下のあごの大きさに差が出て、上の歯が前にせり出しています。
このように歯並びが悪くなると、物をうまくかめなかったり、虫歯になりやすいなどの弊害が出てきます。

山崎教授は
「先天性欠如によって歯並びやかみ合わせが悪くなり、その結果、長期的に見ると、認知症になりやすかったり、寝たきりの老人になりやすい傾向がある」と指摘しています。

先天性欠如は、治療できる専門医が全国的に少ないことが取材をする中で分かりました。取材した男の子も、近所に治療できる専門医がいないため、月に1度、住んでいる浜松市から車で約3時間かけて通っています。
また、先天性欠如の矯正治療やインプラントなど、保険が適用されない治療が中心なので、経済的な負担が大きいのも課題です。
山崎教授は、日本小児歯科学会として、これらの課題に対し、「治療マニュアルの整備や専門医の育成に取り組みながら、国に治療費の負担軽減を働きかけていきたい」と話していました。

個人差はありますが、7歳から8歳前後に、歯の芽である「歯胚」がレントゲン写真にはっきりと写るようになるので、生え替わりが遅いと感じたならば、歯科医院で見てもらうことも大切だということです。
(名古屋放送局記者・山屋智香子)

投稿者:らいふちゃん | 投稿時間:06時00分

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