2011年12月05日 (月)"掛かりつけ歯科医院" の選び方は


医療の知識もない私たちからすると、歯科医院をどう選ぶかはとても難しい問題です。

どんな歯科医院を、どうやって選ぶのがいいのか。
歯科医師であり、患者からの相談に乗っている団体の代表でもある、田尾耕太郎さんと岡田弥生さんのお2人に話を伺いました。

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田尾耕太郎さん歯科医師
歯科医療相談サイト 「歯チャンネル88」運営

●自分の求めるポイントを決めよう
―歯科診療所は本当に診療所によって違います。歯科医師でも、腕のよい掛かりつけの歯科を選ぶのは難しい作業です。私たちの所に相談に来る患者さんの中には「歯科難民」になっている人もいます。
一般的に歯科医院に5軒も10軒も行くのは難しいでしょう。まずは、何をもって「よい歯科」なのか、自分でポイントを絞ることが重要です。
いくつかポイントがあると思います。通いやすさ、治療の内容、歯科医師の人柄、料金、痛くない治療、などですが、この中から自分がいちばん重視するポイントで選ぶのがよいと思います。

●こんな歯科医院はやめておこう
―まず、予約のときの電話対応です。歯科医院は小さな所帯なので院長の方針がスタッフに浸透しています。患者への応対が雑なところは、院長も雑な場合が多いので、やめておいたほうがいいでしょう。
次に、治療について、歯科医師が話す時間を取って、きちんと説明してくれるか、コミュニケーションを取る人かどうかです。自分の意思・希望を正確に伝えること、先生の話をよく理解できること、つまり「コミュニケーション」がポイントなのです。特に、自由診療の治療を受ける場合には治療の期間が長くなります。きちんと話ができるかどうかがとても大事で、私たちも患者さんに何軒か行くようにアドバイスしています。
例えば、先生がよかれと思ってしたことでも、患者さんはそれを望んでおらず、お互いに不幸になってしまうこともあります。相談に来る患者のほとんどは、歯科医院とコミュニケーションが取れていないことが原因です。
歯科医院を選ぶ際には、とにかく担当医とコミュニケーションをとっていけそうかどうかということを最重要ポイントとして考えておくのがよいでしょう。
ちなみに、ネットの口コミは自作自演のことも多いので、すべてうのみにはせず、あくまでも参考程度にとどめるのが賢明です。

●掛かりつけ歯科医がいたほうがよい
―歯が痛い原因は、簡単に分かるようで実は難しいことが多くあります。虫歯なのか、それとも神経なのか、レントゲンを撮っても一度だけでは診断ができないケースもあります。そういうときに、過去の傾向が分かっていれば診断の精度も高くなります。
ですから、症状に合わせて歯科医院を変えるよりは、掛かりつけの歯科医院がいるほうがよいと思います。
もちろん、治療法によっては、掛かりつけの歯科医院ではできないものもあります。そういうときに、ほかのクリニックを紹介してくれる、掛かりつけ歯科医師がいればベストです。
歯科医師の中での情報交換はすごいですから、ニーズにあった歯科医院を紹介してくれるはずです。

●腕のよい歯科医を探す裏技?
―大きな本屋さんに行くと、「シエン社」や「医歯薬出版株式会社」などの医療者専門の出版社から出ている本が置いてあります。その本の中で、歯科医師向けに症例を発表していたりする先生は、かなり期待できることが多いです。どうしても歯科医院が決められないという場合は、こういった医療者専門の本で発表をしている先生から探してみるというのも一つの手です。
 


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【岡田弥生さん】歯科医師
「草の根歯科研究会」代表 高円寺保健センター勤務

●まず、3軒回ってみてください
―腕のよい歯科医院かどうか、それは診断のときに圧倒的に差がつきます。歯科医院に行くときには3軒回って見てください。多くの方は、虫歯かな?と気になるところがあってから歯科医院に行くでしょうが、できれば「なんでもない」と思っているときに行ってください。診断力の差がよく分かります。
手遅れになった虫歯を診断するのは簡単ですし、歯科医院による差はあまり出ません。素人の方が「何でもない」と思ったときに、本当のプロなら、将来どんなことが起こりうるかの診断ができるはずです。どこに、いつ頃(食生活など生活習慣によります)どんな虫歯ができる可能性が高いか、虫歯がどの程度進んでいるのか、ほかの歯も虫歯になりそうなものがあるのか、どの程度、危険性があるのか、削らずにブラッシングで進行を食い止められるかどうか、血液検査で糖尿病や高血圧が分かった初期に心筋梗塞や脳梗塞などの重い疾患を予測し、コントロールすることを一緒にやって行きましょう、と言ってくれるドクターを探すのと同じです。
相性は大事ですが、いくら人当たりがよくても、診断が間違っていれば意味がありません

●専門の歯科医師を紹介してくれる人は、よい掛かりつけ医
―歯科医師にも自分の得意な領域と不得意な領域がありますが、そういうときに「この分野は自分よりももっと上手な人がいます」と紹介してくれる歯科医院は、よい歯科医です。
多くの歯科医院が、ほかの歯科に患者が移ることを嫌がって、専門でなくても自分でやってしまいます。そして、うまくいかないことが多いのです。
自分が今までと違う歯科医療を受けたいときは、掛かりつけ医に「○○の治療をしたいのですが、先生が推薦できる専門の歯科はありますか」と尋ねてみてください。そのとき「うちでもできる」ではなく、「○○歯科に紹介しますよ」と言ってくれる歯科医院は、本当によい掛かりつけ歯科医師だと思います
ドル箱と言われるインプラントを、できないわけではないけど、あえてやらない、患者さんのために信頼できる専門医を紹介する、そういう選択をしている歯科医院は良心的だと思います。

●保険診療から自費診療への移行はご注意
―初めは「保険診療でやります」と言いながら、2,3回通った頃から「自費診療ではこんなこともできます」と、いつの間にか自費診療を勧めてくる歯科医院が、ちまたには数多くいます。
これはどうかなと私は思います。自費診療でやっている歯科には、腕に自信があって保険診療を全くやっていないところもあります。そういう所ならまだ分かるのですが、「この患者なら自費でも出せる」と計算して勧めているのではないかとすら思ってしまいます。
ですので、金額が途中から変わる歯科医院は注意をしたほうがいいと思います。材料など自費のメリットもありますので、初診時にきちんと治療方針と見積もりを聞いておくことが大切です。
治療途中で選択を迫られ、泣く泣く高額の出費では困ります。最初に、慎重に、真剣に、賢く歯科医院を選んでください。

投稿者:米原達生 | 投稿時間:06時00分

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コメント

よくわかります。
 各医院は、ご自分のPRのホームページを作成。
 得意分野のPRをされれば選ぶのに参考になります。

投稿日時:2013年03月31日 17時08分 | shinntarou

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