実践リポート

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「おんがくブラボー」で、全員参加のリズムアンサンブルづくりをしよう!

浅村 芳枝 教諭

浅村 芳枝 山口県下松市立公集小学校教諭

第5回「リズムで音楽づくり」の視聴により、子どもに、リズムアンサンブルをもっとおもしろくするには音楽の仕組みを使うだけでなく、強弱を意識するとよいことに気付かせたいと考えました。番組視聴後は、グループに分かれてリズムアンサンブルづくりをしました。まず、どのような曲にしたいかということを共通理解できるように、イメージ図を使って可視化した後、構成図を用いて、イメージ図に描いたような曲になるようリズムの重ね方について話し合ったり、実際に演奏して修正したりしました。
※この実践および所属は、2015年度のものです。

おんがくブラボー【対象】小学校3・4・5・6年生/音楽

おんがくブラボー

『おんがくブラボー』は、音楽を楽しみながら学べる番組です。毎回、音楽科の4つの分野(器楽・歌唱・音楽づくり・鑑賞)から1つテーマを取り上げ、「演奏」や「音楽の聴き方」のコツを伝えます。そうしたポイントを知ることで、演奏の上達や、子どもたちが音楽の仕組みを理解し、より音楽を楽しめるようになることを目指しています。

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活用のねらい

高学年の音楽づくりでは、音を音楽に構成する過程を大切にしながら、音楽の仕組みを生かし、見通しをもって音楽をつくることをねらっています。そのため、なんとなくリズムを組み合わせてみたらリズムアンサンブルができたということにならないよう、このような曲にしたいという意図をもち、友達と試行錯誤しながらイメージした曲になるよう活動することができる授業デザインが必要です。また、子どものこのような曲にしたいという思いを実現するためには、音楽の仕組み(反復、問いと答え、変化、縦と横の関係)だけではなく、音楽を特徴付けている要素にも目を向けさせることが必要です。

『おんがくブラボー』の第5回「リズムで音楽づくり」では、音楽の仕組みに加え、音楽をもっとおもしろくするための工夫として、音楽を特徴付けている要素である強弱にも気付かせることができるようになっています。そのため、番組を活用することによって、より豊かな音楽づくりをさせることができると考えました。また、つくったリズムアンサンブルをとても楽しそうに演奏する3人の出演者の姿を見せることで、自分達もリズムアンサンブルをつくって演奏してみたいという意欲を高めることができると考えました。

授業の様子

まず、前時の復習として、教科書に載っているリズムアンサンブルの例で学習した音楽の仕組みを確認した後、もっとリズムアンサンブルをおもしろくするための工夫を見付けようと投げかけ、第5回「リズムで音楽づくり」を視聴しました。

次に、グループに分かれて、教科書に載っている6種類のリズムから3種類のリズムを選び、それらのリズムに合う楽器を決めてから、リズムアンサンブルづくりに入りました。その際、イメージ図を用いることで、このような曲にしたいという意図をもってアンサンブルづくりに取り組むことができるようにしました。また、ワークシートのイメージ図の下には構成図を配置し、3種類のリズムを表す3色の付箋紙を使うことによって、リズムの重なりをすぐに表現したり、修正したりすることができるようにしました。「ここは繰り返そう。」「ここは盛り上げたいから3種類のリズムを重ねて強く演奏しよう。」などと、音楽の仕組みを使い、強弱をつけるよう意識しながら、付箋紙を貼り替えたり、文字を書き込んだりしていました。そして、実際に演奏してみて思い描くような曲になっているかどうか確認し、また修正していました。

授業の最後には、イメージ図を想像しながら数グループの発表を聞く活動を取り入れました。このことによって、ワークシート上に表現したイメージが伝わるように発表したいという次時の学習への意欲をもたせることができました。

子どもの変容

イメージ図は直線の傾きで曲の盛り上がりを表現する簡単なものなので、曲のイメージが一目で分かります。そのため、全員が共通理解をしながら、積極的に話合いをすることができました。

普段の音楽の授業では楽譜を読むのが苦手だったり、楽器の演奏に自信がなかったりして、友達に教えてもらうことが多い子どもも、この授業では積極的にグループの話合いに参加していました。そして、次の時間には、自信をもってグループの発表に参加していました。

実践を振り返って

学習後の子どもの感想をいくつかご紹介したいと思います。

【番組視聴】

・番組で3人の出演者が強弱をつけて演奏していたので分かりやすかった。
・番組で音楽の面白さを知ることができた。
・番組で自分で考えたリズムを恥ずかしがらずに堂々と演奏しているところが良かった。

【リズムアンサンブルづくり】

・最初は悩んだが、イメージ図から考えるととても楽しく、早くリズムアンサンブルがつくれた。
・「呼びかけ」に強弱をつけるなど工夫した。
・みんなで意見を出し合ってつくれた。

番組を視聴することによって、リズムアンサンブルがどのようなものかということが分かり、どのような工夫をすることができるのかということに気付くことができました。また、3人の出演者の演奏を見て、自分もやってみたいという気持ちを高めることができました。また、イメージ図を用いることで、曲のイメージを可視化することができ、グループ全員で共通理解を図りながら曲づくりについての話合いを進めることができました。

今後は、歌唱の回を使って、全員が自信をもって歌えるようになる授業をしたいと思います。

本時案(授業プラン)

学習活動 指導上の留意点
教科書のリズムアンサンブルの例を見て、音楽の仕組みを見付ける。
おんがくブラボー・リズムで音楽づくりを視聴し、音の重なりや響きを試しながら、音楽の仕組みを使って、リズムアンサンブルをつくる。
  • イメージが伝わるようにさらに工夫をしたり、もっと練習したりしようとする意欲を高めるために、イメージ図を想像しながら数グループの発表を聴かせる。
グループでつくったリズムアンサンブルの発表をする。
  • 気付いたことを発表する時間をとり、それぞれのアンサンブルのよさを感じ取ることができるようにする。

稲垣 忠

『おんがくブラボー』を活用した浅村先生の実践は・・・音楽に苦手意識の強い子にとって、表現課題はなかなかのハードルです。リズムだけとはいえ、表現したいイメージがあり、それを演奏できること。さらにはアンサンブルとして、友だちのリズムを聴いて合わせたり、組み合わせを楽しむところまで期待したいところです。浅村先生は2つの方法でこれらのハードルを子どもたちが乗り越えられるよう工夫されました。1つは番組です。アンサンブルを楽しむモデルを見せることで、何をするのか、どのようにできていくのかを先行経験することは、子どもに興味と安心感を与えます。もう1つは、書く活動です。イメージ図と付箋を使ってアンサンブルの展開を視覚化することで、表現意図を言葉にして練り合う場が生まれました。(稲垣 忠)

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