第10弾

視覚障害者マラソン × ましろ日

テーマ曲・LiSAさんインタビュー

“晴れ舞台に臨む、頑張っている方々への応援歌”

LiSAさんは今回、視覚障害者マラソンを初めて知ったそうですが、どんな印象を受けましたか?

LiSA ランナーと伴走者が短いロープの両端を持って、一緒に長距離を走る――。すごく強い信頼関係がないとできない競技だと思いましたし、ロープが“絆(きずな)”と呼ばれていることにも納得しました。見えない状態で走るランナーの方はもちろん、伴走者の方もすごく緊張するんでしょうね……。障害物や進路を知らせるだけでなく、常にランナーの心に寄り添って、欲しい言葉をかけ続けなくちゃいけないわけなので。この競技に求められる絆って、「相手のことを理解すること」なのかな、と感じました。

テーマ曲の制作にあたって、アニメの原作漫画『ましろ日』も読まれたそうですね。

LiSA はい! ランナーが伴走者に何を求めているのか、伴走者がそれにどう応えていくのか、信頼関係の育っていく様子が丁寧に描かれていて本当におもしろかったです。自分に置き換えると、ライブをする私とチームの関係に似ているなと思いました。ライブは生演奏でやることが多いので、CD通りの演奏ではなく、音で会話しながら、その場の空気で化学反応を起こしていきます。視覚障害者マラソンと同じように、信頼関係があって成り立つものなんです。私も、チームのみんなやバンドのメンバーに支えられて、ステージに立つことができている。そんな思いも曲に込めさせてもらいました。

歌詞にも、『ましろ日』からインスパイアされた部分があると聞きました。

LiSA たくさんあります。普通は誰かに支えてもらって歩くだけでも不安だと思うのに、並んで全速力で走るなんて……。そこには、ものすごく強い信頼関係があるんだと思いました。

やはり、“信頼関係”がキーワードなんですね。では、「晴レ舞台」というタイトルはどんなところから付けたのでしょうか?

LiSA 曲名に関しても、競技に臨む方々とライブをする私たちとの共通点から発想しました。この曲を書いたのは、私にとっての晴れ舞台、初めての紅白歌合戦(2019年)に出た直後。本番当日までものすごく緊張や不安を感じていたんですけど、ステージに立ったとき、「思いっきり歌を届けるしかない」と覚悟が決まったんですよ。まぁ……ステージが終わった後は号泣してしまったんですけど(笑)。そういう覚悟は、大事な試合に臨む競技者のみなさんにも通じると思ったので、私なりに寄り添わせてもらいました。

視覚障害者ランナーや伴走者はもちろん、さまざまな人を後押しする歌になっているんですね。

LiSA 晴れ舞台に臨む、頑張っている方々の応援歌になっていたらうれしいです。みなさんのやってきたこと全てを思いっきり出し切れる、特別な日になったらいいなと思っています。「晴レ舞台」を聴いて、みんなが自分らしく、楽しくゴールに向かって走っていけますように! 以上、LiSAでした! 今日もいい日だっ!

本日は、ありがとうございました。