2010年07月15日 (木)伝える極意 授業リポート (7/9)

伝える極意 は、「伝える」ことに挑戦する子どもたちと、それを導く表現の達人たちの姿を通して、自分の思いを相手に伝えるコツを紹介する番組です。7/9(金)、神奈川県川崎市立岡上小学校5年2組で、伝える極意「感想がスラスラ書ける~感想文~」を使った授業が行われました。その様子をリポートします。
★感想文を書くって、楽しいかも!
授業が始まると担任の片岡義順(よしのぶ)先生は「いま国語で、読書を楽しむ学習をしていますね。今日から感想文に挑戦しようと思います」と言いました。多くの子どもたちはまだ感想文を書いたことがないので、戸惑った様子です。ほとんどの子が、読書は好きだとけど感想文を書くのは嫌いだということです。理由は、書き方がよくわからないから。先生は「これからみんなでテレビを見ますが、そこに出てくる遙万(はるま)さんもちょうどみんなと同じ感じです。では、見てみましょう」と言ってテレビをつけました。
【伝える極意「感想がスラスラ書ける~感想文~」 あらすじ】
小学6年生の遙万さんは、まだ読書感想文を書いたことがありません。書こうと思っても何を書いていいかわからず悩む遙万さんのもとに、作文の指導をして35年という宮川俊彦さんがやって来ました。そして昔話「浦島太郎」を題材に、感想文を書く極意を伝授してくれました。

番組が終わると先生は子どもたちに、遙万さんが書いた浦島太郎の感想文をどう思ったか尋ねました。すると「"おと姫様は自己中心的"だとか自分の思ったことを書いていたので、聞いていておもしろかった」「ぼくの考えとは違うと思ったけど、こんな感想もあるんだなと思った」といった意見があがりました。自分の正直な思いを自分のことばで表した遙万さんの感想文を聞いて、子どもたちはいろいろなことを感じたようです。
★文章の組み立てをくふうして、感想文の構成を考えてみよう
ここで先生は、番組の中で宮川さんが言っていた極意をふり返りました。それは、まず自分の意見を書いて、「なぜなら」と理由を書く。次に「たとえば」を使って具体的にし、「もしも」を使って話をふくらませ、最後に「だから」という言葉を使ってまとめるという、文章の組み立て方の極意でした。先生はこれを受けて《なたもだ》と書いた画用紙に黒板にはりました。さらに、これまで学習した《はじめ→中→終わり》《自分の意見→体験したこと、説明など→自分の意見》も並べてはり、みんなで文章の構成について確認しました。

次に先生は、一人ひとりに白い紙を配りました。子どもたちは前の時間、国語の教科書(光村図書5年上)にのっている説明文「千年の釘にいどむ」を読んで、ポイントとなる部分の感想を何枚かのしおり(読み取りカード)に書きました。そのしおりを、配られた白い紙の上に置いて、感想文の構成を考えるのです。授業で出てきた《なたもだ》《はじめ→中→終わり》のほかに、《たとえば→もしも→だから→なぜ》と自分で新しく構成を考えた子もいました。

★授業を終えた片岡先生にお話をききました
――子どもたちは番組をとても集中して見ていましたね。先生がこの番組から、子どもたちに何を感じ取ってほしかったのですか?
「本の感想を人に伝える楽しさ」が6割、「文章構成のスキル」が4割です。
まず「本の感想を人に伝える楽しさ」についてですが、子どもたちは番組の中の宮川さんと遙万さんのやりとりにすごく引き込まれていました。 宮川さんの導きで遙万さんがのびのびと感想文を書く様子を見て、感想文ってこんなことを書いてもいいんだ、自分も書けるかもしれないと気分が高まる雰囲気を感じました。これは番組を見た効果ですね。
次に「文章構成のスキル」ですが、子どもたちはわたしが指示をしていないのに、番組の内容を熱心にノートにメモしていました。そしてその後の活動では、それを自分のものにして考えていました。文章構成を考えることは感想文に限らず大切なことなので、引き続きその力を磨いていきたいと思います。
――この授業は「読書を10倍楽しもう」という単元の7時間目(全13時間)ですね。今後どんな学習をする予定なのですか?
今回の授業で考えた構成をもとに、次の時間は実際に感想文を書き、それを発表し合う予定です。もうすぐ夏休みなので、友だちの感想文を聞いて読みたいと思った本を、夏休み中に読んでもらいます。そして夏休み明けに、その本を紹介してくれた友だちに、自分の感想を書いた手紙を書いて渡します。
読書には、個人で本の世界を楽しむとともに、相手と感想を話し合って自分の世界を広げる楽しさがあります。この単元では教科書の「千年の釘にいどむ」の読み取りを中心にしながらも、司書の先生のブックトークを聞くなど、子どもたちがいろいろな本に興味を持ったり、それを友だちと分かち合ったりする活動を盛り込みました。こうした学習を通して、子どもたちの読み書きのスキルを伸ばすと同時に、「読書っておもしろいな」「本の感想を話し合うのって楽しいな」という気持ちをはぐくみたいと思っています。それこそが、本を読んだり、文章を書いたりするときの原動力になると思うからです。これからも、子どもたちが本を好きになるような雰囲気を大事にしながら授業をしていきたいと思います。
※ 8月9・10日に開催される「放送教育研究会全国大会」で、授業者本人による実践報告が予定されています。詳しい日程や参加方法は こちら をご覧ください。(NHKサイトを離れます)
伝える極意
< 教育 木 午前 10:45~11:00 >
投稿者:デジタル教材スタッフ | 投稿時間:22:05
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