実践リポート

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「ふしぎがいっぱい6年教諭」で課題追究学習

菊地 寛 教諭

菊地 寛 静岡県浜松市立三ケ日西小学校教諭

小学校6年・理科の人体の学習をどのように扱っていますか?「ふしぎがいっぱい」の番組をご存知ですか?この番組は、10分の中に、課題となりえる事象がいくつか仕掛けられていて、オープン・エンドで番組は終わります。そこで、番組を試聴後、グループごとに学習課題に関する追究計画を立て、学校放送番組を試聴したり実験をしたりしながら、課題解決を目指す学習を行いました。
※この実践および所属は、2015年度のものです。

ふしぎがいっぱい(6年)【対象】小学校6年生/理科

ふしぎがいっぱい(6年)

燃焼の仕組みや人体の働き、地層やてこの働き、月と太陽の関係など、さまざまな内容を扱います。枯れ葉を食べるダンゴムシの映像の美しさが印象的な命の循環を扱った放送回(第19回「つながる命」)や、ロボット研究に打ち込む科学者の姿を描いた発展的な内容の回も含まれています。ほかの学年も共通ですが、番組サイトではモデルとなる番組の利用案(指導案)やワークシートもご覧いただけます。

この番組を見る

活用のねらい

6年生理科「食べ物のゆくえ(消化)」においてグループ1台のタブレット端末を活用した課題追求学習をねらいとしました。本実践における課題究追学習とは、(1)児童に学習課題に関する追究計画を立てさせ、(2)それに基づいて課題解決を目指す学習です。このような実践のねらい、および、方法を採用した理由は、これまで一斉学習の中で課題解決学習を行ったり、ジクソー型グループ問題解決学習を行ったりしてきましたが、課題追究の計画を子どもたち自身が立てたり、自分たちにとって必然性のある課題を設定できなかったりという問題があったからです。

本実践では、グループごとに単元を通した追究計画を設定させ、動画クリップや放送番組を課題解決のために活用することにしました。課題解決の過程でタブレット端末を用いました。その理由として、タブレット端末は教室や理科室といった場所を選ばず、グループで囲みながら簡単操作で視聴ができるからです。

授業の様子

題材食べ物のゆくえをさぐろう
学習目標学校放送番組や本などの資料、実験した結果を基にして、消化の仕組みや働きについて説明することができる。

番組視聴後、グループごとに、学習課題を設定し、追究計画を立てました。より詳しく調べるために学校放送番組の視聴、本での用語調べ、だ液の働きを調べる実験などを考えました。タブレット端末を活用しているため、学校放送番組を視聴しながら実験をしたり、繰り返し同じ番組を視聴して内容を理解したりという姿が見られました。

教師は、学習計画や机間指導の中で、グループの学習内容や児童の理解度を把握し、方向性を確認したり、思考を促すような発問をしたりということをしました。

子どもの変容

単元学習の前後での消化に対する自由記述をしました。学習後には、記述量が増え、学校放送番組を踏まえた内容にもなっていました。

実際の児童の表れとして、グループごとに、動画クリップのいくつか視聴したり、動画クリップの再生と一時停止を繰り返したりして、「消化」とは何かグループで話し合いながら、グループで考えを一つにまとめていくことができました。足りないところは、本を使ったり実験をしたりして、知識の補完をしていました。

休み時間でも夢中になって、課題を解決しようとする児童が多く見られました。また、グループでの課題解決学習としたので、学校放送番組や動画クリップを使って、グループ内で互いに説明している姿も見られました。

授業を振り返って

「人体」分野は、調べ学習で終わってしまいがちな単元ですが、番組とタブレット端末を効果的に活用することで、グループでの協働的な問題解決学習を取り組むことができました。今後も、他教科、他分野でも問題解決学習のために、学校放送番組を利用していきたいと思います。

本時案(授業プラン)

学習活動指導上の留意点

第一次:学習課題をつかむ。

1 を視聴し、学習課題をもち、追究計画を立てる。 グループごとに学習課題を立てるときには、学校放送番組を見ながら課題が立てられやすくしておく。

第二次:課題を追究する。

2
3
実験を行ったり、「動画クリップ」を見たりしながら、課題を解決していく。 事前に追究計画を把握し、実験の安全性を確認しておく。実験に必要な道具を準備しておく。

第三次:学習をまとめる。

4 追究したことをタブレット端末でまとめる。 グループで全員が理解しているか、机間指導をしながら、確認する。
5 学習をまとめる。  

木原 俊行

『ふしぎがいっぱい 6年』を活用した菊池先生の実践は・・・菊池さんは、第6学年の理科の人体の学習において、ICT活用によって、教科指導における探究的な学びを実現しています。すなわち、子どもたちに、「消化」に関する学習計画を策定させ、興味・関心を踏まえた問題解決的な学習を実行させています。その際に、彼らに、タブレット端末を調査や発表に利用させていますし、特に調査においてはNHK for Schoolの動画クリップの利用を推奨しています。菊池さんの実践では、子どもたちは、書籍の利用や実験にも積極的に取り組んでおり、彼らは、多様な情報手段を問題解決的な学習を支える術として意識しています。そうした意味で、この実践は、理科教育と情報教育のよき接点を追究しているとも言えましょう。(木原 俊行)

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