2009年4月20日

理科ってこんなにおもしろかったのか


「どうも理科は苦手」という方も多いのではないでしょうか。かく言う私もそんな一人でした。新学期から小中学校の理科の授業時間が大幅に増えました。授業時間数が増えたからと言って、知識、知識と追い立てても子どもたちの科学的な関心が膨らまないのでと心配になります。しかし、理科っておもしろいのだなと思う出会いがありました。

■そのひとりは、ノーベル賞学者の恩師

 澤柿教誠(さわがき・きょうじょう)さんは、ノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんの小学校時代の恩師で、のちに富山県上市町(かみいちまち)の教育長を務めました。
小学校時代の田中少年のエピソードです。ある時、理科の授業でロウソクに火をつけたところ「あれぇ、小っちゃくなったぞ」と実験を見守る子どもたちの後ろのほうから声がしました。多くの子どもたちはその声に振り返ってしまい、炎が小さくなったあと再び大きくなる瞬間を見逃してしまいました。そこで先生は「田中、いいところに気がついたな」と声をかけ、みんなに「もう一度やるから、よく見とけよ」と言って、次のロウソクに火をつけました。今度は、子どもたち全員が見ることができました。そこで、先生はさらに3本目に同じように火をつけました。すると、子どもたちは「何でやろ」とざわつき始めた。これが、田中少年が投げかけた「科学する心」だった。「変わっていたけれど、おもしろい反応をする子だった」。そう澤柿さんは言います。
「田中のせいでみんなが見られなくなったではないか」とか「うるさい。黙っとけ」とやったら、田中少年はクラスの中で浮いてしまったかもしれない。「よく言った」と言ってあげることが、浮いた存在にさせず、本人にとっての自信になったのではないかというのです。
偶然の出会いですが、「不思議なことは不思議だと口にしていい」ことを教わったのが、その後ノーベル賞を受賞することになる田中耕一さんの「科学する心」の原点だったのではないかと思います。hayakawa.jpg

【続きを読む】

投稿者:解説委員 | 投稿時間:15:00 | カテゴリ:早川解説委員の教育コラム | 固定リンク
コメント(0) | トラックバック(0)

新番組『ひょうたんからコトバ』 国語の先生に活用法を聞く


『ひょうたんからコトバ』は、子どもたちが“豊かなことばの使い手”になることを目指す番組です。ことわざ・慣用句・故事成語などを取り上げ、これらのことばの生まれた歴史や使い方をさまざまな形で紹介します。番組の企画にもご協力いただいているお茶の水女子大学附属小学校の松木正子先生に、番組利用のアイデアなどを伺いました。

--『ひょうたんからコトバ』は、2011年度に完全実施される新学習指導要領の「言語活動の充実」「伝統や文化に関する教育の充実」を意識して制作しています。こういった力をつけようという背景には、子どもたちのどんな状況があると思いますか?

090420osusume1.jpg今回の改定の背景には、日本のことばがやせてきたことに対する危機感があると思います。携帯電話やメールが普及した影響か、コミュニケーションが骨組みだけのことばのやりとりですんでしまっているのではないでしょうか。日本語特有の、お互いの気持ちをおもんぱかった言い回しが、どんどん少なくなってきていると感じます。
また、古典が読めない人が多くなっていますね。別に生活をするうえで支障はないのですが、古典を読むことを通して身につけたことばや知識は、思考する目を確実なものにする効果があると思います。子どもたちは知らないことばや習っていない漢字を目にすると、心の中でそれを伏せ字にしたまま十分理解できないで読み進めることになります。だから読むことをおっくうがるのでしょう。でも日ごろから古典に親しんでいると「だいたいこんな意味かな」と予想して先に読み進めることができます。小学生のころからこういう感覚を育てておくと、中学校や高校で本格的に古典を勉強するときに抵抗なく入ることができるでしょうね。
古くから伝わることわざや故事成語は、ひと言で非常に多くの情報量を含むことばです。例えば「五十歩百歩だね」と言うだけで相手に言いたいことが伝わる。そういうことばが子どもの中に増えていくのは、とても意味のあることだと思います。ことわざ・慣用句・故事成語などは、かつては生活の中で自然に学べたのですが、今はそれがありません。そんな中で授業だけでそれを教えても、なかなか子どもの中に定着していかないんです。『ひょうたんからコトバ』では映像を使って、いろいろなことばに文脈をつけて扱うので、子どもたちは意味を持ったものとして吸収していけるでしょう。それを重ねることで、日本語のよさを発見していけると思います。

 

【続きを読む】

投稿者:デジタル教材スタッフ | 投稿時間:14:00 | カテゴリ:番組紹介 | 固定リンク
コメント(0) | トラックバック(0)

ページの一番上へ▲