実践リポート

  • 特別支援

「ミミクリーズ」で学びの芽生えを育む

中傳 翔子 教諭

中傳 翔子 奈良県桜井市立桜井南幼稚園教諭

「ミミクリーズ」の番組は「自然界の似たもの探し」がキーワードとなっており、自然界の生き物や植物の形、模様、動きなどの似ているものが紹介される自然科学番組です。子どもたちの好奇心、観察力、想像力が育てられます。普段とは違った見方で周りの環境を見ることができ、子どもたちが興味・関心をもって楽しむことができる番組です。また、視聴することで子どもたち自身も「似たもの探し」をやってみようという意欲が高まり、いろいろな発見をして楽しむことができます。

ミミクリーズ【対象】3~7歳

ミミクリーズ

「ミミクリ―(mimicry)」。それは「擬態」・「似ているもの」とう意味。自然界には形・模様・動きが似ているものが数多くあります。その「似ているもの」を徹底探索!「似ているもの」を比較し、共通点・規則性・差異を考えていくと、「似ているメカニズム」が見えてきます。「ミミクリ―」をキーワードに、3~7歳の子どもたちの知的好奇心を触発し、観察眼と想像力を磨くことで、「科学する心」を育て「自分で考えること」を促す自然科学番組、「それが「ミミクリーズ」です。 さまざまな「ミミクリーズ」をスタイリッシュな実験映像やCG、歌などの演出を駆使して見せていき、直感的に「おもしろい!」「わかった!」と思ってもらえるような番組を目指しています。さらに番組専用の写真投稿アプリで、子どもたちが見つけた「ミミクリーズ」写真を募集することで、視聴者が参加できるインタラクティブな番組にもなっています。

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活用のねらい

「ミミクリーズ」の番組を活用することで、子どもたちが日々の生活の中で「なぜだろう?」という疑問や好奇心をもち、友達と共に観察したり想像したりすることを楽しんでほしいと考えました。実践を積み重ね、身近な環境への興味を高め、友達と思いや考えを伝え合って楽しむ経験の中で「学びの芽生え」を育むことにつなげていきたいと考えました。

保育の様子


「ぞうりにそう(層)があったよ!」

年長5歳児クラスで視聴しました。5月~7月の時期には「ミミクリーズ」の視聴を3回行い、各回の視聴後にはクラスみんなで感じたことを話す場を作り、振り返りや話し合いを行ってきました。

また、3回目の視聴の後には、番組内で取り上げられていた“えだわかれ(枝分かれ)”の形を園庭で探す活動を行いました。デジタルカメラを使って見つけたものを子どもたち自身が写真にとることができるように準備し、撮った写真をテレビに映して紹介したり、後日掲示したりしました。

また、視聴後の子どもたちの興味の動向を見て、普段の遊びや生活の中でいろいろな発見があったと教師が感じたため、それらの発見や感じたことをクラス全員で共有できる機会を重ねてきました。子どもたちが、「なぜだろう?」と感じたことをクラスみんなで考えたり試したりする機会を作ってきました。

9月~11月の時期には海遊館への遠足と関連付けて海の生き物が取り上げられている番組を視聴したり、グループに1台のデジタルカメラを子どもたちに渡して園内の似たもの探しの遊びを行ったりしました。

また、10月には親子同席視聴を行い、友達と一緒に視聴を楽しむ姿や身近な環境に興味や関心をもっている姿を保護者の方に知ってもらうことができました。また、親子で一緒に視聴したことで家庭でも「ミミクリーズ」を視て似たもの探しをしたという声もあり親子のコミュニケーションの1つともなりました。

子どもの変容


「ぐるぐる(うずまき)見つけたよ!」

ミミクリーズの視聴を通して、子どもたちの反応やつぶやきがたくさん見られ、普段とは違った視点で身近な環境を見て、「不思議だなぁ」と興味をもって楽しむことができました。また、番組をきっかけにして、実際に似たもの探しの遊びを行うと「やってみたい」と意欲的な姿が見られました。

その後の遊びの中では、「六角形見つけた!」「この種を植えたらどうなるのかな?」など新たな発見や疑問が生まれていました。

遊びの後の話し合いでは、クラス全員で発見や疑問を共有することにより友達と一緒に観察をしたり、試したりして楽しむことができました。友達と一緒に視聴することで共通の話題ができ、友達の思いや考えを知る機会になった。さらに、話し合いの機会を重ねていくことで「みんなに知らせたい」という気持ちが高まっていることを感じました。

「ミミクリーズ」を継続して視聴していくことで、子どもたちが好奇心をもち、日々の生活や遊びの中で新たな発見をすることができ、身近な環境への興味や関心が高まったと考えます。また、子どもたちが疑問をもって周りの環境を見つめたり、「知りたい」と自ら活動に移したりする力が育ちつつあります。

実践を振り返って


「えだわかれ(枝分かれ)で星になったよ!」

視聴後や遊びの後には自分の思ったことや考えたことを出しあう、話し合いの機会を毎回もつようにしてきました。子どもたちとの話し合いでは、教師の言葉掛け1つで幼児の興味の広がりや表現の仕方が変わってくることに気づきました。教師の言葉掛けや援助について今後も考えていきたいです。

また、日々の生活の中で子どもたちが感動体験をし、「もっと見たい」「なぜだろう?」「みんなに伝えたい」と感じることが学びの芽生えに繋がっていくのではないかと考えます。そのために今後も放送番組を継続して活用し、子どもたちの姿の見取りから環境構成や教師の援助を考え、子どもたちの「学びの芽生え」を育んでいきたいと考えます。

本時案(保育プラン)

時間 問いかけ・活動内容 幼児の活動 指導上の配慮・援助

10:00

 

視聴前の
問いかけ

  • 「今日のミミクリーズはどんなのかな。楽しみにしていてね。」と声を掛け、集中して視ることができるようにする。
  • 椅子を持って来てテレビが視える位置に座る。友達と話をする。
  • みんながテレビを見やすい位置に座っているか確認する。

10:10

 

視聴中の
配慮

  • テーマソングを歌う。
    「すごい!」「“えだわかれ”
    いっぱい」とつぶやいたり、一緒に数えたりする。
  • 幼児の反応にあいづちをうつなどして共感する。

10:20

視聴後の
問いかけ

  • 「どうだった?」と問いかける。
  • 「ボンってなるのがおもしろかった」
  • 「数がいっぱいだった」
  • 前での発表の後、「同じ気持ちだった人はいるかな?」と聴いているみんなも参加できるようにする。

10:30

視聴後の
活動

  • 「“えだわかれ”を探しに行こう!」と声を掛ける。
  • どんなふうに探すか、デジタルカメラを使うときの約束を話す。
  • 戸外に出て“えだわかれ”を個々に探す。
  • 自分が見つけた“えだわかれ”を写真に撮る。
  • 教室のテレビのスライドショーでみんなの写真を見る。
  • 前半はカメラを使わず探すようにし、後半に写真を撮ることができるようにする。

堀田 博史

「ミミクリーズ」を活用した中傳先生の実践は・・・ 桜井南幼稚園は、すべてのクラスで放送番組を活用していて、年中4歳児でも、番組からのメッセージを受け取り、映像を読み解く力が育ちつつあります。メッセージを受け取り、溜め込むことができることで、視聴中のつぶやきがたくさん見られます。また、視聴後に話し合いの機会を毎回持つことで、子どもは溜め込んだメッセージを様々な形で発信します。この発信が、新たな発見や活動意欲につながり、子どもの興味は増幅します。親子での視聴にも取り組まれており、幼稚園だけではなく、家庭にも新たな発見が広がることを願っています。(堀田 博史)

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