実践リポート

  • 総合
  • 小3

学んだことを伝えたい!「why!?プログラミング」で発信型授業!

谷田 健司 教諭

谷田 健司 鳥取大学附属小学校

「プログラミング学習ってどんなことをしたらいいの?」「どうやって授業するの?」と、足踏みしてしまう先生はいませんか?「why!?プログラミング」では、小学3年生にもわかりやすく「scratch」の使い方を学ぶことができます。本校の3年生は、総合的な学習の時間に野菜の栽培・販売活動を行ってきました。そして、そこで学んできたことを、プログラミング「scratch」のサイトを使い、「web収穫祭」と称して発表会をしました。子どもたちは、番組からイメージを広げ、自作のキャラクター(以下スプライト)に会話させたり、写真を背景に使ったりしながら、主体的に学習を進めていくことができました。Web上の発表会のため都合の良い時に見てもらえるという利点を生かし、保護者から「すごいね。」、農家の方から「野菜づくりのポイントはこうだよ。」などコメントをいただきました。

Why!?プログラミング【対象】小学校5・6年生・中学生・高校生/技術

Why!?プログラミング

今、プログラミングは新しい創造を促す教育の手段として、世界で注目を集めています。米国マサチューセッツ工科大学が公開している初心者向けプログラミング言語「スクラッチ」を使って、「順次」「反復」「分岐」などのプログラミングの仕組みを分かりやすく伝えます。舞台は、隣の「スクラッチ・ワールド」。そこから届くSOSに、レスキュー隊員の厚切りジェイソンさんが救助に向かい、「Why!?」を連発しながら大活躍(?)します。

番組ホームページへ

活用のねらい

活動名 デジタル紙芝居づくり ~学習して学んだことを30秒の物語にして伝えよう~
番組名 「why!?プログラミング」の「NO.6ビックリハウスをつくれ」

物語をプログラミングで表現することで、ストーリーの改善が容易なので、3年生でも友だちと協同的に制作することができます。また、web上で収穫祭を公開することにより、従来の発表会のように、日時の不都合による参観者の減少や1回限りという限定された形式にとどまらない発表会を行うことができました。

「why!?プログラミング」の「NO.6ビックリハウスをつくれ」子どものスキルアップの支援

「scratch」は、修正が容易で、3年生でも友達と協同的に活動ができます。Web上で公開することで、従来の参観形式の発表とは異なり、いつでも何度でも視聴してもらえるのも魅力の一つです。しかし、いざ、子どもたちにさせてみようとすると、教員が1人ずつ指導するのは大変という難点が生じます。この実践では、「why!?プログラミング」を用いて、子どもたち自身でスキルを習得していくことをねらって活用を図りました。

授業の様子

(学習活動1)番組を視聴して、作品のイメージを広げる

スプライトを動かしたり複数に会話をさせたりする番組を視聴し、実際に試させる場を設定した。

(学習活動2)物語の構成を考える

伝えたい事柄について、番組で得たスキルを効果的に利用することを目的に、構成を考えさせた。

(学習活動3・4)プログラミングの制作と修正・再構成を行う

各自に番組の動画(「ワイワイプログラミング」の 「動画でわかるscratchコマンド」を視聴させながら、作品を制作した。

(学習活動5)作品鑑賞し、web上で公開する

それぞれの作品を鑑賞しながら、お互いの工夫点などを紹介し合い、web上で公開した。

子どもの変容

プログラミングを組む活動は、児童の自己表現のツールとして大きな魅力に繋がった。それは、単に物語を書くといった活動に限定されず、広くて多様な表現活動に導き、様々な表現媒体から発想でき、分量、語彙、文型など、さまざまな可能性を学習者の個性に訴えることができたからである。子どもたちは、番組を視聴することで活動の見通しをもち、「自分のやってみたい」という意欲をもつことに繋がった。実際に会話のやり取りで「メッセージを送る・受け取る」、「スプライトを動かす」など動画でわかるscratchコマンドをよりどころとして活用することで、いちいち教師に頼らずに、子どもたち自らが意欲的に進めていける活動を組むことができ、1人で完成させることが容易になったことで自信にも繋がった。

公開した作品に対して、見た方から作品にコメントがもらえたり、「いいね」と投票してもらえたりすることも、取り組む意欲へ繋がっていった。

児童は、3月「web感謝祭」と名付けて、下級生に手作りおもちゃやプログラミングでゲームを作り、自分たちの食べている食材に対して関心をもっての活動を計画している。

実践を振り返って

作品作りは、制作後は、発表しっ放しや掲示物として貼りっぱなしで終わってしまうが多かったと振り返る。しかし、プログラミングは、簡単に加筆修正できることやバージョンを上げていくこと、お互いに作品を共有し協働的な作成が容易である。さらに内容を深めていけるという利点である。他の回の番組やwebサイトを使うことで基本的なプログラミングに対する見通しをもって、児童自らが学びたいという意欲を大切にしていきたいと考え、さらに活用していきたい。

本時案(授業プラン)

「プログラミング作品を作ってWeb収穫祭で伝えよう」(全8時間)

時間 学習活動 指導上の留意点
どのようなプログラミング作品を作りたいか全体で話し合う。
Why!?プログラミング・ビックリハウスをつくれ を視聴する(学習活動1)
どんな収穫祭にしたらよいか、伝える相手と伝えたい内容について話し合い、めあてを決める
番組を視聴し、どのような作品にするかイメージをつかみ、活動の見通しをもつ。

グループで協力して、どんな物語にするか考える。(学習活動2) 今までの活動を振り返り、どのようなことを学んだか考え発表しよう。



物語のプログラミング制作と構成の見直しを行う。
2グループが交代をしながら、
①制作(学習活動3)と
②再構成(学習活動4)を各2時間ずつ行う。
①物語の構成やストーリーの流れを考えながら友達と作品を見合ったり作品のアドバイス、作り方などを教え合え合えるようにする。
NHK forschoolサイト内ワイワイプログラミングサイト「動画でわかるscratchコマンド」を活用(パソコン室)
②グループ内で作品を紹介し合い、より分かりやすく伝えるために、内容や絵や写真、コメント、見せ方について考える。
(3年生教室)
Web収穫祭に向けてお互いの作品を見合いながら、意見交流する。
(学習活動5)
制作した作品を鑑賞し合い、お互いのがんばったところや工夫したところについて伝え合う。

寺嶋 浩介

「Why!?プログラミング」を活用した谷田さんの実践は…谷田先生はプログラミング作品を制作するということに、「加筆修正がしやすい」「作品の共有」「協働のしやすさ」などにメリットを感じておられるようです。すでに子どもによる制作活動を多く取り入れられてきたようですが、どの点にメリットを感じて、プログラミング活動を取り入れるかについては明確にしておかないといけません。5つの学習活動が、とてもスムーズな流れとなっており、そこに、NHK for Schoolの活用がさり気なく入っています。番組は導入に作品のイメージを広げるために、具体的な制作活動においては、「動画でわかるスクラッチコマンド」を視聴させ、具体的なスキルを得ています。「why!?プログラミング」では公開するスペースも用意されているので、成果を発信したり、他に先行事例としてどんな作品が作られているのかを見たりするのに、役立ちそうです。(寺嶋 浩介)

ページの先頭へ