2009年12月28日 (月)新型インフル流行下の大学入試


 新型インフルエンザへの感染が続く中で、大学入試は1月16日と17日に行われる大学入試センター試験から本格化します。新型インフルエンザによる影響はどうなのでしょうか。今回は、例年からの変更点を取り上げます。

■新型インフルエンザへの対応は

 文部科学省が専門家による協議会を設け、方針を決めたものです。受験生がふだんと変わりなく安心して試験が受けられるようにするための対応、受験生本人が新型インフルエンザにかかった場合不利益にならないようにするための配慮、まかり間違っても試験会場から感染が拡大しないようにするための備えをどうするのか、議論されました。
 どう変更されるのか、時系列に沿ってみていきましょう。

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■センター試験前の変更点は

 これまでは、季節性のインフルエンザにかかるなどして体調を崩した場合、前日から追試験の申請を受け付けていましたが、今回からさらに3日前、連休明けの1月12日から受け付けることになりました。申請の受け付けを前倒しすることにしたのは、試験前にインフルエンザにかかったことで受験生本人が治るか治らないか直前までやきもきすることがないように配慮したものです。また、あらかじめ追試が受けられることがわかっていれば、治りきらないうちに無理をして受験し、ほかの受験生に感染を広げることがないようにという配慮もあります。受験生には、万が一試験前に感染した場合、医師と相談してくれぐれも当日無理をしないようにしてほしいと思います。

■試験当日の対応は

 2日間とも1時間目の集合時間がこれまでより10分早められ、午前9時までになります。試験が始まるまでは試験会場で30分待機することになります。時間を前倒ししたのは、寒い中、会場の外で待っている時間を少しでも短くすることで受験生の負担を軽くしようとの配慮からです。また、試験開始前に受験生の体調の確認に時間をとりたいという事情もあります。入室が早まったことで、会場によっては開門時間、試験会場への入場を早めるところもあるということです。事前に確認しておくことが必要です。

 会場では、試験開始前に、試験監督から「体調が悪い人はいないか」質問があります。少しでも体調が悪いと申告があれば、待機している医師や看護師から症状の確認を受け、別室での試験か、医療機関での診察かに振り分けられます。感染の危険性を減らすため、また、ほかの受験生がひんぱんにセキをしたりすることで試験に集中できないといったことがおきないようにするための措置だということです。受験生には、あらかじめマスクを用意するよう呼びかけていますが、忘れたり、当日になって急に必要性を感じたりする受験生にも対応できるように、センターでは、受験生の1割にあたる5万5千人分、2日間で11万枚のマスクを事前に準備しているということです。ただ、受験生には、マスクぐらいは自分で用意して、自衛してほしいものです。

 また、1日目最後の「リスニング」の試験は音声に集中しなければいけないため、事前に体調が悪いと申告をしていなくても、セキをひんぱんにするような場合は、監督の判断で会場から出てもらい、追試験に回ることもあるということです。自分でちょっとでもあやしいと思ったら、あらかじめ別室での受験を申し出ておくことが賢明かもしれません。

■試験実施後は

 追試の日程と会場数が変わりました。追試は、1週間後に予定されていましたが、2週間後の土日、1月30日と31日に変更されました。これは、試験日に感染がわかった場合、ほかの人に感染させる危険性をなくし、本人の体調の回復を考えるとさらに1週、間をあけた方がよいと判断したからです。会場も、これまでの2か所から、今回は東京が2か所、それ以外の道府県はそれぞれ1か所ずつの48会場に増やされました。さらに受験者が増えた場合の会場も確保しているということです。

■各大学が行う2次試験は

 追試の日程変更に伴い、影響を受ける大学があります。大学入試センターから各大学に受験生の成績が送られるのが、3日遅れることになりました。このため、この時期にセンター試験の成績で合否判定をする推薦入試やAO入試の合格発表を予定していた大学の中には日程をずらすところがあります。また、2次試験についても新たに追試を行うことにしたり、それに伴い合格発表の日程を延ばしたりする大学も出ています。

 受験生にとっては、自分が受ける予定の大学はどうなのかと気になるところだと思いますが、センター試験に参加している大学の入試日程については、大学入試センターのホームページ(NHKサイトを離れます)から該当する大学のホームページにリンクしてありますので、これを参考にするのが便利です。最新の情報が随時更新されています。センター試験に参加していない大学については、各大学のホームページなどで確認することが必要です。いずれにしても、各大学では状況に応じて対応をとることになっていますので、面倒かもしれませんが、こまめにチェックして直前になってあわてないようにしてほしいと思います。

hayakawa.jpg早川信夫(はやかわ・のぶお) 1953年福島県生まれ

教育・文化担当の解説委員。臨時教育審議会以来、20年にわたり教育一筋に取材を担当。解説番組「時論公論」やおはよう日本「おはようコラム」、スタジオパークからこんにちは「暮らしの中のニュース解説」などの番組で、教育問題のエキスパートとして活躍中。

投稿者:解説委員 | 投稿時間:12:10

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