実践リポート

  • 道徳
  • 小5・6・中

「ココロ部!」で世代を超えた議論を実現!

天田 和男 教諭

天田 和男 美祢市立淳美小学校教諭

平成30年度より「特別の教科 道徳」がスタートします。考え、議論する道徳授業の実現に向け、地域の方を交えて一緒に話し合う授業がしたいと考えました。そこで「ココロ部!」を活用することで、どの年代の方も教材の内容を理解した上で考え、活発な議論が生まれる授業を目指しました。

ココロ部!【対象】小学校5・6年生 / 中学生 / 道徳

ココロ部!

大人気のお笑いコンビ「アンジャッシュ」による寸劇を見ながら、問題解決に必要な思考力を育みます!

子どもたちの活発な議論が展開されたと好評を得ています。「考える道徳」の資料満載の番組ホームページも、ぜひご活用ください!

この番組を見る

活動のねらい

amata_01

本実践は道徳科の内容項目「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」に関わる授業です。児童が国や郷土について考えを深めながら話し合いをする際に、自分たちの限られた経験や知識だけでは画一的な話し合いになり、多面的・多角的に考えることが難しいのではないかと考えました。そこで本校がコミュニティースクールであることを生かして、学校運営協議会(以下 学運協)の方に授業参加を依頼し、児童と同じテーマについて話し合うことで、様々な立場からの意見に触れることができるのではないかと考えました。

学運協は児童の「親世代」と「祖父母世代」で構成されているため、3世代が同じテーマで話し合うことになります。そこで、どの世代にとっても葛藤場面の状況や話し合いの目的が理解しやすい教材として、映像コンテンツである「ココロ部!」を活用することとしました。

授業の様子

amata_02

視聴回「ぼくらの村の未来」
本実践では、番組を最後まで視聴した後に5人グループ(児童3人、学運協の方2人)を作り「郷土を大切にする心」をテーマに話し合いをしました。日頃から地域について考え、積極的に活動されている方々の思いを感じながら、話し合いを進めることができました。学運協の方へは事前に参加意図を説明していたので、どの方も自分の意見を出しながらも、児童の意見も丁寧に聞いてくださいました。そのおかげで児童も緊張しながらも自分の意見を言うことができていました。

子どもの変容

amata_03

本実践のように映像教材を活用することで、複雑な価値葛藤の状況を参加者全員が理解することができました。そして「きみなら、どう考える?」の問いかけに自分事として一生懸命考えることができました。さらに、児童は学運協の方の意見を聞くことで、「郷土を大切にする心」にも様々な思いがあることに気づくことができ、さらに考えを深めることができました。

実践を振り返って

amata_04

「ココロ部!」は映像、台詞、演技、音楽などの演出により視聴者の心に訴える内容となっています。そのため児童だけではなく、どの世代の方にとっても内容を理解しやすいように感じました。紙媒体と違い手元に教材が残らないという欠点はありますが、誰もが内容を理解し、すぐに話し合いに移るためには有効な教材であると改めて実感しました。平成30年度からは道徳は教科書を使用することとなりますが、内容項目に注意して計画的に映像コンテンツを活用することで、授業の質的向上につなげていくことができるのではないかと考えます。

学運協の方との話し合いの場面では、児童には想像できない様々な意見が出されることが予想されました。そこで意見を集約するためのホワイトボードを使い、立場によって色分けしたり、ネームプレートを使って立場を明確にしたりすることにしました。このことによって話し合いの内容を可視化することができました。大人も児童もボードを覗き込みながら話し合う姿が見られ効果的でした。

学習活動・発問 指導上の留意点
1 ココロ部!・ぼくらの村の未来
を視聴する。

番組の進み具合に合わせて、登場人物の写真や名前、重要なセリフなどを黒板に貼っていく。

2 番組内容を振り返り、グループで話し合う。
「みなさんは、賛成と反対、どちらの意見に共感できますか?」

ホワイトボードにネームプレートを貼ることで自分の立場を明確にしながら、意見交流ができるようにする。

3 10年後の村の様子について話し合う。
「これからこの村はどうなっていくのだろう?」

付箋に自分の意見を書き、自分の意見をまとめると共に、付箋を貼ることで話し合いに参加できるようにする。
同じ意見をまとめたり、新しく出た意見を書き加えたりすることで、話し合いの深まりを視覚的に捉えられるようにする。

4 学習を振り返る。 ワークシートに書き込み、共有することで共感しあったり、多様な思いに気づいたりできるようにする。

中橋 雄教授

「ココロ部!」を活用した天田さんの実践は・・・番組視聴と多様な価値観をもつ世代との交流を組み合わせている点に特徴があります。番組内では、様々な立場から「村の未来」について意見が提示されます。立場によって、どちらが正解とはいえない問いについて考えていきます。その際、クラスの仲間だけでなく、これまで実際に自分たちの暮らす地域のことを考えてきた方々の意見を踏まえることで、考えに深まりがでると考えられます。その際、外部の協力者が自分の考えを学習者におしつけてしまっては意味がありません。学習者が自分なりの考えを表明できるように、外部の協力者と実践の意図を共有しておくことが重要だといえるでしょう。(中橋 雄)

中橋 雄教授

「ココロ部!」を活用した天田さんの実践は・・・番組視聴と多様な価値観をもつ世代との交流を組み合わせている点に特徴があります。番組内では、様々な立場から「村の未来」について意見が提示されます。立場によって、どちらが正解とはいえない問いについて考えていきます。その際、クラスの仲間だけでなく、これまで実際に自分たちの暮らす地域のことを考えてきた方々の意見を踏まえることで、考えに深まりがでると考えられます。その際、外部の協力者が自分の考えを学習者におしつけてしまっては意味がありません。学習者が自分なりの考えを表明できるように、外部の協力者と実践の意図を共有しておくことが重要だといえるでしょう。(中橋 雄)

ページの先頭へ