実践リポート

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「ドスルコスル」の活用で高める課題意識

宮﨑 誠

宮﨑 誠 神奈川県川崎市立平間小学校

平成29年度からスタートした「ドスルコスル」。子供たちの身の回りに、どのような課題があるのか、また、どのような解決方法があるのかを考えるためのヒントをくれる番組です。今回は、「第3回 どうする?お年寄りのサポート」を活用しました。まちがかかえる高齢福祉の問題を知ることで、身の周りにはまだまだ自分の知らなかった、たくさんの問題があることに気づかせたいと思いました。

ドスルコスル【対象】小学校3・4・5・6年生 / 中学生 / 総合

メディアタイムズ

総合的な学習の時間を強力にサポートするための番組!「ドスル編」では、子どもたちが10分間で、現代社会の諸課題を把握して、その基本的な情報をに入れることができます。そこから「じゃ、どうする!?」という思いに子どもたちを誘います。「コスル編」では、子どもたちに活動のイメージを持ってもらい、実際の調べ学習にスムーズに入ってもらえるよう、「先達」の取り組みを紹介します。「あ、こうするんだ!」という具体的な見通しが立ちます。

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活用のねらい

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前期は障害をもつ人や高齢者の生活の苦労、そうした問題をどのようにまちが支援しているかについて調べました。「いろいろな車椅子が開発されている」「点字や点字ブロックが必要な人の役に立っている」と、まちではいろいろな工夫がされていることを知りました。後期は車椅子体験や手話教室、視覚障害者による講演といった、体験活動やふれあいを通して、「車椅子を操作するのは思ったよりも大変」とか、「点字ブロックの上に自転車が止まっていて大変」というように、まちの設備や器具があっても、多くの悩みがあることを少しずつ感じ取ることができました。

番組を視聴し、子供たちが今までもっていなかった新たな見方をもって、これまでに調べたり感じたりしたことを見直すことで、「障害をもつ大変さ」や「高齢者の生活の大変さ」にとどまらず、「障害者を支援する上での問題」や「高齢者福祉のかかえる問題」に気づかせたい。そして、さまざまな問題を理解したうえで、自分が今できることや、将来できることを具体的に考えることができるようにしたいと考えました。

授業の様子

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初めて見る番組に興味津々の子供たち。番組が始まると、どの子も画面にくぎ付けになりました。「第3回 どうする?お年寄りのサポート」では、「老老介護」や「お年よりの孤立」、「介護の人手不足」といった、高齢化社会の直面している問題を、映像や統計資料で紹介します。ときにはうなったり、「えー」と声をあげたりしながら、初めて知る問題に、多くの子供が衝撃を受けていました。

視聴後は、子供たちの発言をもとに番組から得た情報を整理していきました。番組に出ていたキーワードをしっかり覚えており、たくさん手が挙がりました。NHK for schoolの「きょうざい」から「今回の静止画」をダウンロードし、黒板に掲示しました。

その後、今まで調べてきたものの中には、どのような問題がありそうかを、グループで話し合いました。「目の不自由な人は、点字ブロックの上に自転車があって困ったと言っていたな」「車椅子を使っている人は、どんなことに困っているのだろう」と振り返る子もいました。

授業の最後に「自分たちに、できることはないのだろうか」という意見がでました。この一言が、その後の活動につながりました。

子どもの変容

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番組を見てから、今まで高齢者福祉にあまり関心がなかった子たちも、「もっと知りたい」「何か役に立ちたい」という思いをもつことができました。多くの人たちに、高齢者のかかえる問題を知ってもらうために、老人ホームを訪問してインタビューをし、保護者に向けて発表したグループもありました。

そうした子供たちの姿を見て、高齢者福祉以外の課題をもつ子たちも「自分たちが、できることは何か」という意識をより明確にもって、活動に取り組むことができるようになりました。

実践を振り返って

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本時では番組の視聴をきっかけに、高齢者福祉だけでなく、身体に障害のある人たちに向けた福祉のかかえる問題についても考えを広げてもらいたいと思いました。しかし、多くの子供は高齢者福祉に対する問題については考えを深めることができたものの、本時の中だけで、ほかの問題にまで意識を向けることができた子供はあまりいませんでした。4年生という発達段階を考えると高齢者の問題に視点を絞って活用することで、より番組の効果を発揮できると思いました。

しかし、番組から受けた衝撃は大きく、「自分たちが、できることは何か」という意識をもって活動を続けられたのは、番組の力に他ならないと思います。「ドスルコスル」はまだ放送が始まったばかりです。より良い活用ができるよう、これからも実践を積み重ねていきたいと思います。

本事案(授業プラン)

学習活動 指導上の留意点
1.前時の学習をふり返り、課題を確認する。
「障害者や高齢者の人たちのかかえる問題を考え、もっと調べたいことを考えよう。」
前時に学習をもとに、高齢者の介護について話し合う。
2.番組を視聴し、感想を交流する。
子供の発言から、番組を視聴して感じ取ったことや、知ったことを板書していく。
番組の教材である「静止画」を活用する。
3.高齢者の人たちのかかえる問題をヒントにして、障害者の人たちのかかえている問題を振り返ったり、疑問を出し合ったりする。 黒板の掲示を参考にできるように声掛けする。新しい考えは今までの学習で使用したワークシートに書き足し、考えの変化がわかるようにする。
4.学習のまとめをする。
今後調べたり取り組んだりしたい課題を決める。
 
5.本時のふり返りをする。  

堀田 博史

「ドスルコスル」を活用した宮﨑先生の実践は・・・平間小学校・宮崎学級では、『ドスルコスル』を視聴することで、身の周りにはまだまだ自分の知らないたくさんの問題があることに気づかせたい、という願いがあります。番組を継続視聴することで、子供たちから「自分たちにできることはないだろうか」と意見が出ています。『ドスルコスル』の番組のチカラは、子供たちに何かできることはないのかという刺激を与え、活動の広がりを生むことです。活動の広がりを支援するのは教師の役割で、自分たちにできることを子どもに考えさせて終わるのではなく、実際に取り組ませることが大切です。そのような実践を期待しています。(堀田 博史)

堀田 博史

「ドスルコスル」を活用した宮﨑先生の実践は・・・平間小学校・宮﨑学級では、『ドスルコスル』を視聴することで、身の周りにはまだまだ自分の知らないたくさんの問題があることに気づかせたい、という願いがあります。番組を継続視聴することで、子供たちから「自分たちにできることはないだろうか」と意見が出ています。『ドスルコスル』の番組のチカラは、子供たちに何かできることはないのかという刺激を与え、活動の広がりを生むことです。活動の広がりを支援するのは教師の役割で、自分たちにできることを子どもに考えさせて終わるのではなく、実際に取り組ませることが大切です。そのような実践を期待しています。(堀田 博史)

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