外国籍児童は、家庭では、母国の文化を中心とした生活をしている児童も多く、日本の習慣やマナーを知らず、学校では、友達とトラブルになってしまうことがあります。道徳科の学習では、母国と少し違う考えもあり、教材を理解するのに苦労しています。
外国籍児童が、日本の習慣やマナーを視覚的にとらえ理解できるよう、国際教室(日本語を指導しながら学ぶ教室)で、「がんこちゃん」の動画教材を活用し授業を行いました。在籍級で行っている教科書教材のねらいに合わせて、「がんこちゃん」の動画教材を選び、道徳科として児童に理解してほしい内容と、日本語指導として指導する語句や表現を考えました。実際の授業で「がんこちゃんとナイチー鳥」を活用した学習を紹介します。
【学習の流れ】
①その時間に必要と思われる日本語「ぐったり」「じゃま」「大事にする」を、パペットを使ったり、本人が動作化したりする。
②「がんこちゃんとナイチー鳥」の動画をiPadで視聴する。
③あらすじ一覧の写真をカードにして、話の内容の順番に並べ替えをし、内容をどのくらい理解できたか確認する。
④写真カードを見ながら、登場人物(ナイチー鳥やリンリン虫)の気持ちを考える。
⑤ナイチー鳥が戻ってきたときの王様の気持ちやリンリン虫に対するがんこちゃんの気持ちを考え、「大事にする」という意味を考える。
⑥自分の生活の中で、大事にするものを考え、ワークシートに記入する。
本時は、いつも以上に学習に集中し、動画視聴中に内容に関する発言がたくさんありました。また、③の写真の順番を並べ替える場面では、話の内容をしっかり理解していて、本児には、動画を使い、視覚的な補助がとても効果があることがわかりました。
授業後、「がんこちゃん」の視聴覚教材は、とても楽しかったようで、児童からがんこちゃんの教材を使って学習したいと言うようになり、国際教室での道徳科の授業を楽しみにしています。その後も「大事にする」という言葉を使うように心がけると、自分から「大事にする」という言葉を使うようになってきました。授業から数か月が経ちますが、少しずつ友達との関りがうまくできるようになってきたのではないかと思います。
外国籍等の児童には、「がんこちゃん」などの視聴覚教材は、視覚的に内容をとらえることができ、理解がしやすく活用しやすかったです。