第8弾

パラバドミントン × 瀬尾公治

朝比奈翼 役・平野綾さんインタビュー

“演じていて、私自身がすごく勇気づけられました”

アニ×パラ第8弾「パラバドミントン×瀬尾公治」の出演オファーを受けたときは、どんなことを思いましたか。

平野 「アニ×パラ」はパラスポーツを盛り上げるプロジェクトということで、声優として力になれるなら、こんなにうれしいことはないなと思いました。ちょうど、舞台で事故に遭い義足になる役を演じているタイミングだったので、ご縁も感じています。役を通じて障害を知り、考え、感じられることは、私自身にとっても大切な経験になると思いました。
あと……瀬尾先生が原作を務めていらっしゃるアニメのオーディションに落ちた経験があり、その意味でも、お声がけいただけてうれしかったです(笑)。

平野さんは、これまでパラバドミントンをご覧になったことはありましたか。

平野 きちんと見るのは今回が初めてでした。試合の映像を見せていただいたのですが、迫力がすごかったです! 私が見たのは車いすのクラス*でしたが、健常者のバドミントン以上の迫力を感じる瞬間もありました。

*パラバドミントンの競技は、障害の種類・程度によって6つのクラスに分類される。車椅子に座った「WH1」「WH2」、立位の「SL3」「SL4」「SL5」、低身長の「SS6」がある

平野さん演じる翼は、中学校のバドミントン部で活躍していたものの、事故で足に障害を負ってパラバドミントンに転向します。翼にはどんな印象を持ちましたか。

平野 最初は、足の障害を必要以上に意識して、ちょっと身構えてしまったところがありました。でも、翼自身は「前に前に進んでいこう!」というタイプ。葛藤を抱えながらも、明るく前向きに生きていこうとするんですよね。そんな彼女に、私も引っ張り上げてもらったというか。演じていて、私自身がすごく勇気づけられました。

今作は、翼の幼なじみ・龍之介とのやりとりも大きな見どころになっていますね。

平野 会話が甘酸っぱくて、いいですよね! パラバドミントンに打ち込む真剣な面と、年齢相応の面があって、それが本当にかわいいなぁと思います。演じていてキュンキュンしちゃいました。お互いにあまり気を使わず、障害のことも含めてズバズバ言えてしまうので、すごくいい関係ですよね。

恋愛でもあり、それ以上のものも感じられました。

平野 5分間のアニメの中で関係性が進展していって、最後もすごく希望のある終わり方なんですよね。翼と龍之介の恋、みなさんにもぜひ応援してほしいです! 本当に信頼し合える人がすぐ近くにいて、うらやましいなと思いました。
龍之介のほかにも、翼はいろんな方に支えられていますよね。試合のシーンでは、翼の家族や、子どものころからお世話になっている駄菓子屋のおじさんも応援しに来てくれていてすてきでした。障害のあるなしに関係なく、やっぱり、人は独りでは生きていけないと思うので。

みんなからの声援を受けて奮闘する、翼の演技にも迫力がありました。

平野 今回は、ほかのアニメでの演技より、ちょっとリアルに寄せているんです。2.5次元、3次元に近いかもしれません。真剣に試合に臨む翼を通じて、パラバドミントンをリアルに、そして身近に感じてもらえたらうれしいですね。私も今後、パラリンピックに限らず、パラバドミントンに注目してみたいと思います!

本日は、ありがとうございました。