国語の教科書には、「学級討論会」という単元がありますが、今までのうまくいった試しがありませんでした。教科書には、「学級文庫に漫画を置くべきである」というテーマが紹介されていますが、こういったテーマでやると、難しいです。
・話し合った結果を子どもたちが求めてくること。負けた方は、話し合いの後も嫌な思いをしてしまうこと。
・様々な場合が考えられ、調べ学習の量の違いで、差が出てしまい、同じ土俵で話し合えなくなり、噛み合わない討論になってしまうこと。
・討論会の結果の判定が難しいこと。
その点、『昔話法廷』は、争点がはっきりしていて、視聴した中での事実で話し合うので、討論しやすく、噛み合った話し合いになります。何よりも、面白いのが一番です。よく知っている昔話が、超真剣な裁判になってしまうのですから、思わず吹き出してしまいます。
今回は『昔話裁判』(アリとキリギリス裁判)を視聴しました。アリがキリギリスに食料を渡さなかったため、キリギリスは冬に餓死してしまい、アリは「保護責任者遺棄致死罪」で訴えられます。果たして有罪なのか?無罪なのか?話し合います。子どもたちもやる気に満ちていて、45分間、ほとんどずっと話し合いをしていました。私たち大人の知っているアリとキリギリスでは、キリギリスの自業自得だというお話ですが、この裁判は、アリが有罪なのかもしれないと思ってしまうポイントがいくつもあります。根拠のしっかりしている噛み合った話し合いはとても楽しいようで、終わった後もまたやりたい!という声が出てきました。「異議あり!」が流行っています!
写真は、昔話法廷に出てくる挿絵を印刷したものです。挿絵は、「事実」を表しているので、子どもたちは主張の根拠にしやすいみたいです。教材に挿絵を入れてもらえると嬉しいです。