第7弾

弱虫ペダル × パラサイクリング

川本翔大選手 役・小野友樹さんインタビュー

“川本選手の言葉に勇気とパワーをもらいました”

アニパラ第7弾「弱虫ペダル×パラサイクリング」のオファーを受けたときのご感想は?

小野 まず、「弱虫ペダル×パラサイクリング」という組み合わせが画期的ですよね。微力ながら、記念すべきコラボレーションに参加できることを光栄に感じました。2020年に向けてパラリンピックを盛り上げていく、大きなムーブメントに関われてうれしいです。
そして単純に、あの「弱虫ペダル」に参加できたこともうれしい(笑)。声優陣とは座談会でもご一緒しましたが、長く続く作品だからこその絆ができ上がっていて、ちょっとうらやましかったです。川本選手というキャラクターを通じてご一緒でき、いい時間を過ごせました。

パラサイクリングの川本翔大選手という実在の人物を演じたわけですが、役柄にはどんな印象を受けましたか?

小野 川本選手って、ものすごい選手なんですよ! 日本記録を次々と塗り替えたり、今年のアジア大会でも複数の種目で金メダルを取ったりしていて。それなのに、過去のインタビューなどを読んでいくと、すごく謙虚なお人柄が伝わってくるんです。川本選手をご存知のスタッフさんに聞いてみても、とても優しい性格の方だとおっしゃっていましたね。アニメキャラとしても、謙虚な中に気概を秘めている人物と解釈して、その両面を表現したいと思いました。

まずは序盤、パラサイクリングについて坂道(CV:山下大輝)に教えてあげるシーンが印象的でした。

小野 そこは、今回ならではのお芝居だったかもしれません。片足がないことに坂道くんは驚くわけですが、川本選手にとっては自然なことだから、ごく自然に答えるんですよね。お芝居としても余計な情報を入れず、自然体で演じられるように気持ちを重ねていきました。

役として川本選手になってみて、共感した部分などはありましたか?

小野 障害と同列に語ることはできませんが、僕にも大きなケガでスポーツを諦めた経験があるので、いろいろと感じ入るところがありました。
僕は小学校からサッカーを始めたんですが、高校時代にはチームに恵まれ、全国大会に出場したこともあって。サッカーだけが好きだったから、高校を卒業したらプロの門をたたこうと思っていました。でも、その矢先、足に大きなケガをしてしまい、諦めざるを得なくなったんです。今でも、調子が悪い日は歩けないことがありますよ。

いまだに影響が残っているんですね。

小野 でも、サッカーが好きな気持ちに変わりはないので、今も自分の足が許す範囲でフットサルをやっています! ケガをするたび、「ここが使えないならこう工夫しよう」と考えながらサッカーをしてきた感じですね。だからこそ、「僕にとっては、この(片足での)ペダリングが自然なんだよ」という川本選手のセリフには、勇気とパワーをもらいました。

坂道と川本選手は、ペダリングの方法こそ違うものの、本気の勝負が成立していました。

小野 そうですね。最後の手に汗握るゴールスプリントは特に印象的でした! もう身体的な違いとか関係なく、二人とも全力でペダルを踏み込むだけなんですよね。結果としては同着になるわけですが、お互いに火が付いて、2周目に行っちゃう……その流れが本当に好きです。スポーツを通じて相手を認め、だからこそ勝負にこだわる。二人の中には、全く同じ“アスリート魂”が宿っているんだと感じました。

本日は、ありがとうございました。