2011年12月13日 (火)抜いた歯をリサイクルで活用


抜いた歯を捨てずに冷凍保存しておき、別の歯を失ったときに移植するなど、自分の歯を活用する新しい治療方法を広めようというシンポジウムが、11日、福岡市で開かれました。シンポジウムは九州大学で開かれ、日本のほか、韓国からも歯科医師が参加しました。

抜いた歯を冷凍保存し、将来、別の歯を失ったときに移植する治療方法を紹介したのは、歯科医師で広島大学の講師の河田俊嗣さんです。

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広島大学には、抜いた歯を保存する「歯の銀行」があり、およそ1700本の歯が冷凍保管されています。
歯は、細胞が死なないように、特殊な冷凍庫で氷点下140度という低温で保管されます。価格は20年間預ける場合、1本15万円程度です。移植にはさらに7万円程度かかります。人工の歯を作るインプラント治療よりおおむね安く設定されていて、去年預けられた歯は380本と、治療を始めた7年前の4倍近くになりました。

dt6.jpgシンポジウムで、河田さんは「120本の歯を移植し、その9割が成功した。かみ応えが元の歯に近い」などと説明したうえで、「サイズが大きく違えば移植できない場合もあるし、1割で定着せず、抜かなければなくなるなど課題もあるが、治療の選択肢の一つとして多くの人に知ってほしい」と訴えました。

dt7.jpgこの治療方法、現在、広島大学のほか、新潟大学や日本大学の病院などで行われています。

長崎大学歯学部の朝比奈泉教授は「自分の歯を使う治療方法は感染の危険も少なく安全性も高い。再生医療など、さまざまな活用方法が検討されていて、抜いた歯を捨てる時代は終わるのではないか」と話していました。

dt8.jpg抜いた歯を移植した、20歳の東京の大学生を取材しました。
おととし2月、スノーボードをしていたときに転倒し、上の前歯2本を失いました。その前の年に、矯正で抜いた奥歯を「歯の銀行」で保存していて、前歯を失った2日後に移植手術を受けました。

dt1.jpgdt2.jpg1週間後には食事ができ、その後1年かけて歯を削りながらかみ合わせを調整しました。
大学生は「抜いた歯の移植は不安でしたが、今は見た目も分からないし、普通に食べることもできる。冷凍保存してよかったと思います」と話しています。

今、日本では60歳までに平均で5本、70歳までに10本の歯を失っています。
将来に備えて抜いた歯を保存する動き、少しづつ広まってきています。

投稿者:米原達生 | 投稿時間:06時00分

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