実践リポート

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モンシロチョウのからだのつくりをとらえよう~「ものすごい図鑑」の活用を通して~

福田晃教諭

福田 晃 石川県金沢市立十一屋小学校教諭

実物のモンシロチョウの成虫の観察を行いました。ルーペを活用しながら観察をするものの、あしの本数やあしが出ている部位について、観察結果が異なってしまいました。そこで、観察結果に異なりが出たところを明らかにするため、「ものすごい図鑑」を活用し、様々な角度や大きさでモンシロチョウの成虫のからだのつくりを観察しました。

ものすごい図鑑【対象】小学校1~6年/理科

さんすう刑事ゼロ

このコンテンツは、NHK for Schoolウェブサイト上にあります。マウスでつまんで360度あらゆる方向から観察できるインタラクティブ図鑑。超拡大モードで見たときの迫力は実物以上です。カブトムシに続く第二弾はモンシロチョウ、第三弾ではトノサマバッタが登場です。

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活用のねらい

実物のモンシロチョウの観察では、ルーペや透明カップを活用したとしてもからだの一部を大きくして見たり、角度を変えることについては限界があります。そこで、「ものすごい図鑑」を活用することで、実物観察ではできなかったことが可能となります。このことによって、観察対象を好みの大きさや、見たい角度で表示させることによって、本時のねらいの到達が可能となると考えました。

授業の様子

 「ものすごい図鑑」を活用して、観察をしている際には、「ここの部分、拡大して。」や「この角度から見た方がよくわかるよ。」といった発話がどのグループでも見られました。また、あしの出ている部位や本数に関する確認の発話も多く見られました。児童の中で、モンシロチョウの見たい部分や見たい角度があり、そのことが活用によって実現することから、主体的なモンシロチョウのからだの観察ができていたのだと思います。

子どもの変容

実物観察の際には、3人班につき、1匹のモンシロチョウを配布し、自由に観察できる環境を整えておいた。実物観察時においても、「やっぱりあしがあったね。」といったメンバー間での確認に関する発話は見られました。だが、「ものすごい図鑑」を活用していた場面では、それ以上に児童間での発話数が増えていました。特に、表示する際の大きさや角度をどうするかという内容の発話が多く見られました。

実践を振り返って

あしがついている部位とあしの本数を明らかにするという目的意識のもと、「ものすごい図鑑」を活用することによって、見たい部分を選択しながら観察を行うことができました。実際に、3人で操作する過程において、「もっと、こっち」や「裏側にしてから見ようよ」といった会話が見られました。そして、実物のモンシロチョウに立ち返り、実物でもそうなっているかを確認していました。このことから、児童は、情報量が多いコンテンツの中から、自らが知りたい情報(本時では、あしがついている部位と本数)にアクセスしていたため、主体的な学びが確立されていたと言えるのではないでしょうか。

本時案(授業プラン)

時間のめやす 学習の内容・展開・発問 指導上の留意点、準備
7分

前時の確認をする。
<モンシロチョウの成虫のからだはどのようなつくりになっているのだろう>

モンシロチョウのからだのつくりについて明らかにしなければならないことを確認し、観察の視点を共有する。

実物観察では、班によって観察結果にズレがあったことを想起させる。
観察の視点

<あしはどこからでているか>、<あしは何本か>
18分

ものすごい図鑑・モンシロチョウ を活用して観察(スケッチ)を行う。

「ものすごい図鑑」で新たに分かったことがあった場合、実物でもそうなっているか確認させる。
準備:ワークシート、タブレット端末(3人に1台)

10分

観察結果を共有する。

複数名のスケッチを投影し、モンシロチョウのからだのつくりをとらえる。

数名の児童のスケッチの提示を通し、<あしはどこからでているか>、<あしは何本か>を確認する。

準備:スクリーン、プロジェクター

5分

学習をまとめる。

「ものすごい図鑑」を投影し、学習をまとめる。

「ものすごい図鑑」で確認後、自分の言葉で学習のまとめを書かせる。

チョウの成虫のからだは、頭、むね、はらからできいて、むねからあしが6本でている。

5分

ふり返りを書く。

余剰時間は、「ものすごい図鑑」でバッチを集めてもよいということを伝える。

稲垣 忠

「ものすごい図鑑」を活用した福田さんの実践は… 実物の観察とデジタル教材、どちらが適切なのでしょうか。福田先生の実践はそうした二者択一な考え方ではなく、意味のある組み合わせを提案されています。実物のモンシロチョウはもちろん「リアル」です。動きや大きさ、改めて観察することで気づくこともあるでしょう。それでも、気づきを他の児童、クラス全体で共有することは容易ではありません。タブレットで撮影することもできますが、気づいた「ここ」を共有する教材として「ものすごい図鑑」を活用しました。同教材は、いろんな角度から見たり、拡大したりといった操作が自在にできます。「何を見るか」視点を共有することで再び実物に戻り、確かめる姿もありました。(稲垣 忠)

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