家庭学習

岩田 智文

学校と家庭でNHK for Schoolを活用した授業

岩田 智文  愛知県江南市立西部中学校 教諭

学校と家庭でNHK for Schoolを活用した授業

岩田 智文

岩田 智文
  愛知県 江南市立西部中学校

はじめに

理科の授業で大切にしたいことは直接的な体験学習です。実験や観察などがそれに当たります。また、理科を学ぶ醍醐味は学習した内容が生活に生きて働き生活に結びついていくことです。気象、地震や火山、水溶液の性質、電磁気など数えだしたらきりがないほどです。そして、それらの学習内容に、理科の有用性を感じることが学習意欲の向上につながります。
しかしながら、すべての現象を理科室や学校内で体験することは不可能です。そこで授業で活用しているのがNHK for Schoolです。とりわけ、「10minボックス」は、10分という短い時間で要点を押さえられています。授業で活用することで、生徒の理解を深めることができます。

プレイリストについて

NHK for School のプレイリストをご存知でしょうか?意図的に見せたい番組・動画クリップを一覧としてまとめられる機能です。事前にプレイリストを作成しておけば、検索することなく授業中に素早く再生することができます。またプレイリストは公開し、配付をすることができます。職員室のパソコンで作ったものを公開すれば、あらかじめ作成したプレイリストを、番号を入力するだけで表示することができます。教師が意図した番組や動画クリップを校内で同僚や生徒に配付するだけでなく、家庭でも視聴できるようになるのです。

活用のねらい

本校では、授業で積極的にNHK forSchoolを活用してきましたが、今回の実践は授業だけでなく家庭学習でのNHK for Schoolの活用です。生徒が指定されたNHK for Schoolの番組を視聴することで、家庭学習と授業の連携を図りながら、学習に向かう姿勢を養うことを目的としています。予習として家庭で番組を視聴し、授業では、そこで得た情報を基にグループやペア学習の中で、自分の言葉で現象を説明することをねらいとしています。

授業の様子

この実践について実は、以前から考えてはいたのですが、なかなか踏み切れない理由がありました。一つは、家庭でのスマートフォン・タブレットの普及率の低さ。そして、もう一つは私が意図した番組や動画クリップを家で視聴してもらうにはNHK for Schoolのアプリケーションが必要なことでした。今でもスマートフォン・タブレットが全家庭にはありませんが、インターネットがつながる環境がある家庭は100%となりました。また、NHK for Schoolのホームページの更新により、ブラウザーでもプレイリストを受け取ることができるようになり、アプリケーションがなくてもプレイリストを活用できるようになりました。

授業プラン

今回の実践は中学校3年生の天文の単元「惑星の見え方」での取組です。はじめに「火星(外惑星)の見え方」について10minボックスを活用しながら学校で学習します。授業の最後に次回の予告として「金星の満ち欠け」についての動画クリップを視聴します。次に、予習として生徒が各家庭で10min ボックスの「金星の見え方」を視聴します。次回の授業までに「金星の見え方」の内容をまとめたレポートを作り、最後に授業でレポートを基にペア学習で「明けの明星」「宵の明星」についてお互いにレポート内容を説明します。

天文の単元(惑星の見え方)

火星の授業

導入 ・太陽系の惑星の並び順について生徒に質問する。
その後、動画クリップ を視聴する。(前時の振り返り)
展開 ・本時の学習課題を知る。
「惑星はどのように見えるのだろうか」
・太陽から海王星までの順番で地球を基準に「内惑星・外惑星」に分類されることを知る。
・板書タイム 「内惑星・外惑星について」
・今回は外惑星である火星についてどのように動くのかを知る。
星座シミュレーターで火星の動きを生徒と一緒に確認。
・シミュレーターだけでは、原理が分かりにくいので、10min ボックス を視聴する。
視聴した後に発問
「火星は満ち欠けしますか」「火星の見かけの大きさは変化しますか」
・生徒はユニットで回答する。
・番組を視聴して発問の正解を確認する。
→確認した後
・板書タイム キーワード(順行・逆行)
まとめ ・火星と地球の動きを確認しつつ、火星の満ち欠け、大きさの変化についてまとめる。

次回の予告
「金星の見え方について」

動画クリップ を視聴→課題の確認
→課題プリントを配付した後、プレイリスト番号の確認 動画が2本あることを確認
・プレイリスト番号を記入、コンテンツタイトル確認

家庭学習

・教師より配付されたプレイリストを入力し、登録されている「星を見る~金星の見え方」「金星の満ち欠けは?」を視聴する。
・視聴してわかったことをプリントにまとめる。


金星の授業

導入 ・家庭で視聴した内容を確認しながら、動画クリップ を視聴する。
展開 ・学習課題を知る。
「金星の満ち欠けの仕組みを知り説明できるようになる」
・自身のレポートを見つつ、金星の満ち欠けについて説明する。(ホワイトボードに記入)
・ペア学習 明けの明星について、宵の明星について説明する。(ペアで交代)
・グループ代表を決め、全体の場で発表する。
まとめ

・板書タイム(代表者の発表を確認し、各自ノートにまとめる)
キーワード…「宵の明星」「明けの明星」「方角」「観察可能時間」「大きさと満ち欠け」


生徒の変容

生徒の事後アンケートからは、「教科書とワークで学習するより分かりやすい」「繰り返し視聴でき、納得いくまで何回も見られるので自分のペースで学習できる」などの意見が多く出てきました。授業での視聴とは違って、自宅で自分に合った視聴方法や時間で見ることができるので、生徒たちは主体的に学習することができたようです。視聴内容のレポート作成が課題としてあったことから「分からない」をそのままにしておくことができず、納得するまで視聴する必要が生まれました。学校に戻ってからのペア学習でも、キーワードを上手に使って説明することができ、表現力が向上したと感じます。

保護者からもご意見をいただきました。「教科書だけでなく動画を見ながら学習できるのでとてもいいと感じました」「ナレーションもあってわかりやすい説明なので、自宅でも戸惑うことなく安心して学習しているようすです」「プレイリストで動画を指定しているので、検索に時間を割くことなくスムーズに学習しました」など家庭内でも好評であった様子がうかがえます。

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