ブラックホール 用語集

【星の一生】
 星は星間ガスが重力で収縮し、高温の原始星となります。中心部で安定した水素の核融合反応を開始することで、主系列星として長期間、ほぼ同じ大きさと光度で輝き続けます。やがて中心部の水素を消費し、ヘリウムでできた芯が大きくなると、太陽程度の質量を持つ星では、中心部のヘリウムが核融合を始め、赤色巨星に進化します。さらに質量の大きい星では、中心部で次々と核融合が進行し、やがて星は死を迎えます。星の死のかたちは様々であり、その星が持っていた質量によって運命が決まります。
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【超新星爆発と中性子星】
超新星爆発と中性子星 星の進化が進んだ段階の重い星の内部では、たまねぎのような核融合反応の多重構造ができて、中心部では鉄の芯ができます。鉄の原子核に他の原子核を融合させるには、それまでと違って吸熱反応となり、エネルギーを必要とするため、鉄はそれ以上核融合をしません。やがて星の中心部が50億度を超えるような高温になると、鉄の原子核が高エネルギーの光子によって分解され、鉄の芯が崩壊を始めます。そしてそれをきっかけに中心部は際限なくつぶれてしまい、中性子だけからなる、高密度のかたまりになります。一方、中心部がつぶれると同時に表面に向かって進む衝撃波は、星の外層のガスを一気に吹き飛ばしてしまいます。これが超新星爆発のひとつの典型的なかたちです。
 中性子星には大きさの限界があります。太陽の質量の3倍以内でないと、自分の重力を支えることができずにブラックホールになってしまいます。
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【ブラックホール】
 ブラックホールは、物質を極限まで押しつぶしたときに、その表面での脱出速度が光速を超えてしまった天体です。光すらもそこから出ることができないので、直接観測することはできませんし、通常の物理法則のほとんどが適用できなくなります。ブラックホールをつくるには、地球の質量を持つ天体場合で直径2cmほどに押し縮める必要があります。

 ブラックホールの存在は、アインシュタインの一般相対性理論からシュバルツシルトによって最初に導き出されました。また、オッペンハイマーによって、中性子星が重力崩壊を起こすことによって生じる可能性が指摘されていました。しかし、ブラックホールの存在が認識されるようになったのは、大気圏外でのX線観測がきっかけです。
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【重力レンズ】
重力レンズ ブラックホールは、その強力な重力のために空間をゆがめてしまい、その近傍を通る光の進路を曲げてしまいます。この効果を重力レンズといいます。重力レンズは、ブラックホールに限らず、質量の大きい天体であれば、実現することができます。このような空間のゆがみは太陽でも確認されています。重力レンズの効果で、ブラックホールごしに見た風景は、ブラックホールの周辺を通ってくる光が曲げられて、ゆがんだ世界に見えてしまいます。
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【ブラックホールの検出】
 ブラックホールの検出には、その強烈な重力によって引き込まれるガスが発するX線や、周囲を回るガスの速度分布などが手がかりになります。また、連星をつくっているときは、その天体の質量を求めることができるので、中性子星の限界質量を超える高密度天体が検出されれば、それはブラックホールの有力な候補となります。
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【X線観測衛星】
X線観測衛星 X線は大気により吸収されてしまうので、大気圏外で観測することが必要になります。人工衛星によるX線観測は、1970年のウフルにはじまり、現在までに多数の観測衛星が打ち上げられ、多くの成果を上げています。
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【はくちょう座X−1】
はくちょう座X−1 はくちょう座X−1はX線観測衛星ウフルが発見したX線天体の中で、もっともブラックホールの可能性が高いと考えられた天体です。この天体は少なくとも太陽の15倍の質量を持つ青色超巨星と連星をつくっていて、そのガスの一部をむしり取り、降着円盤をつくって、そこからX線を放射しています。はくちょう座X−1はこのように強い重力を持ち、質量は太陽の10倍程度あると考えられるので、ブラックホールの候補として非常に有力な存在です。
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【降着円盤】
 ガスがブラックホールに引きずり込まれる際には、回転するガスの円盤をつくります。これを降着円盤と呼びます。円盤の中心部からは回転軸の両方向にジェットが吹き出し、対称的な速度成分を持つ電波ジェットとして観測されます。
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【電波による観測】
電波による観測 電波による観測は、銀河中心のように暗黒星雲のようなガスやちりが間にはさまっていても、波長が長いためにそれらを透過して観測ができるという有利さがあります。電波を出すのは低温のガスですが、そのドップラー効果による波長の変動を測定することで、ガスの運動の様子を知ることができます。
 電波は可視光などと比べて波長が長いために、解像度を上げることは原理的に難しいのですが、巨大な電波干渉計をつくることでその欠点をカバーすることができます。
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【電波干渉計】
電波干渉計 電波干渉計は、遠方から来る電波を異なる地点で受信し、その位相(到着時間)のわずかなずれを使って、高精度の分解能を持つ電波望遠鏡の役割をもたせるものです。番組で紹介された干渉計以外にも、1997年に打ち上げたスペースVLBI衛星「はるか」によって、飛躍的に高い解像度の電波干渉計が実現されています。
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【銀河中心】
銀河中心 この番組の制作時点では、銀河中心のブラックホールは、太陽の質量の250万倍程度の質量を持つ、1個から数個である、という認識が一般的だったのですが、1999年に東北大の研究グループが、銀河中心のブラックホールを波長10m前後の電波を使った干渉計で調べた結果、24個のブラックホールが存在すると発表しています。これらのブラックホールの質量は、太陽の3200倍から125万倍で、たがいの共通重心のまわりを回る、連星のような運動をしているものと推測されています。同グループは、アンドロメダ銀河の中心についても、63個のブラックホールが存在するとしています。
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【他の銀河中心】
 銀河中心のブラックホールの存在は、他の銀河についての観測の方が進んでいる側面もあります。国立天文台とアメリカのグループは、渦巻銀河NGC4258の中心部のガスの動きを、ドップラー効果による波長のずれを高分解能で観測し、その速度分布を計算機でシミュレーションすることで、ブラックホールの存在を示すことに成功しました。
 現在では、多くの銀河についてその中心にブラックホールが存在することが確かめられつつあります。
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【クエーサー】
 クエーサーは非常に大きなエネルギーを放出する天体で、非常に遠方で観測されるので、宇宙の初期に多くつくられたと考えられる天体ですが、その正体は謎に包まれています。現在では、クエーサーのエネルギー源が巨大なブラックホールではないか、という考えが有力になっています。
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萩谷宏(アドバイザー)


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